教育年報1968年(S43)-193/197page
福島県理科教育センター
第1節 概 要
本県理科教育の振興に寄与するため、次の組織をもって、理
科教育に従事する教育関係職員の研修・研究業務に従事した。
1 事務分掌
(1) 総 務 係
予算の執行ならびに決算、職員の服務、公印の保管、財
産の管理、物品の出納、保管、会計給与、文書の収受、発
送、要覧の作成、各種出版物の印刷発行、他の係に属さな
い事務に関すること。
(2) 研 修 係
1) 研修講座
各種講座の企画、運営、講座テキストの編集に関する
こと。
2) 調査研究
理科教育の調査、研究に関すること。
3) 教育相談
理科教育の相談に関すること。
4) 広 報
理科教育センター所報、研究集録の編集、および普及
に関すること。
2 施設の整備
(1) 敷地の整備
擁壁、門柱およびフェンス塀工事を1,534千円をもって
施行した。
(2) 理科実験機械器具の整備
この整備状況は、昭和40年度施設建設以来、昭和42年度
まで約18,500千円である。昭和43年度においては、2,500
千円でさらに充実を図り、大いに研修事業に使用されてい
る。しかし、本施設の目的を達成するためには、今後これ
ら機械器具の充実が必要とされる。
なお、昭和43年度の理科実験機械器具の主な整備状況は
次のとおりである。
品 名 数量 品 名 数量
オシロスコープ 1 低周波発振器 3
電気式ストップウオッチ 3 反照検流計 1
サーミスタ温度計 2 直流電位差計 1
電圧自動調整器 1 水平垂直投影装置 1
小型発電機 1 磁束測定器 1
真空管電圧計 1 自動てんびん 1
分光光度計 1 PHメーター 1
電気水溶器 2 ワーブルグ装置 1
藻類培養装置 1 キモグラフィオン 1
ミクロトーム 1 誘導電流刺激装置 1
無菌箱 1 タイムマーカー 1
鉱物顕微鏡 1 実体顕微鏡 1
JJY受信機 1 日照計 1
電気式流速計 1 木材水分計 1
電磁微厚計 1 捲線機 1
品 名 数量 品 名 数量
糸鋸機 1 トーチランプ 1
第2節 研修事業
1 高等学校理科教育現代化講座
昭和43年度より5ヵ年計画で実施するもので、高等学校理
科担当教員に対し、理科教育現代化の考え方を理解させ、そ
れに即した指導法を修得させる。
(1) 期 日
8月20日(火)〜8月24日(土) 5日間
(2) 受講人員 59名
県立各高等学校の規模に応じて各校から分野別に2〜3
名が受講するようにし、5ヵ年で県内高等学校理科担当教
員全員が受講できるように計画している。
(3) 講座内容と講師
1) 物理班
〇低温の物理 福島大学 教授 渡辺善八
〇物理実験の指導 工学院大学高等学校
教諭 後藤道夫
〇波動教材の実験
〇運動量の指導 理科教育センター 担当指導主事
2) 化学班
〇化学教育の現代化 東京大学 教授 武藤義一
〇結晶の構造 福島大学 講師 千葉茂
〇酸化還元反応指導 福島女子高等学校
教諭 佐久間善克
〇ベンゼンとフェノールのニトロ化
〇機器の活用 理科教育センター 担当指導主事
3) 生物班
〇物質代謝と酵素のはたらき
東京教育大学 教授 中村佐兵衛
〇生態系調査研究法(水生植物を中心として)
福島大学助教授 樫村利道
〇遺伝教材の取扱い
福島高等学校 教諭 大越勝忠
〇植物における物質生産量の測定
〇実験機器について 理科教育センター 担当指導主事
4) 地学班
〇銀河系と宇宙 東北大学 教授 一柳寿一
〇地学教育の現代化
東京教育大学助教授 渡辺景隆
〇一般気象と天気予報
福島気象台 防災課長 酒井
〇地層の分布と地質構造
保原高等学校 教諭 入道正
〇ESCPについて
〇天体観測について 理科教育センター 担当指導主事
5) 全体
〇現代化の性格と意義