教育年報1970年(S45)-240/260page

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[表3]

  総数  165,098冊

    本館用116.551冊  児童図書  6,488冊

                館内用書 97,389冊

                郷土資料 12,674冊

    館外用  48,547冊

  2 マイクロシステム

 新聞は重要な資料として保管して来たが、利用度も高く、

破損、汚損もはげしく、また保管のスペースの関係からもそ

の処置が問題であったが、昨年図書館近代化の一環として、

マイクロシステムが導入され、新聞のマイクロ化の準備を進

めて来たが、本年度より撮影を始めた。欠号調査等の結果仕

事の手順として比較的欠号の少ない福島民報と福島民友の昭

和初期より撮影作業に入った。

 撮影を完了したものは次のとおりである。

福島民報 昭和元年〜5年 ネガ18リール ポジ18リール

福島民友 昭和元年〜9年 ネガ31リール ポジ31リール

 撮影したフィルムはネガであり、これを別のフィルムにプ

リントしたものがポジで、これを利用に供することになる。

近く公開の予定であるが、新聞専用のリーダープリンターに

よって利用することになる。

 新聞のマイクロ化は撮影したフィルム、ポジと、それの記

事索引によってその機能を十分に生かすことが出来るもので、

主要記事索引も平行して作成整備の予定である。

  3 蔵書目録の発行

 昭和44年4月から昭和45年3月までの間に増加した図書約

4,700冊を収録し、増加図書目録(昭和44年度版)を刊行し関

係方面に配布した。

  4 製  本

 利用度の高い図書の破損の修理と管理上の必要からの新聞

雑誌等の製本など本年中の処理件数は、破損図書876冊、日

刊新聞の合本265冊、雑誌合本708冊、その他1,203件、計

3,052件であった。

   第3節 館 内 奉 仕

  1 利 用 状 況

 奉仕体制の充実に伴って利用は年々高まってきている、以

下各分野について詳説する。

(1)利用者数

 総利用者数96,400人は昨年とほぼ同数であるが、学生・生

徒が約4,000人減少し、児童がその分増大し、8,271人とな

っている。これは本年度から児童に対して「館外個人貸出」

を実施したことによることであるが、来館者はすべて資料を

利用し、中・高・大学生等の勉強のための席借り利用から見

ると、単に子ども達だからと云ってはすまされない現象であ

る。今日わが国における公共図書館利用の不振は何に起因す

るものなのかを考えるとき、公共図書館側は"児童の読書は

学校図書館で"ということでないがしろにしてきたことにあ

るのではないだろうか。学校図書館は教科学習のために必要

な資料を揃えるところであり、公共図書館は児童と云えども

自由に選択できる図書が揃えられていて当然であり、特に読

書は児童時における習慣がその人の一生の読書生活を形成す

るものであるならば、当然力を注ぐべきものと考えられる。

道は遠いかも知れない、しかし、将来の読書人、明日の日本

を担う子ども達のために、よりよい読書環境を提供すること

は極めて大切なことであり、公共図書館運営の大きな柱とす

べきであろう。

 中・高生の資料利用も除々に増えてきており、従来のよう

な席借り入館者が押すな押すなの状況は見られなくなったこ

とは喜ばしいが、さちに一般人と相まって、資料の利用に導

くよう図書館側としても手をつくさなければならないものと

考える。→〔表4〕

(2) 読書傾向(資料の利用状況)

 年々あらわれることは、文学、児童部門を除く他の部門の

利用が均一等化されつつあることである。これは情報化社会の

進行によって、すべてにわたる資料が必要とされる証左であ

ろう。だから地域の実情にあった資料の収集につとめること

は当然であるが、図書館側としては、利用者の代読者として

幅広く、しかも長く利用者の要求に応えうるような選書につ

ととめなければならないものと考える

 特に本年は購入雑誌に加えて寄贈された雑誌をすべて公開

したことによって、最新の情報を提供する雑誌利用者が急増

しており、コーナー程度では間に合わなくなってきている実

情である。 (記録された数字はでていない)

 児童図書の館内外合わせて20,896冊、全体の27.7%は貸出

制度を実施する際に予想した数をはるかに上回り、理論より

実行の重要さを示している。→〔表5〕

(3) 館外個人貸出登録者

 昨年3,000人台を超え、本年は児童生徒(中学生)に対す

る実施によっていか程の数字を示すかが関心事であったが、

それらが加えられて3,734人と、大きな飛躍を見ることはで

きなかった。特に一般人は前年と変らず、年度当初職場訪問

等によってP Rにつとめたことが、まだ数字にはでていない

ようである。

 しかしながら、過去5か年の登録者は昭和41年1,396人を

100とすると、年々増大し、本年は267.5という指数を示す

に至っている。これは図書館側の限られた予算内での条件を

克服して、いろんな努力を試みをことの結果であると見るこ

とができるが、勤労者の一般人が図書館に来れない原因は何

か、読書の必要がないのか、来たくても時間的制限で来れな

いのか、来ても満足できる資料がないか等について図書館側

としても謙虚な反省をして、真に利用される図書館の運営に

向って改めるべき点は改めなければならないと考える。

→〔表6、12〕

  2 調査相談事務

 情報化時代の図書館の役割として最も重視される業務であ

り、年々その内容も多岐にわたって求められるようになって

きた。特に本県関係の歴史的事項(人物・事件)についての

県外からの問合せが殺到し、資料の検索と複写等に費やす人

員と努力は数年前に比し著しく高くなってきているが、その

概要は次のようになっている。

(1) 回答事務

 記録された質問を主題別戸分折すると、やはり郷土に関する

事項が最も多く、総件数の20%を占める、これらはそのほと


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