教育年報1971年(S46)-029/255page
は重要な課題であるが、これら行政関係職員は制度上から量
的にまだふじゅうぶんである。特に文化行政職員の配置はき
わめて少ない現状にありその必置を推進するとともに現職教
育の強化などにより質的向上をはかる必要がある。
各種の県行政が行なう事業内容が教育的側面を拡大してき
ており、社会教育としての効果を生じていることが多いが特
に、青少年に関する関連行政施策の重複がみられるので県に
おける青少年関係行政の一元化を図るとともに、市町村にお
いてもその総合的推進につとめる。
また社会教育関係者の確保につとめ研修の内容方法を拡充
して市町村における社会教育行政組織の整備充実を図る必要
がある。
1.民間指導者の活用
(1)民間における指導者の活用
1)講師、助言者の発掘と活用
2)講師、助言者の名簿作成などによる効果的な活用
3)芸術文化活動者および推進者などの活用
4)民間指導者研修機会の拡充
(2)社会教育関係団体指導者の養成
1)団体内蔀の指導者の育成
2)団体外部の指導者の発掘と活用
(3)各種指導員などの設置促進
2.行政関係職員の拡充
(1)社会教育関係職員の充実1
1)社会教育主事の完全設置
ア.人口1万未満町村の社会教育主事の必置
イ.人口段階別による複数制の実施
ウ.社会教育主事と学校教職員の交流の促進
2)公民館職員の専任化の促進
ア.専任公民館長の設置
イ.専任公民館主事の設置および適正配置
3)社会教育施設職員の適正配置
ア.図書館、文化センター、博物館、美術館
イ.少年自然の家、青年の家
ウ.社会体育施設
4)社会教育関係職員の資質の向上
ア.現職教育の幾会の拡充
イ.研修会などへの計画的参加
(2)関連行政指導者との連けい推進
3.指導行政組織の確立
(1)県文化行政専管課の設置
(2)県青少年教育行政の…元化
1)青少年教育における指導理念の確立
2)青少年教育における連絡、調整および統合的推進
(3)関係機関、団体との連絡、調整の強化
(4)市町村社会教育行政組織の整備促進
1)社会教育課(係)の設置促進
2)文化課(係)の設置促進
2社会教育に関する施設
社会教育に関する施設は、社会教育活動の多様性に対応し
て設置されるべきであるが、いまだ県、市町村における施設
はじゅうぶんとはいえない。特に指導組織の拡充並びに社会
教育事業の振興をはかるため、県立社会教育センター、県立
青年の家の設置促進、少年自然の家、県立図書館、県文化セ
ンターの充実をはかるとともに市町村における公民館、図書
館などの設置促進のため、県費補助の拡充をはかることが必
要である。
また、関連行政機関、団体などの施設の有効な活用をはか
る。
1.社会教育施設、設備の充実
(1)社会教育センターの設置
(2)地域文化センターの設置
(3)県立青年の家の設置
(4)少年自然の家の充実
(5)社会体育施設の充実
(6)県立図書館の充実
(7)公民館、図書館など建築県費補助金の増額
(8)視聴覚ライブラリーの充実
2.関連行政機関、団体施設の活用
(1)小・中・高等学校、大学などの施設の活用
(2)他行政所管の施設の活用
(3)その他団体などの施設の活用
3社会教育活動組織
社会教育における学習形態は、個人学習と集会、集団によ
る学習がある。
個人学習においては、個人が自由に学習媒体を入手できる
方途を講し、自由に施設を利用できるよう施設の充実をはか
る必要がある。
集団、集会による学習は、団体活動や学級講座などにおい
て行われるものであるが、専門的な知識、技術を集中的に学
習できる特性があるので、今後さらに拡充を図る必要がある。
1.個人学習の奨励
(1)社会通信教育の受講促進
(2)相談事業の促進
(3)芸術文化の鑑賞、発表などの機会の提供と拡大
(4)社会教育施設の適正配置と充実
2.自主的学習団体の育成
(1)学習クループの育成
(2)社会教育関係団体の育成
(3)芸術文化団体の育成
3.学級、講座などの拡充
(1)青年教室、青年学級などの開設の拡充
(2)成人学校(学級)、婦人学級、家庭教育学級の拡充
(3)高齢者学級の拡充
(4)高等学校、大学開放講座の拡充
(5)芸術文化に関する学習機会の拡充
イ.建 議
(写)
文化行政に関する事務を所掌する専管課の設置について
(建議)
県民文化の向上の具体的方策については、昭和42年9
月答申したところであり、爾来文化施設および文化活動
全般にわたって年々充実の方向にある。
今日の社会は、いわゆる人間疎外、世代間の断絶、個
性のそう失などにみられるように好ましくない現象をひ
きおこしている。このときにあたり心の豊かな人間の育