教育年報1969年(S44)-102/241page

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   「希望にみちた高校生活を送るために、どのように人

   生や社会の問題をとらえたらよいか。」

  第1議題

   「集団生活の中で、各人がどのように自分を伸ばして

   いけばよいか。」

  第2議題

   「好ましい人間関係を育てるために、話し合いの場を

   どのように作りあげていけばよいか。」

  第3議題

   「現代社会の問題をどうとらえていけばよいか。」

 以上のような実施要項に基づいて実施されたが、県下107

校から生徒837名、引率教員97名、事務局側30名の参加を得

て、参加者に多大の感銘を与えるとともに、所期の目的を達

成して終了することができた。

 このような成果が得られた要因としては、県生活指導協議

会が主催団体の一員として、特にその代表が企画立案に献身

的な努力を傾注されたことがあげられ、さらに各校から参加

された指導助言の先生方が熱心にその実施運営にあたられた

ことが考えられる。

 今後さらに改善充実を図り、有意義なものに発展するよう

期待したい。

   第6節 科学技術教育

 近代の科学技術の進展に即応するため、科学技術教育の充

実強化は必須のことであり、そのため、国および県の施策と

して進められてきたし、また今後も力点がおかれるであろう

と考えられるのは次の3項である。

(1) 教育内容の改善

  現行の高等学校学習指導要領は、38年から実施されたも

 のであるが、現在その改訂の作業が進められ、すでに昭

 和44年9月に教育課程審議会長から文部大臣あてに、改善

 についての答申がなされた。間もなく改訂学習指導要領の

 案も発表されることになっている。

  生徒の能力・適性・進路の多様性や、科学技術の高度な

 発達に即応するということで、特に理科の科目構成と内容

 については大きな改変が見られると思われる。

  なお、高等学校普通教育の多様化の線に沿って、昭和42

 年10月に理科教育ならびに産業教育審議会から「理数科設

 置に関する答申」がなされ、本県においても既設の3校に

 加えて、昭和45年度から白河高校にも1学級の理数科が設

 置され、今後の発展充実が望まれている。

(2) 教職員の資質の向上

  昭和33年から理科実験講座、昭和38年から理科教育講座、

 昭和43年から理科教育現代化講座が、いずれも5ヵ年計画

 で実施されたのをはじめ、数多くの科学技術教育関係の現

 職教育が実施されてきている。

  昭和40年夏完成した「福島県理科教育センター」は、継

 続的な研修計画のもとに、累積的な向上を図る恒久的研修

 機関として、その機能を発揮しているが、昭和44年度に実

 施された高校関係の研修は次のとおりである。

  1) 理科教育現代化講座

  2) 理科教材製作講座  内容については別章参照

  3) 天体観測講座

  4) 長期研修講座

  その他、文部省主催、県主催などの研究会や講習会が数

 多く開かれたり、産業教育関係では、内地留学生を派遣し

 て関係教職員の資質の向上に努めたりしている。

(3) 施設・設備の充実

  理科教育振興法ならびに産業教育振興法による補助がそ

 の一つの具体策であり、多額の国費や県費が各校の関係施

 設・設備費として注入され、漸次その充実をみているが、

 その状況は後記のとおりである。

 以上3項に関連するもののうち、産業教育関係については

別節で述べられるので、本節では主として理科教育関係に関

する事項を述べることとする。

 1 理数科の設置

(1) 理数科設置の趣旨とその目標等

 1) 高等学校設置基準による「専門教育を主とする学科と

  し、理科・数学に興味をもち、より深く学習することを

  希望する生徒に対して、事象を科学的に探究し処理する

  能力を、より深く身につけさせることを目的としている。

 2) 理科・数学に重点をおいた教育を行なうが、一部の特

  に優秀な生徒に対して、大学教育の程度に及ぶような内

  容の教育を行なうものではない。

 3) 現行学習指導要領に示される事項の範囲をあまりこえ

  ないようにし、基本的事項の学習に重点をおくようにす

  る。むしろ、実験・観察や演習などにじゅうぶんな時間

  をかけ、科学的な思考過程や実験操作などの意味を全体

  的には握させる指導と、数学を構成していくときの中心

  となる考え方をいっそう身につけさせる指導とを徹底す

  るようにする。

 4) 普通教育として行なわれる国語・社会および外国語な

  どを軽視するものではなく、おおむねB類型によって復

  習させるようにする。

(2) 設置学校および学級数・定員

 1) 県立安積高等学校 1学級 45名 43年度設置

 2) 県立会津高等学校 1学級 45名 44年度設置

 3) 県立相馬高等学校 1学級 45名 44年度設置

 4) 県立白河高等学校 1学級 45名 45年度設置

(3) 入学者選抜について

 1) 学力検査その他すべて、「福島県公立高等学校入学者

  選抜実施要綱」によるものとし、他学科と同様に実施す

  る。

 2) 専門教育を主とする学科であるため、全県一区とし、

  学区制はない。

 3) 普通科と理数科を併置する高等学校の理数科を志願す

  るものについては、当該高等学校の通学区域、または隣

  接する通学区域から出願する者に限り、当該高等学校の

  普通科を第二志望とすることを認める。

(4) 今後の問題点

  理数科設置の趣旨が、理科・数学教育の現代化の実践を

 めざしていることは明らかであるが、その具体化について


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