教育年報1972年(S47)-269/285page

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県立図書館

第1節概  要

 情報化社会の今日において図書館の果たすべき役割は重要

なものがあると思われるが、まず、本館のサービス体制の強

化を図ることを第1として、新年度早々に館内の全面模様替

えを実施した。従来の図書館は、はいりにくい、特定の者だ

けが利用するところだ、のイメージを一掃するため、1階に

あった管理部門を3階に移して1〜2階を全面的に開放する

とともに、受付を廃して軽読書室を設けるなど、気楽なムー

ドづくりに意を用いた。また、事典・年鑑・統計等の参考図

書資料の整備をすすめるとともに、調査相談・資料の複写サ

ービスなど参考事務の充実を図った。一方事務分掌において

も、館内・館外の分担を明確にして奉仕体制の強化を図るな

ど一部の改革を行なった。とくに館外活動としては移動図書

館のほか、市町村教委など社会教育関係者との連けいを強めて

読書活動を推進した。現在県内に7か所のモデル地区を選定して

重点的に指導育成を進めているが、どのグループも意欲的で

あり、将来に期待したい。以下本年度における事業状況は次

のとおりである。

 1.図書館協議会

   図書館法に基き設置する図書館協議会は下記のとおり

  であるが、年度内に4回協議会を開催して、図書館の運

  営その他について意見を求めるなど協力を願った。

   県立図書館協議会委員 (自昭和46年6月
                   至昭和48年3月)

氏名 役職名
栗原喜蔵 県立福島女子高等学校長
遠藤伊雄 桑折町立醸芳中学校長   
諏江スイコ 県婦人団体連合会理事
神田守雄 県PTA連絡協議会委員
高久田大一郎 県公民館連絡協議会副会長
大谷恭一 県社会教育委員
渡辺俊政 県議会議員
辺見正治 福島市教育長
大石吾一 NHK福島放送局長
平井博 県文化センター館長

2.文化事業等の実施概況

(1)著者と読者のつどい

 著者と読者のつどいは、例年のとおり第20回県図書館大会

とあわせ、さらに第23回北日本図書館大会が同時に開催され

た。1972年はユネスコが提唱した国際図書年であり、「すべ

ての人に本を」のスローガンを掲げた。今大会も「住民のた

めの図書館をめざそう」をテーマに盛況であった。

   ○ と き 昭和47年6月8日・9日

   ○ ところ  県文化センター

   ○ 記念講演 「歴史小説を書きながら」

          作家 永井路子

   ○ 基調発表

   1.図書館における行財政面の充実について

     宮城県図書館     奉仕課長   角田主一

   2.図書館活動と関係機関との連けいについて

     青森県弘前市立図書館 館長補佐   淡谷鉄蔵

   3.公民館における読書活動について

     秋田県天王町教委会  総務係長   伊藤金政

   4.私たちと図書館

     福島市        主婦   中脇久子

   ○ 分科会

     第1部会 図書館の相互協力について

     第2部会 図書館と住民の結びつきについて

     第3部会 読書普及活動のとりくみ方について

   ○ 全体会

   ○ 大会宣言

(2)第18回地方史研究講習会

 この回は、日本史上きわめて重要な位置を占めている幕藩

体制期の諸問題について研究を行なうとともに、古文書、古

記録の解読と内容分析、資料調査および調査方法等地方史研

究の基礎的な研修を行なった。

   ○ と き 昭和47年12月15日・16日

   ○ ところ 県文化センター

   ○ 講 演 「福島県における譜代大名について」

                明治大学教授 木村礎

   ○ 講 義 「近世資料の取扱い方」

              元福島大学教授 庄司吉之助

(3)読書週間の行事

 毎年10月27日から11月9日までは読書週間である。今年度

の行事は、戦後すでに27年が過ぎ去ったが、それぞれの時代

によって読まれたベストセラーズをふりかえり、図書の歴史

とその時代の社会的背景を思い起こすことも意義あるものと

思われ、 「旋風20年」から「恍惚の人」まで約200冊を集め

て、パネル・解説なども掲げて11月1日から9日まで県立図

書館において『戦後のベストセラーズ展』を開催したが、た

いへん好評であった。

 なお、この展示会は、その後郡山市ほか県内9会場で巡回

開催された。

(4)館内での催し

 1) 資料展  「福島県の詩人たち」 「日本と中国」

       「沖縄県の誕生」 「ふくしまの山」

 2)写真展「蒸気汽関車への挽歌」「高松塚古墳」

       「福島の野鳥」 「平家物語とその時代」

(5)その他


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