教育年報1974年(S49)-036/303page

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  イ、場 所 県庁西庁舎

  ウ、内 容 答申案について

(4)答  申

  昭和49年10月28日、会長より「公立高等学校の学校・学

 科の適正配置について」答申があった。


                     
                     昭和49年10月28日

福島県教育委員会  殿

             福島県後期中等教育審議会会長

                          斎藤初四郎

       公立高等学校の学校・学科の

       適正配置について(答申)

昭和48年11月24日付をもって、当審議会に諮問のあっ

った「公立高等学校の学校・学科の適正配置について

は、別紙のとおり答申いたします。


(別 紙)

   公立高等学校の学校・学科の

   適正配置について

 前  文

 福島県後期中等教育審議会は、昭和48年11月県教育委員会か

ら標記の事項について諮問を受けて以来、審議会に専門調査

委員会を設け、専門調査員による研究調査結果をもとに、審

議会で慎重に検討を重ねて、ここに答申をまとめた。

 この諮問は、社会の急速な進展と変化並びに高校進学志願

者の増加により、高等学校収容率や進学率に地域的な不均衝

をもたらし、さらに進学率の上昇に伴っての高校入学者の多

様化等の問題が生じ、それに対応する教育諸条件の整備が必

要となったため、教育の機会均等の理念に立脚した高等学校

教育振興方策について答申を求めたものである。

 本審議会では、諮問の趣旨を十分に理解するとともに、県

産業教育審議会の答申を尊重し長期展望にたった学校・学科

の適正配置計画策定のための「基本的考え方」それに基づく

適正配置の「基本的な態度」を示し諮問に答えるものである。

1 学校・学科の適正配置計画策定の

 基本的考え方

 1 後期中等教育の理念と学校教育の役割

   近年、わが国における科学技術の革新、経済の飛躍的

  拡大、および国民の生活水準向上等の急激な進展は、本

  県においても産業構造や交通事情等の変化、あるいは、

  人口の流動による過疎・過密の現象をもたらしている。

   産業の近代化、高度化は、世界的動向であり、それは、

  個人生活、家庭生活、社会生活等、人間生活のすべての

  近代化をうながしており、国民の的的水準の高度化も必

  然的なものになっている。

   このような現況下において、新しい時代を背負って立

  つ青少年の適正と能力を開発、育成するとともに、調和

  のとれた人間形成につながる教育への期待は、多大なも

  のがある。

  この時代的要請に十分にこたえるため、教育の機会的

等の確保と後期中等教育の拡充整備が要求されるもので

 ある。

2 現行の学校・学科配置上の問題点

(1)後期中等教育人口の変動と高等学校収容率の地域的

 不均衡

  本県後期中等教育人口(15歳〜18歳)は戦後のベビ

 ーブームの波を受けた急増期を過ぎて、現在は漸減期

  にあるということができる。

  更に、おれを局地的にるると、福島市、郡山市、

 会津若松市、いわき市等においては増加又は横ばいの傾

  向にあるが、上記以外の中通り地区、会津地区、

 相双地区においては、今後急激な減少が予想される。この

  ように後期中等教育人口の郡部においての減少、市部

  における増加の傾向は更に継続するものと推測される。

   この後期中等教育人口の漸減傾向について、昭和49

  年度募集定員を固定して地域別に高等学校(全日制)

  の収容率を昭和54年度まで推計すると別表のとおりと

  なる。このことから、後期中等教育人口の変動に伴っ

  て、高等学校収容率の地域的不均衡は、ますます拡大

  される傾向にあることが推測される。すなわち、これ

  を地域別に見ると、会津地区、相双地区の収容力は中

  学校卒業生徒数を上回るが、これに比し県北地区、県

  中地区の収容力は低く、80%台の収容率である。これ

  ら収容力の低い地域を更に局地的に考察すると、人口

  の過密地域、過疎地域間にも収容卒の不均衡が見られ

  る。

   今後の学校・学科の適正配置を検討するに当たって

  は、地域を全体的に検討すると同時に局地的にも十分

  な検討を加えながら収容率の地域的不均衡を是正し、

  教育の機会均等化を図る必要がある。

 (2)高等学校進学率の上昇について

   本県の高等学校進学率は、全国的に見て低位にあり、

  早期に全国平均に近づける施策が必要であろう。この

  進学率は、高等学校収容力の多寡と強い相関関係を持

  っている。高等学校収容力に地域的不均衡があるため

  に進学率に地域較差が生していると思われるので、進

  学率の低い地域、人口の過密地域等には、収容力を増

  加し進学率の地域較差の解消を図って、本県進学率の

  上昇を促進させるよう施策を講ずべきである。

   本県が広大な面積を有する中で、山間部の占める割

  合は大きく、これが地域的に高等学校進学率・志願率の

  上昇を阻害する要因であるとも考えられる。

   これら地域における学校・学科の配置、学校の適正

  規模等について十分な検討を加えるとともに、進学率

  の上昇について広域市町村圏および関係諸機関等の協

  力を要する面もあるので、これら関係機関との密接な

  連携を図る必要がある。

3 適正配置計画策定上の留意点

 (1)適正化について

   教育の機会均衡の確保は、教育行政の基本的理念で

  あるとの認識のもとに地域社会の持つ諸条件を勘案し

  ながら、高等学校収容力の地域的不均衡を解消し、適


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