教育年報1970年(S45)-082/260page

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ウ.複式学習指導法講習会を開催し、複式学校の学習指導

 法の改善をはかった。         

エ.へき地教育の実践に実績をあげている教職員4名を先

 進県視察に派遣し、資質の向上と土気の高揚につとめた。

オ.特殊教育課程研究集会や特殊教育学習指導法講習会を

 開催し、特殊教育の充実強化につとめた。

カ.1か年にわたり4名の教職員を、精薄関係及び聴覚障

 害(難聴)関係の長期研修生として東京学芸大学と東京

 教育大学に派遣するなど、教職員の資質向上につとめた。

キ.印刷機等の設備補助を実施し、中学校の特殊学級にお

 ける職業教育の充実をはかった。

ク.幼稚園教育課程研究集会や実技講習会を開催して、幼

 稚園教員の資質向上をはかるとともに、幼稚園協会の育

 成強化につとめた。

ケ.昨年に引き続き文部省指定の教育課程研究学校(教育

 機器)の研究を推進し実績をおさめた。

コ.地域教育推進地区(2地区)を新設して、小・中学校

 教育の一貫性をはかるとともに、地域全体の教育水準の

 向上に資するよう研究を推進した。

 高等学校教育課

 1. 指導行政の基本方針

 昭和45年度は、福島県長期総合教育計画、同年次別計画、

地域別高等学校拡充整備計画、福島県産業教育審議会の答

申、「福島県産業教育の拡充整備について」 「本県高等学

校における産業教育の多様化について」等をもととし、昭

和44年度の行政実績と反省のうえに立ち、特に、進学率の

上昇に伴って多様な生徒の入学している現実、過密、過疎

現象の急激な変化を直観し、つぎの点に重点をおき、目的

達成のため努力をはらってきた。

1) 生徒の能力、適正、進路等に応ずる教育課程・教育内

 容、方法の改善、および改訂教育課程の趣旨の徹底を図

 る。

2) 生徒指導等に関する講習会、研修会等の充実強化を図

 り、教職員の資質を高め、生徒の政治的教養の育成につ

 とめる。

3) 管理職者、中堅、新採用教員の研修会、右よび各種研

 修、講習会等を実施して指導力の向上につとめるととも

 に、学校の研修体制を確立して現職教育の充実を図る。

4) 生徒の実態、時代の要請に応える科学技術教育、産業

 教育の充実につとめる。

5) 学校運営の円滑化を図るため、複数教頭制の充実強化

  駐在管理、指導主事の活用を図る。

6)学校における授業充実を図るため・教員充足6ヶ年計

  画、単年度の完全実現の推進を図る。

7) 過密、過疎現象に対処し、効果的な学校経営を実現す

  るため、整備、拡充を図る。

8) 計画的人事の推進を企図し、人事行政の円滑化につと

  める。

9) 時代の要請に応えるため、情報処理教育の充実につと

  める。

10)生徒の健康と安全を確保する学習環境の整備充実およ

 び施設、設備の活用と保全管理につとめる。

2.指導組織及び運営

 激動を続ける社会事象のなかで、期待される高等学校教

育課の効率的な教育行政機能を発揮するため、昭和44年度

は駐在指導主事の設置、本年度は駐在管理主事の設置実現

をみ、さらに、情報化時代の要請に応えるため、文部省か

らの補助を得て、福島市瀬ノ上地区に、情報処理教育セン

ターを設立したところである。

 なお、生徒指導担当指導主事1名を本庁に、6名を各教

育事務所(県北、県中、県南、会津、いわき、相双)に、

管理主事4名を、県中南、会津、いわき、相双に駐在させ、

各地区で、それぞれの指導に当ってきた。

 また、指導委員は、各高校の教職員のうちから16名を委

嘱し、授業充実等指導活動の強化に当った。

 運営面では、教育内容の精選充実と指導法の改善、生徒

指導の徹底、科学技術教育、産業教育の充実、学習環境の

整備充実、学校管理運営の適正化、勤務態勢の確立等を目

指し、県立学校の訪問、巡視指導を実施し、一方各種研究

学校、研究団体の研究会等には、それぞれの担当者が出席

し、指導と助言にあたった。

 また、各種研修会、講習会等を計画実施し、県立学校教

職員の資質向上に努めるとともに、各校における教育活動

を助長するため、その資料とし子「高校ふくしま」 (年4

回、5号から8号)の発刊配布をしてきたところである。

 3. 学校教育指導の重点

 前記、基本方針をうけて本県高等学校の発展を期するた

め、昭和45年度における学校教育の重点を次のように設定

 した。

1)能力開発と徳性のかん養

 ア.教育内容の精選充実と指導法の改善

  (ア) 生徒の能力、適性、進路を的確にとらえた教育課

   程の編成を図る。

  (イ)各領域ごとに指導計画を検討し、地域、学校学級

   の実情に即して適切な指導の具体化をはかる。

  (ウ)学校行事等の調整により、授業時数の確保と充実

   を図る。

  (エ)教職員の勤務、事務処理の合理化と適応化をはか

    り、教材、授業研究の時間を確保する。

  (オ)学力診断テスト等を実施して、その結果を検討し、

   学習指導法の改善に努める。

  (カ)学校環境(学級環境)を整備し、学習意欲の振興

   を図る。

  (キ)授業を規制する諸要因を分析して問題点をとらえ、

   授業の改善、充実につとめる。特に次の点に留意する。

   ア) 教科、単元、授業を一貫する指導目標の確立

   イ) 指導目標に即した教材の精選と構造の明確化

   ウ) 教材の特質に応じた指導過程の合理化と授業の


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