教育年報1972年(S47)-211/285page

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保健体育

  第1節 概  要

 保健体育課においては、昭和47年度の県教育委員会の重点

施策として掲げた「健康・体力の増進と安全教育の強化」を

目指して、保健、体育、給食の分野で緊密な連けいをとりな

がら施策の推進をはかった。

 その概要は次のとおりである。

  1.学校体育の充実

 本県の児童・生徒の体格は年ごとに向上してきているが、

体力はそれに伴って増加していない現状にある。このため、

各種実技の講習会の開催、体育研究学校による実践と研究、

学校訪問による指導等により、学校体育指導者の資質の向上

をはかった。

 特に、昭和47年5月23日から26日まで、文部省主催北部地

区学校体育実技指導者講習会が福島市で開催され、文部省か

ら斎藤体育課長補佐・山川教科調査官をはじめ多数の中央講

師の派遣をいただき、県内からも多数の小・高等学校の中堅

教員の参加を得られたことは本県の学校体育指導者の指導力

を高めるうえにきわめて有意義であった。

 また、9月19・20日の両日には、須賀川市において、第15

回学校体育研究大会を実施したが、小・中・高等学校の体育

関係者約400名の参加があり、東京教育大学松田岩雄教授の

特別講演を含めて、本県学校体育の向上のため、多大の成果

があった。

 2.スポーツ選手の競技力向上

 各種体育大会での県代表選手の成績は県勢の表徴ともいわ

れ、県民の士気に及ぼす影響力が大きいので、選手の競技力

向上については長年努力してきたところである。

 この意味で、鹿児島国体における馬術競技の二度目の総合

優勝、自転車競技の二連勝、相撲競技青年の部優勝、

弓道競技高男の部準優勝、庭球競技高女3位、ボクシング競技一般

男子の部3位入賞、また、第28回国体冬季大会スキー競技会

大回転教員の部における平山選手の優勝等、着実にその成果

がみられた。中でも馬術の佐藤伝一選手は、国体において

総合馬術、大障害、六段飛越の三冠王となり、読売新聞社の日

本スポーツ賞を受賞した。

 また、ミュンヘンオリンピックには、日本代表として本県

出身の佐藤哲夫選手がバレーボールに大活躍し、金メダルを

獲得したほか、後藤良一選手、佐々木哲英選手が重量挙、

沼田弥一選手が自転車、佐藤忠正選手がカヌーに活躍した。

 3.社会体育の振興

 数年前から県民総スポーツを目標に、その推進母体となる

県体育協会など自主的スポーツ団体の育成や組織の強化に努

めてきたが、県下90市町村体育協会を加盟団体に加えて、新

しく発足した財団法人福島県体育協会は、細則・諸規程を整

備するとともに、基本金の造成も目標の4,500万円の50%強

に達した。また、第25回県総合体育大会には、第24回の開催

種目にスポーツ少年団の部の新4種目を加えて、この部11種

目として実施した。

 さらに、第46回全日本学生スキー選手権大会を48年1月16

日から6日間、猪苗代町で開催し、全国から学生スキーの精

鋭1,000名の参加を得たが、49年2月に開催する第29回国民

体育大会冬季大会スキー競技会に備えての効果、および冬季

スポーツの振興に顕著な成果がみられた。

 4.体育施設の整備

 会津体育館が48年2月に完成をみて、3月18日、盛大に

竣工式ならびに記念行事のオリンピック選手を含む体操演技会

を開催したほか、冬季スポーツの振興をはかるため、

国設猪苗代スキー場を整備し、ジャンプ用審判台、県営大沢リフト

を建設するとともに、赤埴山に新大回転コース、見禰部落を

中心に距離コースを開発した。また、46年に取得した

福島県南会津経営博習農場跡地を整備し、宿泊棟4棟17室70人収容

テント30帳150人収容の県営南会津野外活動センターとして

47年8月11日に開所した。さらに、福島県総合運動公園の用

地として、福島市佐原地区に約60万平方メートルの土地が確

保された。

 市町村の施設としては、運動広場・体育館・柔剣道場各2、

プール3ヵ所が整備され、学校体育施設としては、小・中・

高校で53のプールと5高校の格技場が完成された。

 5.学校給食の普及充実

 昭和47年度における学校給食の普及状況は、全児童・生徒

数309,619人のうち、309,608人が学校給食をうけ、ほぼ

100%となっているが、これを食事形態でみると、小学校児

童の89,5%および中学校生徒の50,1%が完全給食をうけ、全

児童・生徒の25,2%(78,090人=284校)が補食およひミル

ク給食・その他未実施となっている。 (別表参照)

 完全給食の普及は市町村・学校およびPTAの理解と協力

により、逐年向上がはかられてはいるが、別表でしめすよう

に、完全給食をうけられない子どもがまだおり、また新学習

指導要領における給食指導の位置づけとも関連して、今後、

より一層積極的に普及の促進をはかっていきたい。他方、各

市町村教育委員会等においても、現状を認識されて、地域の

特性に応じた完全給食を計画的に推進されることが望まれる。

 食事内容は、一般家庭における食生活の向上と対応して、

逐年献立の多様化という形で向上がはかられてはいるが、完

全給食の給食費1人1食あたりでみると、小学校平均60円74

銭で前年度対比11,5%とそれぞれのアップ率にとどまり、諸


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