教育年報1971年(S46)-082/255page
第2節 教職員の人事・任用
1. 小・中学校の人事・任用
(1)人事異動の基本方針
人事異動の基本方針については、昭和45年度末における
方針を検討し、必要な修正を加えて作成した。
次にその内容を述べる。
昭和46年度末小・中学校教職員人事に関する方針
教育に対する県民の期待と要望にこたえ、学校教育を刷新
充実し、本県教育水準の向上を期するためには、教職員組織
の充実強化と、教職員の士気の高揚をはからなければならな
い。
かかる観点から本委員会は、年度末人事方針を下記のとお
り策定し、この実現を期するものである。
実施にあたっては、市町村教育委員会との緊密な提携協力
はもとより、教育関係者の積極的な協力と広く県民各位の理
解ある支持を切望してやまない。
記
1.基本方針
(1) 全県的視野にたって、適材を適所に配置し、教育効果
の向上をはかる。
(2) 教育の機会均等の理念に立脚して、地域差の是正につ
とめ、各学校の教職員組織の充実と均衝化をはかる。
(3) 教育優先の立場から厳正公平な人事を行ない、教職員
の士気の高揚をはかる。
2.重 点
(1) 教育の刷新充実をはかるため、有能適格な教職員の確
保と新進有為な人材の登用をはかる。
(2) へき地学校の教職員組織の充実をはかるため、各地域
の実態に応じ、都市、平地、へき地相互間の交流を計画
的に推進する。
(3) 新教育課程の円滑な実施と地域差、学校差の是正をは
かり、教職員組織の適正化を期するため広域交流を促進
する。
(4) 学校管理の適正化をさらに推進するため、管理職への
登用にあたっては、適任者を厳選するとともに適材を適
所に配置する。
(5) 特殊教育の振興をはかるため、担当者に適任者を配置
する。,
3.実施方針
(1) 採 用
1) 教員については、資格、人物、健康、成績等に基づ
いて厳選し、その配置の適正を期する。
2) 事務職員については、教員に準じて行なう。
(2) 交 流
1) 免許状、年令構成、性別等について各学校の均衝並
びに新教育課程の円滑な実施をはかるため、つとめて
広域にわたって交流を行なう。
2) 各地域の実情に応じ、都市、平地、へき地相互間の
計画的な交流を行なう。
3) 中堅の立場にある教員の広域交流を積極的に行なう。
4) 他県等との計画的な交流を行なう。
5) 特殊教育担当者の適正な配置と交流を行なう。
6) 同一校相当年数勤務者の適正な交流を行なう。
(3)昇 任
1) 校長については、その職責の重要性にかんがみ資格、
人物、指導力、勤務実績、健康等のすぐれた者のうち
から適任者を厳選する。
また、相当期間へき地または、特殊教育の経験を有
し、成績優秀な者の抜てきを考慮する。
2) 教頭については、校長に準じて行なう。
3) 教員については、免許状の取得状況、勤務実績等に
よって選考する。
4) 事務職員については、勤務年数、勤務実績等によっ
て選考する。
(4) 降任及び退職
勤務実績、健康、年令、勤務年数等を考慮して慎
重に行なう。
4.この方針の準用
この方針は、昭和47年度における年間人事においても準
用する。
(2) 人事異動の具体的方針
人事異動の具体的方針は、人事実施要項に定められている
が、昭和46年度末人事の特色となる点はつぎのとおりである。
1) 採用は教員採用候補者名簿に登載された者の中から選
考することとし、採用事務の合理化をはかった。
なお配当にあたっては、原則として出身ブロック外に採
用することとした。これは広域交流、へき地交流の円滑
化をねらったものである。
2) 事務職員の採用にあたっては、県人事委員会で実施し
た初級試験に合格した者で、事務職員を希望する者を採
用するようにつとめた。
3) 交流の一般基準中に「教育振興の立場を優先し個人的
事情等は参考にする」旨を明記するとともに、2地区交
流計画を新たに策定し、地区間の格差是正のため地域交
流を計画的に促進をはかった。
4) へき地と平地間の交流については、これを推進するた
め、地域区分のC地区学校についての改訂を昨年にひき
続き実施した。
5) へき地学校の多い会津ブロックの人事交流を促進する
ため、出身地、勤務校ともに会津ブロック外のへき地未
経者が、会津ブロックに転入してへき地勤務する場合の
義務年限を短縮する措置をとった。
さらに、へき地学校に勤務すべき該当者のすくない地
域においては、採用年度のいかんにかかわらず計画的に
へき地学校に転出させることとした。
6) 過員解消、へき地未経験者の偏在を調整するため総合
人事交流計画により広域交流を計画的に促進する措置を
とった。
7) 退職勧しようの基準については、「退職勧しよう要綱
の改訂を行ない、計画的に年令を引きあげをはかり、本
年度は一般教員58才と1年延長した。
また教育の刷新充実と年令構成の観点から、生活主体