教育年報1970年(S45)-127/260page
の一員としての自覚を高めるよう指導する。
○ 学級会活動
児童が自分たちの学級生活を、さらによりよくし
ようとする意欲を持って、能力に応じた参加がなさ
れるよう配慮し、民主的なふんい気の中で自主的な
態度が身につくよう指導する。
○ クラブ活動
学年や学級の所属を離れて、共通の興味や関心を
持つ者をもって組織することをたてまえとし、学校
における生活が、豊かで楽しいものにするための集
団活動をとおして、自主的な態度が身につくよう指
導する。特に設置クラブや所属期間等については、
学校の実情に即して、じゅうぶん検討するとともに、
入部指導を適切に行なう。また、児童が立てる活動
計画の立案指導を慎重に行なうとともに、教師も積
極的にクラブ活動を楽しむようにする。
ロ.中 学 校
○ 生徒会活動・学級会活動・クラブ活動については、
小学校の項を参照
○ 進路指導
進路指導の目標は、ひとりひとりの生徒が、自己
の能力・適正等を正しく理解し、将来の進路への関
心を高め、進路選択の能力を身につけることによっ
て、自己の進路を明確には握することができるよう
になることをめざすものである。
現行指導要領に、卒業までの3年間に40単位時間
以上を毎学年計画的に実施するようになっているが、
学級活動における指導だけで果されるものではない。
従って年間指導計画は、生徒の発達段階や学校の
実情や教育活動の各領域との関連等をじゅうぶん考
慮して、系統的な配慮をもって計画し、指導の効果
が組織的に高まるように改善されなければならない。
職業指導主事は、全校的な立場から進路の指導を
充実させるため、専門的な助言を行ない、指導体制
を確立する中心者としての使命を果すようにつとめ
ることが必要である。また進路指導は、生徒指導の
一環として行なわれるものであるから、生徒指導の
機能をじゅうぶん生かすようにしなければならない。
指導要領の改正にともない、現行「特別教育活動」
と学校行事等」の整理統合によって、新たに設定
される「特別活動」のになう意味と役割りは、きわ
めて大きい。
新指導要領を深く研究し、適切な移行がなされる
よう「学校行事等」との統合準備を進め、調和と統
一ある教育課程の編成を行なわなければならない。
2.学校行事等
学校行事等の教育的意義を正しく理解し、充実した運営が
なされるよう、県教育委員会は昭和45年度の学校行事等指導
の重点を次のように設定して、指導にあたった。
学校行事等.指導の重点
「学校が計画し、実施する教育活動」としての学校行事等
は、学校生活に秩序と変化を与え、公民的資質を学びとらせ
る重要な機会であるから、最近とかくうるおいを失いがちな
学校生活を、より充実したものにするために、本年度もこれ
を重視し、「記の点に留意して、児童生徒の心身の健全な発
達を図ることが望まれる。
(1)全人教育の成立をめざして、学校行事等の目標や意義に
ついて理解と認識を深める。
1)学校行事等の意義を具体的に明確にとらえ、全職員の
共通理解を図って指導にあたる。
2) 一つ一つの行事について、その教育的なねらいが達成
されたかどうかをじゅうぶん検討する。
(2)年間指導計画の作成にあたって教育的価値の高いものを
精選し、教育課程にしっかり位置づける。
1) 学校の教育目標や方針にそって、学校の考えている理
想を達成するのにふさわしい行事を選ぶ。
2) 指導計画は、全職員の協議検討により、実践の見通し
を明らかにして立案する。
(3)行事の運営にあたっては、児童・生徒の発達段階をじゅ
うぶん考慮し、次の諸点に留意する。
1)行事が形式化しないよう、内容・方法を検討する。
2)児童・生徒の心身の負担にならないよう、実情にあっ
た運営をする。特に修学旅行のあり方を検討する。
3)ひとりひとりの児童・生徒の成長過程が見られるよう
な指導法をくふうする。
4)日常の学習成果の総合発展を図るよう留意する。
5)集団の一員として、社会的、規律的な態度が身につく
よう配慮し、集団活動への参加の喜びを感じさせるよう
にする。
6)児童・生徒の発達に応じて、自主性、自発性がいっそ
う身につくように努力する。
(4)評価の観点をいっそう具体化し、全人教育の視野から評
価し、個性や能力の伸長に努める。
1)評価の観点を全職員の共通理解の上に立って具体化す
る。
2)評価の方法や時期などを適正にして、それによってそ
の後の指導の資料が得られるようにする。
〔高等学校教育課〕
学校行事の運営にあたっては、諸種の行事を学校行事等の
目標に即して精選し、全人教育的立場から、他領域との関連
を考慮した指導計画を立てるようにしている。
各校においては、地域や学校の実情に応じて、教育効果を
あげることのできる内容のものを実施するとともに、指導に
当っては、教師の共通理解と協力のもとに、生徒の積極的な
参加によって、自主性を高め、集団のなかでの個人指導、指
導結果の評価などに重点をおいて努力している。
◎ 卒業式について
昨年は各校ともに卒業式のありかたについて検討し、簡素
化を図ってきたが、本年度はさらに改善を加え、厳粛で祝
意に満ちた卒業式になるよう指導した。