教育年報1970年(S45)-239/260page
県立図書館
第1節 概要
1 は じ め に
情報化時代における図書館の役割はますます多方面にわた
ってきており、図書を貸し出すということは、もとより社会
の情報機械化とともに、それらに対処していかなければなら
なくなってきている。
これらに対処するために、図書館としては、既存資料の整
備とあいまって、既刊図書の補充および新刊図書の体系的な
導入に意を払うとともに、複写サービス、マイクロシステム
の導入等、時代に即応した県民への奉仕体制を着々整えてい
る。
特に昨年は長年の懸案であった、マイクロシステムを導入
したので、目下新聞のマイクロ化の完成をめざして鋭意努力
中である。
また、移動図書館"あづま号"の県内巡回を通じて市町村
の読書施設である公民館図書室活動の活発化に協力してきた
が、今後はさらに県民の期待に添えるよう奉仕体制の合理化を
はかり、新時代に即応した図書館としての役割を果たすべく
留意していかなければならない。
以下本年度における図書館業務の主なるものをかかげ参考
に資するとともに関係者のご協力をお願いする次第である。
2 福島県立図書館協議会の開催状況
第1回
日 時 昭和45年6月24日
場 所 県立図書館
出席委員 9名
議 題
(1) 昭和45年度県立図書館組織運営ならびに事
業計画について
(2) 図書館資料の収集計画について
(3) その他
第2回
日 時 昭和45年10月23日
場 所 県立図書館
出席委員 7名
議 題
(1) 昭和46年度県立図書館関係当初予算編成に
ついて
(2) その他
第3回
日 時 昭和46年2月26日〜27日
場所県立図書館
出席委員 10名
(1) 県立図書館関係46年度当初予算査定経過に
ついて
(2) 本館利用状況について
(3) その他
第2節整理事務
1 図書館資料の収集
資料の収集にあたっては、福島県の資料センターとしての
機能を重視し、あらゆる分野の資料の収集が必要であり、本
年度もその収集にあたっては、各部門の参考図書、学術書等
を中心に、利用者の希望にそうよう充分留意し必要最低限度
の蔵書の確保につとめた。特に最近の自然科学、産業界の著
しい進歩に即応して、図書館の蔵書構成もそれに対応出来る
ものとしなければならなかった。本年度の資料収集の重点目
標の一つとして、昨年度の自然科学部門に引き続き産業部門
の蔵書整備であった。そのため産業部門の蔵書診断を綿密に
実施し、その整備充実を図った。
また県内出版物、郷土資料の発見につとめ、貴重な資料の
散逸を防ぐため、同人誌、雑誌、新聞、行政資料、市町村史、
市勢要覧、県人の著作品等あらゆる分野のものについて積極
的にその収集にあたった。
本年度に受入れた資料は4,476冊であった。その内訳は
[表1]のとおりである。
[表1〕
一般資料 郷土資料 計 購入 2,969冊 87冊 3,056冊 寄贈 705冊 508冊 1,213冊 編入 128冊 79冊 207冊 計 3,802冊 674冊 4,476冊 この図書の増加状況を昨年度と比較すると[表2]のとお
りである。
[表2〕
43年度 44年度 45年度 購入 2,702冊 2,892冊 3,056冊 寄贈 1,643冊 1,317冊 1,213冊 編入 864冊 243冊 207冊 計 5,209冊 4,452冊 4,476冊 図書の増加冊数は昨年度とほほ同数に止まった。購入冊数
は約5.6%増で、これは予算増によるもので、予算増の割に
は増加冊数の伸びがなかった。それは平均単価(昨年は1,3
44円に対し本年は1,427円)の上昇によるためである。寄贈
図書の約半数は郷土資料、行政資料で占めている。編入図書
は購入または寄贈雑誌等消耗品扱いのものを合本製本し編入
受入していたものを、事務の合理化のため編入受入事務を省
略したため増加数が減少を示しているが、その実数は雑誌約
140種、 540冊がある
この外増加図書冊数に含まれていないものに、新聞260冊
特許公報類等がある。
昭和46年3月末現在の蔵書数は[表3〕のとおりである。