教育年報1971年(S46)-172/255page
また、国および地方公共団体は、両親が家庭教育について
もっている固有の教育権を効果的に行使することができるよ
う、その条件を整備して、学習する機会を提供する任務をも
つものとされている。
本年は補助学級開設8年目を迎え、着々とその効果をあげ
76市町村にわたって305学級が開設された。家庭教育の振興
にあたってはまず市町村において家庭教育振興計画を確立す
ることが基本であり、これに基づいて婚前の成人、新婚の夫
婦、乳幼児をもつ両親、小学校児童の両親、中学生徒の両親、
高校生や勤労青年の両親等に対して公民館・児童館・保育所
・幼稚園・小学校・中学校・高等学校の施設を利用して家庭
教育学級の拡充をはかるようにつとめなければならない。
県においては教育事務所毎、県下7地区で家庭教育研究集
会を開催し、企画・運営・学習内容と学習方法の改善、拡充
方策等について実態調査を行ない、現状と問題点をは握して
改善の方向を研究し、参考資料を提供した。これをもとに家
庭教育学級のいっそうの充実につとめ、本県家庭教育の振興
をはかりたい。
2.家庭教育研究集会
(1) 目 的
家庭教育学級の開設と運営、学習内容の編成、学習方法
、について研究協議し、家庭教育の振興をはかる。
(2) 主 催
福島県教育委員会 開催地教育委員会
(3) 期間・会場・参加者
地区別 期日 会場 参加者 県北 7月1日 安達町公民館 117 県中 6月30日 石川町公民館 152 県南 7月22日 白河市公民館 100 会津 7月23日 猪苗代町公民館 170 南会津 7月13日 伊南小学校 226 いわき 7月28日 四倉町公民館 156 相双 7月27日 浪江町分民館 206
(4) 参加対象
○市町村教育委員会・公民館の家庭教育担当者
○幼稚園、小・中学校等の家庭教育学級担当者
○家庭教育学級開設準備委員・学級委員
○学級生代表
(5) 講 師
○郡山女子大短期大学部教授 長谷川寿郎
○須賀川市立大東小学校校長 会田一二
〇郡山市立片平小学校校長 江尻泰
○いわき市立藤間中学校校長 大谷健
○会津若松市立公民館館長 渡辺宏
(6) 助言者
県教育庁社会教育課員
〃 教育事務所社会教育担当者
市町村教育委員会社会教育主事
(7) 研究内容
1) 研究主題
家庭教育学級を充実するために、その企画・運営・学
習内容・学習方法をどのように改善すればよいか。
2) 講義
「家庭教育学級における学習方法上の諸問題について」
3) 分科会
ア、家庭教育学級の企画・運営はどのようにすればよい
イ、家庭教育学級の学習内容はどのように編成すればよいか。
ウ、家庭教育学級の効果的学習方法はどのようにすればよいか。
4) 全体会
分科会報告、研究協議、まとめ、指導
(8) 効 果
家庭教育学級の当面する諸問題について真剣な研究討議が
行なわれ、今年の家庭教育学級の充実に益することが大であった。
3.家庭教育学級調査指導
(1) 目 的
家庭教育学級における学習課題に関する実態調査を実施
し、その結果を分析検討するとともに、放送番組の利用に
関する調査を行ない、手引書を作成し、家庭教育の振興を
はかる。
(2) 主 催
福島県教育委員会
(3) 調査の対象
補助対象家庭学級305学級
(4) 調査方法
学識経験者により家庭教育研究委員会を構成し、調査項
目の作成を依頼して調査する。
(5) 調査の期間
昭和46年10月1日〜10月20日
(6) 家庭教育研究委員
福島大学教育学部教授 岡村益 他15名
(7) 調査結果の処置及効果
調査結果を集計し、家庭教育研究委員会を開催して研究
討議し、現状を分析して調査結果の考察を行ない、改善の
方向を示した。
この結果は「福島県の家庭教育」第4集として刊行し、
県下家庭教育学級関係者に配布したので、本県の家庭教育
の振興に大きく貢献するものと思われる。
第5節 公民館等社会教育施設
1.概況
急激な社会の進展に即応して、地域住民の要求にこたえ、
各種の社会教育活動をとおして、その生活・文化の向上をは
かるため社会教育施設のもつ役割はきわめて多きい。本県の
社会教育の現状から本年度の指導方針として、次の四点をか
かげた。
(1) 公民館訪問、社会教育振興協議会等により、市町村理
事者、教育委員会、社会教育関係者に、社会教育施設に
ついて理解を深め、公民館の新築、施設・設備の充実等
長期年次計画の立案と備品ならびに学習課題に応じた教