教育年報1968年(S43)-061/197page

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学校教育

   第1節 概     要

 1 指導行政の基本方針

 「学習効果をいっそう確実にし、強い意志とすぐれた知性

と豊かな情操を身につけた児童・生徒」の育成をめざして、

真の「学力向上」をはかることは、学校教育の基本的な目標

であり、ここ数年間努力してきたところである。

 昭和43年度においては、前年度までの実績と反省ならびに

長期総合教育計画の重点事項に基づき、努力目標を設定し、

その達成に努力してきた。

 すなわち、第1項に「学習効果をいっそう確実にし、強い

意志とすぐれた知性と豊かな情操を身につけた児童・生徒の

育成にあたる。」、第2項に「教職員の使命観を確立して、学

校管理態勢を充実するとともに、教職員の資質と指導力の向、

上につとめる。」、第4項に「へき地教育、特殊教育、幼児教

育の充実につとめる。」ことを目標としてかかげ、他の目標と

関連して、その充実徹底に努力してきている。

 義務教育課においては、このようにして教育の正常化をい

っそう促進し、目標達成のため教育課程の適正な編成とその

完全実施をすすめ、毎時の授業を充実し、教職員の現職教育

を強化し資質の向上をはかり、さらに人間尊重の精神を基調

とする道徳教育・生徒指導の徹底につとめてきた。

 一方、高等学校教育課においては、努力目標第3項に「後

期中等教育の多様化とその充実をはかり、能力、適性の開発

につとめる。」をかかげ、前述の他の目標と関連させつつ、そ

の充実徹底に努力してきた。

 後期中等教育審議会の「地域別高等学校拡充整備計画」の

答申を受け、高等学校教育の再編成をもくろむとともに、教

育内容や方法の多様化をめざし、教育課程の適正化や指導法

の改善をはかってきた。」

 また、大学紛争の影響もあり、高校生の政治的活動が問題

視されるに至り、生徒指導の充実強化に、いっそうの努力を

はらってきた。

 2 指導組織及び運営

 昭和43年8月16日から,義務教育課が発足し、指導班、管理

班、総務係がおかれ、課長以下22名が義務教育学校に関する

指導・管理行政にあたっている。指導行政については指導班

が主として担当しているが、指導と管理の一体化をはかると

いう基本方針に基づき、各係の分掌事項を明確にし、責任

体制を強化しつつ、相互協力をいっそう緊密にして、指導行

政の充実に努力してきている。

 各教育事務所には2〜4名の指導主事を配し、各管内小・

中学校の指導にあたっているが、なお、いっそう指導活動を

充実するために、指導委員を委嘱している。

 〇指導委員 教育事務所ごと5名 計80名

 〇生徒指導委員

   9名 小・中学校の生徒指導の充実をはかる。

 〇視学委員 4名、現地視察にもとづく本県教育の実態に

       ついて、忌たんのない意見を求めて参考にし、

       教育行政の適正を期する。

 また、指導各組織の緊密な連けいによる活発な指導活動に

加えて、各学校に有効な指導資料を提供するため、「学校教

育」を隔月に発行配布し、さらに年度未に「生徒指導の進め

方」を編集し配布した。

 一方、高等学校教育課も、昭和43年8月16日から発足し、

指導班・管理班・総務係をおき、県立学校に関する指導・管

理行政にあたっている。

 なお、指導活動の充実のため、下記指導職員を委嘱してい

る。

 〇指導委員 各教科、科目等から 計10名

 〇生徒指導主事

    県内5地区(県北、県南、会津、いわき、相双)に

   1名ずつ、計5名。主として高等学校の生徒指導の充

   実にあたる。

 また、県立学校の訪問、巡視指導を、例年どおり実施し、

各学校に対する直接指導にあたってきた。

 3 学校教育指導の重点

 義務教育課としては、前記の目標達成をめざして、次の事

業を実施した。

(1) 教職員の資質と指導力の向上につとめた。

 1) 学習指導法講習会や各種実技講習会や各種現代化講座

  等のほかに、新採用教員講習会・女子教員研修会等を実

  施し、教職員の資質と指導力の向上をはかった。

 2) 各種長期研修講座に教職員を派遣し、資質の向上につ

  とめた。

 3) 小学校学習指導要領改正の趣旨徹底をはかるため、小

  学校学習指導要領趣旨徹底講習会を開催した。

 4) 指導資料の作成配布による指導の充実につとめた。

 5) 自主的教育研究団体の育成強化に努力した。

   福島県小学校教育研究会はじめ10団体に対して、総額

  540万円の財政的援助を行ない、研究態勢の確立と研究

  活動の活発化をはかった。

   また、全国音楽教育研究大会などの各種研究大会を共

  催し、その充実をはかった。

(2) 児童、生徒の学力向上をはかり、強い意志・豊かな知性・

 情操を身につけた青少年を育成することに努力した。

 1) 教育課程の研究と改善充実につとめた。

   教育課程研究集会を、小・中学校教育研究会等との共

  催で開催し、意欲的な参加者によって研究協議が深めら

  れた。

 2) 授業の体質改善の促進につとめた。

   「学校教育指導の重点」によって体質改善のポイント

  を明確にするなど、授業の体質改善の促進をはかった。

 3) 学力向上推進校(小・中16校)、へき地教育研究学校



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