教育年報1973年(S48)-161/273page
社会教育
第1節 社会教育一般
1.概 要
産業経済の激しい変動や技術革新の進展はまことにめざま
しく、週休2日制の進展とともに余暇や消費の増大・都市化
現象の進行と相まって、本県のいたるところにその影響を与
え、県民の生活様式に大きな変容をもたらしている。
この急激にして多面的な社会の変ぼうに対処し、すべての
地域住民に職能を磨き、教養を高め、生活にうるおいと生き
がいとを与える組織的な学習の機会を、学校を終えた後も、
生がいを通じて豊富に提供する社会教育は、改めてその重要
性がさけばれてきた。
このようなときにあたり社会教育推進のため、社会教育と
社会教育行政の区分を明碓には握し、社会教教育行政基盤の
の整備充実、社会教育事業の奨励援助、社会教育における指
導組織の拡充強化を柱に、次の5つの重点施策により目的達
成のため努力してきた。
(1)社会教育施設設備の整備促進
社会教育における学習活動の中心的な場である社会教育
施設は、質、量ともにじゅうぶんとはいえない。
とくに社会教育活動を推進するためには、その基幹的施
設である公民館の計画的な設置と年次計画による設備の充
実について、積極的な指導と助言を行うとともに県の社会
教育施設についても整備の充実につとめた。
1) 公民館等の整備充実のため県費1,000万円補助。
ア 国庫補助による公民館新築8館(400万円)
イ 国庫補助による図書館新築1館(600万円)
2) 県立少年自然の家の整備充実
3) 県立海浜青年の家の建設
4) 視聴覚ライブラリ一公立化促進
(2)指導体制の充実強化
社会教育施設の充実と相まって、指導者の資質の向上と
指導体制の充実強化を図ることは極めて重要である。市町
村の社会教育主事、公民館長、公民館の主事等の必置なら
びに専任化を促進するとともに、社会教育指導員の設置促
進、民間有志指導者の養成、さらに現職教育を強化し指導
層の拡充につとめた。
1) 市町村社会教育主事の設置促進
2) 公民館職員の専任化促進
3) 社会教育指導員の設置促進(67名)
4) 社会教育指導者のための研修の拡充
(3)社会教育事業の奨励、援助
社会教育は自主的な自己教育であり、余暇時間を積極的
に利用することを基調とするものである。青少年、成人、
婦人自からの主体的な意欲により生がいを通じ香りたかい
独学者を養成するとともに、学級、講座など集団学習によ
る各種事業の推進を図った。
1) 家庭教育学級、家庭教育相談事業の推進
2) 高等学校開放講座の開設とその充実(8講座)
3) 青年学級、婦人学級等の拡充強化
4) 高齢者教室の開設
5) 各種事業に対する補助
(4)社会教育関係団体の育成助長
社会教育は住民生活に根をおろしたものでなければ効果
はあげられない。特に自主的な団体やグループの活動は極
めて重要である。地域の自主的団体が集団による組織的な
団体活動を活発にし、地城生活に密着した新な秩序を確立
し、市民性と活気とを回復する健全な団体となるよう積極
的に助成を行うとともに内部指導者の養成につとめた。
1) 社会教育関係団体育成のための県費補助
2) 指導者の養成と研修機会の提供
3) 団体指導者のための指導資料の作成
(5)図書館活動の推進
情報化社会の進度に伴って、図書館の果たす役割はます
ます重要性を加えてきている。県立図書館はだれでも気軽
に利用できる図書館づくりを目ざすとともに、読書普及事
業の飛躍的進展のため公民館図書室の充実など積極的に努
めた。
1) 読書グループの育成強化
2) 移動図書館の充実改善
3) モデル読書グループの指定援助
4) 調査、相談事務の拡充と資料の提供
2.市町村社会教育主事等研修会
(1)目 的
社会教育の振興発展を図るため、県内各市町村社会教育
主事および公民館主事等に対し、社会教育を進めていくた
めに必要な基礎的、専門的教養の研修を行い、もってその
資質の向上と指導力の充実を図る。
(2)期日、会場、参加数
1)期 日 昭和48年10月22日〜10月26日
2)会 場 福島市飯坂町、婦人会館
3)参加者 56名
(3)講 師
○立教大学教授 岡本包治
○東北大学教育学部教授 塚本哲人
○郡山女子大学教授 長谷川寿郎
(4)参加者
○市町村教育委員会社会教育主事
○市町村社会教育課長、社会教育担当者
○中堅公民館主事
(5)日程、研究内容および実施方法
時 午 前 午 後 夜 間 8:00〜12:00 1:300〜 17:00 19:00〜21:00 10月22日 受付 開会 社会教育の願状と問題点(課長) 社会教育主事の職務(主幹) 情報交換(伊藤)