教育年報1968年(S43)-196/197page
第3節 研究・教育相談・広報
(3) 講 師
物理 福島大学 教 授 菅野常吉
化学 〃 助教授 小山侃
生物 〃 教 授 蜂谷剛
地学 〃 教 授 三本杉己代治
理科教育センター 担当指導主事
(4) 研修内容
ア. 基礎研究
〇教育研究法・学習指導法など教育理論について
〇理科教育の動向について
〇理科実験法についての理論と実習
〇理科教材の製作実習
〇機器操作法について
イ. 主題研究
〇高校物理教育の現代化に対する一考案
安積高等学校 教諭 鈴木俊彦
〇デンプン種子の発芽生理について
相馬高等学校 教諭 田辺博
〇イオンの移動 〇上ざらてんびんによる中学生の測定
精度 〇金属と酸の反応
原町第三中学校 教諭 門馬紀
〇中学校における岩石教材指導の問題点と効果的な指導
について 白河中央中学校 教諭 穂積友大
1 理科教育振興法による機械器具使用上の
問題点とその対策に関する研究
(1) 目 的
理科教育振興法に基づく理科教育設備基準の改訂によっ
て新たに実験機器が追加され、規格、数量等も変更になった。
このときにあたり、新・旧基準品目のおもなものにつき、使
用上の問題点とその対策を調査・研究し、学校においてこれ
らの機器が能率的・効果的に使用されるための資料を作る。
(2) 研 究 計 画
三ヵ年の継続研究とする。
第一年次(昭和42年度)
〇理振法機器の活用状況について実態調査の実施
〇理振法機器の活用に関する基礎研究
第二年次(昭和43年度)
〇実態調査の集計整理と問題点のは握
〇問題点解決のための対策を検討する。
第三年次(昭和44年度)
〇問題点の対策に関する研究を深化拡充する。
〇実験学校を設定し、現場での検証をおこなう。
(3) 本年度(第二年次)の概要
1) 実態調査のまとめ
小学校:ねじマイクロメーター等25品目
中学校:ばねばかり等14品目
高等学校:読取り顕微鏡等24品目
について実施した調査を品目別に次のようにまとめ、問
題点を検討するための基礎資料とした。
ア. 所有状況
(ア)現有数0の学校の割合
(イ)現有しているが基準数に達しない学校の割合
(ウ)基準数以上の学校の割合
イ. 最近1年間の使用状況
(ア)使用の有無について
(イ)使用した場面(授業・準備・クラブ活動等)
ウ. 使用上の問題点・困難点についての指摘状況
(ア)機器の構造・機能に関する問題
(イ)機器の活用にともなう問題
なお、この調査の回収状況は次の通りである。
小学校 対象数 200校 回収率 81%
中学校 〃 100校 〃 94%
高等学校 〃 77校 〃 95%
2) 問題点の対策に関する研究
調査資料をもとにして、次のような機器をとりあげ、
〇学校であまり使用されていないもの
〇使用上問題があるとの指摘が多かったもの
問題点をさらに具体的に検討するとともに、問題点解決
のための対策、効果的な活用法などを研究した。
本年度とりあげた機器は次の11品目である。
〇上ざらてんびん 〇電解装置 〇光学台
〇ユージオメーター 〇標準温度計 〇顕微鏡
〇ブラウン管オシロスコープ 〇真空ポンプ
〇天球儀 〇マイクロアンペア計 〇誘導コイル
3) 中間報告書の作成と配布
調査結果の概要および上記11品目についての研究内容
を、本研究の中間報告書としてまとめ、県内の各学校に
配布した。
2 理科教育に関する所員の研究
本年度は次のようなテーマについて研究した。
〇磁石とクーロンの法則 野地勝位
〇音の干渉と回折の実験 柴田宜教
〇水溶液の電導性―小学校5年教材― 舘光雄
〇ペーパークロマトグラフィーによる
黒インキ中の染料の分離 花沢繁
〇カルシウムと水の反応 大和田寅弥
〇「トリの卵を暖めると…」の
取り扱いについて 佐川清美
〇オジギソウの運動とその電位変化
について 星与喜
〇入水鐘乳洞欧穴群について 石井善十
〇金属の表面処理
―アルカリ化成法について― 小池昭
3 教 育 相 談
県内の小学校・中学校・高等学校・県外の理科教育センタ
ーおよび学校等から、文書または来所により、理科実験法・
施設・設備・材料等について48件の教育相談があった。
4 広 報
本県教育理科の向上を図る目的で理科教育に関する調査・
研究から得た結果は、
〇所報 11号〜14号 〇紀要 紀要4号研究集録
〇理科教育振興法による機械器具使用上の問題点とその対
策に関する中間報告書
〇長期研修生研究報告書
を発行し、小・中・高校に配布、その普及につとめた。