教育年報1970年(S45)-187/260page

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保健体育

   第1節 概    要

 保健体育課においては、昭和45年度の県教育委員会の努力

目標として掲げた「体育・スポーツの振興と健康・体力の増

進」を目指して、いっそう県民の健康と体力の増進をはかる

ため、保健、体育、給食の分野で緊密な連けいをとりながら

強力に施策の推進をはかった。関係者のご協力により、多大

の成果を収めることができた。

 その概要は次のとおりである。

 1 学校体育指導の充実

 本県の児童・生徒の体格と体力は年ごとに向上してきてい

るが、さらに向上をはかるため、各種体育実技の講習会の開

催、体育研究学校による実践と研究、学校訪問による指導等

により、学校体育指導者の資質の向上をはかった。

 また10月6・7日の両日には郡山市熱海町において東北地

区学校体育研究大会を開催したが、この大会に県内からは小・

中・高等学校の体育関係者約400名の参加があり、授業研究

を中心に研究発表、研究協議、特別講演等をおこなったが、

本県の学校体育指導者の指導力を高めるため極めて有意義な

大会であった。

 2 スポーツ選手の競技力向力

 各種体育大会での県代表選手の成績は県勢の表徴といわれ、

県民の志気に及ぼす影響力が大きいので、選手の競技力向上

については長年にわたって努力してきたところである。

 岩手国体では馬術競技の総合優勝をはしめ弓道、自転車競

技等が健闘し、かってない大量27 75点の天皇杯得点をあげ

て、県民の期待に応えることができた。

 また、岩瀬農業高校の軟式野球、白河農工高校の自転車競

技の全国制覇をはじめ、カヌーの佐藤忠正、重量挙の大内仁、

自転車競技の大野賢一、太田武男、バレーボールの佐藤哲夫、

陸上競技の荒川礼子等がわが国を代表して国外に遠征し、世

界の檜舞台で活躍した。

 特に岳下中学校2年生佐藤孝二が全国中学校スキー大会で

回転・大回転の2種目優勝を飾り、フランスにおける国際大

会に招かれ優勝、準優勝の好成績をあげて、昭和49年2月開

催される猪苗代国体のホープとして嘱望されている。これら

は本県が長年にわたって継続的に努力してきた成果である。

 3 社会体育の振興

 数年前から県民総スポーツを目標に婦人の家庭バレーボー

ルと男子壮年のソフトボールの普及につとめてきた。

 さらに、地域住民の生活に密着したスポーツ活動の普及を

ねらって、県下の全市町村に知事杯を贈って奨励をはかった。

 この知事杯を争って市町村のスポーツ大会に参加した県民

は男・女ほぼ半々の2万4千余名に達した。

 また、県内の全体育施設、学校体育施設利用の状況、体育

・スポーツ団体、社会体育行政等の万般にわたって調査の結

果をまとめることができたので、本県の社会体育振興策樹立

の基礎資料として活用したい。

 さらに、本県の冬季スポーツ振興策の一環として、スキー

国体の猪苗代町誘致をめざして関係各方面と接渉中であり、

国体スキー本県開催への一歩を踏み出した。

 4 体育施設の整備

 福島市に新設される県営総合スポーツセンター敷地の確保に

ついては着々進行中てある。また、待望久しかった県営いわき

陸上競技場は、1種公認で本県初のアンツーカ競技場の完成

をみた。さらに46年度には附属施設の整備をはかることにな

っている。

 市町村営の施設としては、県内に体育館2、運動広場2、

柔剣道場1、が文部省の補助により完成した。

 また、学校体育施設については、小・中・高校を合わせて47

校に水泳プールが新設されたほか、柔剣道場、体育館等の整

備をはかった。

 5 学校給食の充実

 昭和45年度における学校給食の普及状況は、全児童・生徒

数で333,508人のうち、333,431人が学校給食をうけ、ほぼ

100%となっているが、これを食事形態でみると、小学校児

童の88.8%および中学校生徒の45.9%が完全給食をうけ、全

児童・生徒の26.8%(89,446人=335校)が補食およびミル

ク給食となっている。 (別表参照)

 完全給食の普及は市町村の理解と協力によって、逐年向上

がはかられてはいるが、上記数値でしめすように、完全給食を

うけられない子どもが数多くおり、また新学習指導要領にお

ける給食指導の位置づけとも関連して今後より一層積極的に

普及の促進をはかっていきたい。他方、各市町村教育委員会

等においても、現状を認識されて、地域の特性に応じた完全

給食を計画的に促進されることが望まれる。

 食事内容は、一般家庭における食生活の向上と対応して、

逐年献立の多様化という形で向上がはかられてはいるが、完

全給食の給食費1食当たりでみると、小学校平均47円43銭で

前年対比10.8%。中学校平均54円21銭で、前年対比8.2%と

それぞれのアップ率にとどまり、諸物価の値上がり状況をか

ん案ずると、一概に内容の充実がはかられているとはいい難

い。現代の要請に応えた学校給食のあり方を考える場合、食

事内容の充実向上をはかるための合理的な物資流通の確保も

一要素として重要なことでもあるので、検討が望まれる。

 なお、それに関連して、調理・献立の仕方やそれとの栄養

の結びつきが子どものし好につながるかどうか重要な問題で

もあるので、栄養士および調理従事員の適正配置が望まれる。

 また、食事形態の一つとしての米利用給食は、文部省指定

のいわき市上遠野中学校等および県費助成のへき地学校の9

校が実施されており、米利用の給食のあり方について研究中

である。

 給食指導については、教育課程における特別活動の学級指


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