教育年報1973年(S48)-103/273page
学校教育
第1節概要
〔義務教育課〕
1.指導行政の基本方針
調和と統一のとれた教育課程の編成と、その完全実施によ
り、「豊かな人間形成をめざす生涯教育」の一環としての学校
教育活動を展開してきた。
昭和48年度においても、前年度の反省と、長期総合教育計
画に基づき、努力目標を設定し、その達成に努力してきた。
2.指導組織
義務教育課における指導担当主幹、主任指導主事ほか8名
の指導主事(うち2名高校兼務)と教育事務所における次表
のような配置によって小・中学校の指導にあたった。
指導区分\教育事務所 県北 県中 県南 会津 南会津 相馬 いわき 指導主事数(含指導課長) 県 4 5 3 5 3 4 7 同上 地区 3 3 3 3 1 2 - 同上 市 3 2 1 2 - 2 - 教科等指導委員数 7 7 8 7 10 8 7 生徒指導委員数 3 4 2 3 1 2 2
3.学校教育指導の重点
義務教育課としては、前記の目標の実現をめざして、次の
事業を実施した
(1)教職員の資質と指導力の向上につとめる。
1) 新採用教員に対して講習内容を充実し、その使命感の
確立と指導力の向上につとめた。
2)中堅・女子・教頭、校長等各種研修会を、いっそう充
実した内容としてその資質の向上を図った。
3)教職員等中央研修会に教職員を派遣し、資質の向上に
つとめた。
4) 海外教育事情を視察するため、長期30名、短期71名をヨー
ロッパ、アメリカの2団に分けて派遣し国際的視野を広
め、資質の向上につとめた。
5)福島県学校教育研究団体等11団体に対し、財政的援助
と、主体的研修の育成のための指導助言につとめた。
6) 小・中学校教職員の研究論文を募集し、教職員の自己
研修を奨励し、その専門職性の向上を図った。
(2)児童・生徒の学力の向上を図るとともに、知・情・意・
体の調和のとれた青少年の育成につとめた。
1) 教育課程研究協議会を、小・中学校教育研究会と共催
し、教育課程の実施上の諸問題の研究と、その改善充実
つとめた。
2)「学校教育指導の重点」を「学校教育」に掲載し、体
質改善の要点を明確にするとともに、「教科の本質にせま
る学習指導」を刊行配布して、特に教科の本質にせまる
授業の改善・充実につとめた。
3)教育課程研究指定校(小・中9校)へき地教育研究指
定校(小・中3校)を指定し、学習指導の充実改善につ
とめた。
4) 地域教育研究指定校(2地区)を指定して、地域にお
ける小・中学校教育の一貫性を図るとともに、地域全体
の教育水準の向上につとめた。
5)算数・数学現代化講座、理科教育現代化講座、技術
・家庭科実技講習会を開催して、学習指導の現代化につ
とめた。
6) 道徳教育講習会や、生徒指導講習会を開催したり道徳
教育研究指定校(文部省指定6校)生徒指導研究指定校
(3校)を指定して、道徳教育・生徒指導の充実徹底を図った。
なお、生徒指導委員(17名)を委嘱して、生徒指導の
徹底につとめた。
7) 指導職員研究協議会(年2回)指導職員研修講座(年
1回)指導課長会(年4回)を開催して、各教育事務所
との指導行政についての研究協議を実施して、指導行政
の一体化を図った。
(3)へき地教育、特殊教育、幼児教育の振興につとめた。
1) 複式学級担当教員研修会を開催するとともに、へき地
教育研究指定校(3校)を指定して、へき地における学
習指導の改善につとめた。
2)国語・社会科複式学級指導計画例を作成、関係学校に
配布し、複式学級指導の充実を図った。
3)へき地に勤務する教員14名を、へき地教育課導者講座
(秋田)全国へき地教育研究大会に派遣しへき地に勤務
する教職員の資質の向上と、士気の高揚につとめた。
4)特殊教育担当教員研修会や、特殊教育教養講座等を開
催したり、特殊教育推進地区(1)の指定等により、特
殊教育の充実に役だてた。また、特殊教育についての長
期研修生を派遣し、その資質の向上につとめた。
5)心身障害児判別就学指導会議を設置し、その判別およ
び就学の奨励の適正を期するようにするとともに、講習
会を4地区で開催し、判別の方法・就学のさせ方につい
ての指導の充実を図った。
6) 幼稚園教育課程研究集会や、幼稚園実技講習会等を開
催して、幼稚園教員の指導力の向上につとめた。
また、幼稚園の指導の充実を図るため、幼稚園指導計
画を作成し、県内の幼稚園の指導資料として各園に配布
し、指導の充実を図った。
〔高等学校教育課〕