教育年報1970年(S45)-081/260page

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学校教育

  第1節 概    要

義務教育課

  1. 指導行政の基本方針

 時代の進展に即応し「未来をひらく豊かな教育」をめざし、

児童・生徒の能力や適性等に応じた適正な教育を行ない、調

和と統一のある教育活動をとおして、「学力向上」をはかる

ことを、学校教育の基本的な目標として、ここ数年来努力し

てきたところである。

 昭和45年度においては、前年度までの実績と反省ならびに

長期総合教育計画の重点事項に基づき、努力目標を設定し、

その達成に努力してきた。

 すなわち、第1項に「児童・生徒の能力開発と徳性のかん

養」第2項に「体育・スポーツ振興と健康、体力の推進」第

4項に「教職員の資質と指導力の向上」を目標として掲げ、

他の目標と関連してその充実徹底に努力してきた。

  義務教育課においては、上記の努力目標の実現のため、

 教職員の資質の向上をはかるとともに、士気の高揚をはか

 り、教育の正常化につとめてきた。また、教育課程の適正

 な編成とその完全実施をはかり、毎時の授業の充実と個々

 に応じた生徒指導の実践のため、教職員の現職教育を強化

 して資質の向上につとめ、さらに人間尊重の精神を基調と

 する道徳教育、生徒指導の徹底につとめてきた。

  2.指導組織及び運営

  昨年度新発足した7教育事務所は、1年間の実績と反省

 のうえから、これまでの主幹を次長として、より行政の機

 能の円滑化がはかられた。

  指導課長のもとに、指導主事(4名〜10名)社会教育主

 事(1名〜4名)生徒指導主事1名(南会津教育事務所を

 除く。)ほかに、教科指導委員(7名〜10名)生徒指導委

 員(1名〜2名)を各教育事務所に配置して、小・中学校

 の指導のほか、社会教育の指導にもあたってきている。

 特に生徒指導の充実をはかるため、昨年度より専任の生徒

 指導主事を新設して、成果をあげた。

  3. 学校教育指導の重点

 義務教育課としては、前記の目標実現をめざして、次の事

業を実施した。

1)教職員の資質と指導力の向上につとめた。

 ア.学習指導法講習会、各種実技講習会、各種現代化講座

  等のほかに、新任教員研修会、中堅教員研修会、女子教

  員研修会、教頭研修会、校長研修会等を実施し、教職員

  の資質と指導力の向上をはかった。

 イ.各種長期研修講座に教職員を派遣し、資質の向上につ

  とめた。

 ウ.小学校ならびに中学校学習指導要領の改正の趣旨徹底

  をはかるため、小・中学校別に学習指導要領の趣旨説明

  の講習会を開催した。

 エ.小学校の明年度の改正学習指導要領による、教育課程

  編成に資するため、参考資料として「小学校教育課程編

  成上の留意事項」を刊行送付した。

 オ.自主的研究団体の育成強化につとめた。

  福島県小学校教育研究会はじめ10団体に対し、総額

  600万円の財政的援助を行ない、研究態勢の確立と研究

  活動の活発化をはかった。

   また、第11回全日本書写書道教育研究会、第19回東北

  地区算数・数学教育研究会ならびに第20回日本理科教育

  学会東北大会を共催して、その振興充実をはかった。

2) 児童・生徒の学力向上をはかるとともに、知・情・意・体

 の調和のある青少年の育成につとめた。

 ア.教育課程の研究と改善充実につとめた。

   育課程研究集会を、小・中学校教育研究会等と共催

  し、意欲的な参加者によって研究協議が深められた。

   また、中学校に対しては「移行措置資料」を、送付し

  て、適正に移行措置がなされるよう指導した。

 イ.授業の体質改善の促進につとめた。

    「学校教育指導の重点」によって体質改善のポイント

  を明確にして、授業の体質改善につとめるとともに、各

  教育事務所の指導課と連けいして、「学習指導現代化講

  習」を実施し、理論と実践的な研究を深めた。

 ウ.学習指導研究指定枝(小・中16校)へき地教育研究指

  定校(小・中4校)を指定し、学校経営の合理化、学習

  指導の充実等、学力向上に関する課題の解決についての

  実践的研究を深め、その成果を地域にも普及して学習指

  導の改善とあわせて学力の向上をはかった。

 エ.道徳教育、生徒指導の改善充実につとめた。

  ○ 道徳教育講習会、生徒指導講座を開催し、その徹底

   をはかった。

  ○ 文部省指定の道徳教育研究学校(6校)生徒指導研

   究学校(2校)県教育委員会指定の道徳教育研究学校

   (4校)生徒指導研究学校(7校)の研究と実践の充

   実をはかり、その成果の普及につとめた。

  ○ 進路指導に関する講習会を開き、生徒の観察指導の

   充実をはかった。

  ○ 生徒指導関係職員の活動を促進するとともに関係職

   員間の研究や実践のための連絡協議の機会を持った。

 オ.指導職員の研修の機会を設け、各教育事務所の指導行

  政についての研究協議を実施した。特に指導課長会議を

  年間4回開催して、緊密な連絡調整をはかった。

3)へき地教育、特殊教育、幼児教育の振興をはかった。

 ア.小規模学校研究協議会を開催し、小規模学校における

  学校経営や学習指導法についての研究協議を深め、指導

  法の改善につとめた。

 イ.県費補助によるシート式磁気録音機の設備充実をはか

  り、複式学校における学習指導法の現代化につとめた。


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