教育年報1971年(S46)-189/255page

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第6章 保健体育

第1節 概要

 保健体育課においては、昭和46年度の県教育委員会の努力

目標として掲げた「体育・スポーツの振興と健康・体力の増

進」を目指して、保健、体育、給食の分野で緊密な連けいを

とりながら施策の推進をはかった。

 その概要は次のとおりである。


 1.学校体育指導の充実

 本県の児童・生徒の体格は年ごとに向上してきているが、

体力はそれに伴って増加していない現状にある。このため、

各種体育実技の講習会の開催、体育研究学校による実践と研

究、学校訪問による指導等により、学校体育指導者の資質の

向上をはかった。

 また10月12・13の両日には、原町市において学校体育研究大

会を開催したが、小・中・高等学校の体育関係者約280名の

参加があり、授業研究を中心に文部省粂野専門員の特別講演

を含めて、本県の学校体育指導者の指導力を高めるため極め

て有意義であった。

 さらに、47年1月18日より21日までの4日間、文部省、県

の共催による冬季競技スキー指導力強化講習会が猪苗代町沼

尻スキー場において開催され、本県からも学校スキーの指導

者多数が参加し得たことは、本県冬季スポーツ競技力向上の

点からみて多大の収穫があった。


 2.スポーツ選手の競技力向上

 各種体育大会での県代表選手の成績は県勢の表徴といわれ、

県民の志気に及ぼす影響力が大きいので、選手の競技力向上

については長年努力してきたところである。

 この意味で磐城高校野球部の夏の甲子園大会における準優

勝、県山岳連盟のヒマラヤ征覇、和歌山国体における自転車

競技の総合優勝、馬術競技の総合4位、バドミントンの皇后

杯得点、卓球、高校野球の得点等着実にその成果が見られた。

 また、自転車競技の白河農工高の杉田典夫、バレーボール

の佐藤哲夫、スキージャンプの渡部絹夫等が日本を代表して

国際舞台で活躍した。

 特に杉田選手は和歌山国体で4千米ポイントレースに日本

新、渡部選手はスキーのインターカレッジの純飛躍に優勝、

同じくスキーでは岳下中の佐藤孝二が全国中学生大会回転競

技に昨年に続いて2連勝、また、大山国体で教員大回転に平

山選手の2位入賞等は、永年の努力が結実したものである。


 3.社会体育の振興

 数年前から県民総スポーツを目標に、その推進母体となる

体育協会の組織の強化に力を入れてきたが、県体協は昭和47

年2月19日付けをもって法人格を取得した。これを機会に、

県下90市町村洩れなく設立された市町村体育協会を傘下に加

えて、県民総スポーツの基盤を確立した。また、第24同県総

合体育大会には、従来の家庭バレーボール 壮年ソフトボー

ルに加えて、新たにスポーツ少年団の部7種目を実施し約

1,000名の参加をみた。

 さらに、札幌オリンピック冬季大会の聖火が47年1月8日

本県に入り、白河、郡山、福島に宿泊、11日に宮城県に引き

継いだが、此の4日間、本県青少年806人によってリレーさ

れた。


 4.体育施設の整備

 いわき陸上競技場は、45年度にメーン施設の竣工をみたが、

46年度はさらに4種公認のサブ競技場・■,000台収容の駐車場

を含めた附属施設の竣工をみて、完成したのを始め、老朽化

していた信夫が丘陸上競技場もトラック・ジャンプ場の全面

改造の他、フィールドの芝の貼り替えや、助走路に本県初の

オールウェザーを用いる等、面目を一新した。

 また、会津体育館が48年2月完成を目途に着工をみ、第29

回国民体育大会冬季大会スキー競技会に備えて、猪苗代スキ

ー場に70メートル級ジャンプ台が完成した。

 さらに昭和47年度全国高等学校総合体育大会に備えて、テ

ニスコート、ソフトボール会場が整備されたほか、田島町荒

海の旧県経営伝習農場跡地が、野外活動センター建設用地と

して確保された。

 市町村の施設としては、運動広場・柔剣道場各1か所が整

備され、学校体育施設としては小・中・高校で60のプールと

5校の高校格技場が完成された。


 5.学校給食の普及充実

 昭和46年度における学校給食の普及状況は、全児童・生徒

数322,459人のうち、322,431人が学校給食をうけ、ほぼ100

%となっているが、これを食事形態でみると、小学校児童の

89.1%および中学校生徒の486%が完全給食をうけ、全児童・

生徒の258%(83,171人=312校)が補食およびミルク給食

となっている。 (別表参照)

 完全給食の普及は市町村・学校ならびにPTAの理解と協

力によって、逐年向上がはかられているが、上記の数でし

めすように、完全給食をうけられない子どもがまだおり、ま

た新学習指導要領における給食指導の位置づけとも関連して

今後より一層積極的に普及の促進をはかっていきたい。他方、

各市町村教育委員会等においても、現状を認識されて、地域の

特性に応じた完全給食を計画的に推進されることが望まれる。

 食事内容は、一般家庭における食生活の向上と対応して、

逐年献立の多様化という形で向上がはかられてはいるが、完

全給食の給食費1人1食当たりでみると、小学校平均52円97

銭で前年対比10.9%、中学校平均61円73銭で前年対比11.4%

とそれぞれのアップ率にとどまり、諸物価の値上がり状況を


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