教育年報1969年(S44)-168/241page
(4) 東北自動車道関連公共事業地内遺跡分布調査
東北縦貫自動車道の建設に伴って施行される、圃場整備
事業によって破壊される、埋蔵文化財の適正保存をはかる
ため、関係地域の遺跡分布調査を実施した。
1) 所 在 調 査
調査地域 調査期間 遺跡確認数 福島・二本松・本宮・
大玉・郡山・西郷12月15日〜26日 46
2) 予 備 調 査
遺跡名 市町村名 調査月日 調査員 三本木遺跡 二本松市 2月12日 小滝利意 久遠壇〃 大玉村 2月13日 〃 東宮〃 本宮町 2月14日 〃 片面山〃 〃 2月15日〜16日 〃 花林〃 大玉村 2月11日 渡辺一雄 堂林〃 〃 2月12日 〃 産土〃 〃 2月13日〜14日 〃 不動滝〃 〃 2月11日 菅原文也 金山〃 〃 2月12日 〃 大壇〃 〃 2月13日〜14日 〃 長者屋敷〃 福島市 2月12日 田中正能 浜田〃 〃 2月13日 〃 雷田前〃 〃 2月14日 〃 亀ケ城〃 〃 2月15日 〃 間尺〃 大玉村 2月14日 永山倉造 阿弥陀免〃 〃 2月15日 〃 壇〃 〃 2月16日 〃 供養壇〃 〃 2月17日 〃
(5) 振興山村地区民俗資料調査
振興山村地区においては、近代化のため種々の開発事
業が急速にすすみ、これに伴い地域の生活様式等が急変し
て、生活・生産等に関する民俗資料が、消滅・散逸する
現状にあるため、用具等の収集保存を中心として、有形・
無形の民俗資料の調査を実施した。
1) 調査期間 44年8月4日〜44年8月8日
2) 調査地域 西白河郡西郷村
3) 調査員 県文化財専門委員(民俗担当)および民俗
学研究者
4) 調査内容 衣食住・生業・一生の儀礼・年中行事・昔
話と伝説・民謡とわらべうた・民俗芸能・
村の組織等
(6) 民家緊急調査
県内には、数多くの特色ある近世の民家が存在している
が、近年生活の変化や種々の開発によって、これらの民家
が急速に失われるおそれがあるので、保存施策の基礎資料
を作成するため、緊急調査を実施した。
1) 調査期間 44年6月6日〜11月22日
2) 調査地域 県下全域
3) 調査員 県内の建築学者を調査員に委嘱 (9名)
4) 調査内容 市町村教育委員会に依頼して第1次リスト
を作成し、このリストの民家から調査員が基
準に基づいて選定し、配置図・現状平面図・
略復元図・写真・表査票などより成る第2次
リストを作成した。更にこの中から35棟につ
いて資料を整えて第3次リストを作成した。
6 文化財の普及・公開
(1) 第11回北海道・東北ブロック民俗芸能大会
北海道・東北地方に遺存するすぐれた民俗芸能を、広く
公開し、一般の理解と認識を深めることによって保存に資
するとともに、民俗芸能関係者による研究を行なった。
1) 期 日 9月7日 民俗芸能一般公開
9月8日 研究協議会
2) 場 所 秋田県総合庁舎・秋田県民会館
3) 公 開 金沢の十二神楽 福島県
種 目 人形芝居 秋田県
有明獅子舞 北海道
下北の能舞 青森県
朴ノ木沢剣舞 岩手県
坂本獅子踊 山形県
下倉の田植踊 宮城県
秋田の民謡と踊り 秋田県
4) 入場者 800名
(2) 第19回県民俗芸能大会
県教育委員会、石川町、同教育委員会、福島民友新聞社
の共催により、主として県南地方に伝承されている民俗芸
能を一般に公開し、あわせて出演芸能の記録作成を行なっ
た。
1) 期 日 44年9月20日
2) 場 所 石川町体育館
3) 公 開 母畑の白鍬踊り 石川町
上小山田獅子舞 須賀川市
大越草刈唄・餅つき唄 大越町
浅川盆踊り 浅川町
天道念仏 西郷村
桧枝岐歌舞伎 桧枝岐村
ささら 石川町
4) 入場者 2,000名
(3) 文化財保護行政研修会
文化財保護の当面する諸問題について研究協議するとと
もに、専門的知識の向上をはかって、市町村における文化
財保護行政の進展に資することを目的に、郡山市教育委員会
と共催で実施した。
1) 期 日 44年10月15日〜16日
2) 会 場 郡山市児童文化会館
3) 参加者 市町村教育委員会担当者・公民館職員・
市町村文化財調査委員またはこれに準ずる
者・その他文化財関係者 120名
4) 講師および講義
「史跡・埋蔵文化財の保存について」
岡田茂弘 (多賀城調査研究所長)
「民家の調査と保存について」
草野和夫 (県文化財専門委員)
5) 研究協議
〇 市町村における文化財保護行政を推進するにはどうし