教育年報1968年(S43)-037/197page

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   第2節 奨学育英

 1 福島県奨学資金貸与制度

 この制度は、福島県出身の高等学校、高等専門学校の生徒

または大学の学生でありながら経済的理由により修学困難と

認められる者に対して奨学資金を貸与し、もって教育の機会

均等をはかり、健全な社会の発展に貢献することを目的とし

て昭和27年に発足したものであり、その実施状況は次のとお

りである。

(1) 出願資格

 1) 福島県内に所在する高等学校または高等専門学校に在

  学している者で、福島県内に引き続き6ヵ月以上居住し

  ている者。

 2) 大学に在学している者で、福島県内の高等学校を卒業

  した者、または大学入学資格検定に合格した者(合格当

  時福島県内に居住していた者)で、かつ、大学に入学す

  るまで、または大学に入学する目的をもって住所を移転

  するまで、福島県内に引続き6ヵ月以上居住していた者。

 3) 1)または2)に該当する者で

  ア. 品行が正しく、学術にすぐれ、身体が強健である者。

  イ. 経済的理由により修学が困難な者。

  ウ. 他の奨学資金の貸与または給与を受けていない者。

(2) 奨学資金の貸与額

 1) 高等学校または高等専門学校の生徒

   昭和41年度以前の採用者 月額 1,500円

   昭和42年度以後の採用者 月額 2,000円

 2) 大学の学生

   昭和41年度以前の採用者 月額 2,500円

   昭和42年度以後の採用者 月額 5,000円

(3) 貸与期間

  奨学生の在学する学校の正規の修学期間

(4) 奨学資金の返還

  卒業の月の6ヵ月後から

  41年度以前の採用者は月賦で15年以内に返還する。ただ

 し、月賦の額は500円以上とする。

  42年度以降の採用者は半年賦で7年以内に返還する。

  また、貸与期間の満了、退学、奨学資金の借受け辞退、

 奨学資金貸与制度の廃止の場合も同様とする。

(5) 募集

  年1回4月中旬から5月上旬まで、各高等学校、主要大

 学及び報道機関を通じて広報する。

(6) 昭和43年度貸付状況
区分 継続
貸与
新規貸与 備考
応募者数 採用者数
高等学校
291

362

230

521
前年度より採用増
60人
大学 115 210 100 215 30
406 572 330 736 90

 2 日本育英会奨学制度

 本会は政府からの借入金を主体として、これに返還金、育

英寄付金等を加えて運営している国家的育英機関である。各

県の教育委員会内に支部があり、県内の中学校、高等学校を

対象に奨学生の採用・補導、奨学金の貸与3返還等の各事務

を行なっている。

(1) 奨学生

  奨学生は、高等学校、工業高等専門学校、大学、大学院

 及び国立工業教員養成所に在学する生徒、学生その他表1

 に該当する者で、在学校の校長、学長から推薦された者か

 ら採用する。

(2) 奨学生の採用

  表1のうち県支部が取扱うのは高等学校、高等専門学校

 の一般及び特別貸与奨学生と大学ならびに教育特別貸与奨

 学生の予約採用である。

 1) 高等学校一般貸与奨学生

   高等学校に在学する生徒で、学業、人物ともに優れな

  がら、経済的理由によって修学困難と認められる者で、

  学校長から推薦される者について、支部選考委員会を経

  て採用される。

   貸与月額 1,500円で募集は4月と9月の年2回であ

  る。

 2) 高等学校特別貸与奨学生

   高等学校に進学した第1学年の生徒で、学業、人物と

  もに優れながら、経済的理由によって修学困難と認めら

  れる者で、学校長から推薦される者について、支部選考

  委員会を経て採用される。

   貸与月額 3,000円 募集は年1回で4月上旬。

   卒業後一般貸与奨学生の貸与月額(1,500円)相当額

  を一定期間内に返還すれば残額は返還免除となる特典が

  ある。

 3) 高等学校、高等専門学校特別貸与(予約)奨学生

   中学校第3学年に在学する生徒で、学業、人物ともに

  優秀で進学希望を有するが、経済的理由により進学を断

  念ずることのないよう、あらかじめ奨学生の予約採用を

  中学在学中に行ない、高校・高専校進学後直ちに本採用

  となる。貸与月額は高等学校が3,000円。高等専門学校

  は自宅通学者は1〜3年が3,000円、4〜5年が5,000

  円。自宅外通学者は1〜3年が4,500円、4〜5年が

  8,000円である。

   卒業後一般貸与奨学生の貸与月額(1,500円〜3,000

  円)相当額を一定期間内に返還すれば残額は返還免除と

  なる特典がある。

   採用は中学校長の推薦により、面接のうえ支部選考委

  員会を経て予約採用される。募集は年1回で4月上旬。

 4) 大学特別貸与(予約)奨学生

   高等学校最高学年に在学、または卒業後1〜3年以内

  の者で、翌年度に大学進学を希望する者を対象とする。

   貸与月額は自宅通学者が5,000円、私立の場合は、

  7,500円、自宅外通学者が8,000円、私立の場合は

  12,000円である。返還免除の特典があり大学一般貸与奨

  学生の貸与月額(3,000円)相当額を返還すれば残額を

  免除しまたは免除職(小・中・高校の教諭その他)に一

  定年限就けば全額が免除となる。

   採用は高等学校長の推薦により、面接のうえ支部選考

  委員会を経て予約採用される。募集は年1回4月上旬。

 5) 教育特別貸与(予約)奨学生

   義務教育教員の資質向上に資するため、教員としての

  資質優秀な学生を国立大学教員養成学部に誘致すること

  を目的とする制度。対象は前記4)同様であるが面接は行

  なわず、高等学校長の推薦により、支部選考委員会を経



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