教育年報1974年(S49)-037/303page
正化を図るべきである。職業に関する学科についても、
この理念に立脚し、各学科の果たすべき役割を十分考
慮し、配置の適正化に努めるべきである。
(2)計画の年次性について
現今のような急激な社会変動期にあっては、長期の
教育計画は、その具現化を図る場合、変更を余議なく
される面も生じるものと予想される。従って、今後の
社会変動やその動向を的確に察知し、長期展望に立っ
た上での短期計画を策定し、具現性の高い年次計画と
すべきである。
(3)高校収容率の地域的、男女別の不均衡の是正につい
て
高校収容率について地域別不均衡が存在するので、
この不均衡が存在するので、この不均衡の是正を図る
必要がある。そのためには、学級編制基準の改善、学
級数の増減あるいは、学校の新設等についても十分な
検討の必要がある。
男女別収容率では、全体的には均衡が保持されてい
るが、局地的にみると均衡を失している地区もあり、
その是正については、学科の配置等を含めて検討する
必要がある。
(4)高校進学率について
本県高校進学率が全国的にみて低位にあり、更に地
域的にも較差がある現状にかんがみ、進学率上昇を阻
害する要因をなお精査し、早期にその対策について検
討する必要がある。
(5)定時制の学校と学科の配置について
「高等学校の定時制教育及び通信教育振興法」の目
的に従い、勤労青少年の教育の機会均等の保障を十分
考慮しながら、教育効果の面からも慎重に検討する必
要がある。
(6)私立高校について
公立高校・私立高校における募集定員については、
私立高校の進学の精神を尊重し、私立学校、関係機関
と密接な連携をとり、その正常な発展がなされるよう
配慮する必要がある。
2学校・学科の適正配置についての
基本的な態度
学校・学科の適正配置については、その基本的な考え方
に従って、下記の点に留意し、適正な配置に努めるべきで
ある。
1 普 通 科
(1)普通科志望志向の増大の現状とその将来展望を十分
に調査研究し、通学区城内における収容率の均衡化を
図るとともに、地区によっては、普通科高等学校の新
設などを検討する必要がある。
(2)人口過密地域における男女別収容率の均衡化を図る
必要がある。
(3)普通科志望志向の傾向と職業教育の適時性から来る
必要性を十分に考慮する必要がある。
2 専門教育を主とする学科
(1)農業科
ア、本県農業政策の指向するものを十分に考慮すべき
である。
イ、自営者養成、関連産業従事者の育成については、
地域の特色を生かした学科の運営を図る必要がある。
ウ、学校の配置は、現状を維持し、学級編制基準の改
善について考慮する必要がある。
ウ、別科・産業科については、地域の実態を考慮し、
検討を進めるべきである。
(2)工業科
ア、近接する学校については、その整備充実を図る必
要がある。
イ、同一校での類似学科の統合をさらに進めるべきで
ある。
イ、情報技術科、設置の促進を図る必要がある。
(3)商業科
ア、単独校における小学校の導入を検討する必要があ
る。
イ、多学級併置校については、その単独校化を図る必
要がある。
ウ、単学級併置校については、単独校への統合を検討
すべきである。
(4)家庭科
ア、単学級併置校については、地域性と教育効果を考
慮して検討すべきである。
イ、学級編制基準の改善を考慮する必要がある。
ウ、学科の配置については、地域的均衡を図り、適正
規模についても検討する必要がある。
(5)その他の学科
ア、芸術科設置について調査検討する必要がある。
イ、衛生看護科の設置について調査検討する必要があ
る。
3 定時制高校の適正配置について
(1)定間定時制高校については、交通事情、社会情報、
地域性を十分考慮し、整備拡充を進めるべきである。
(2)昼間定時制高校については、そのあり方について検
討し、整備充実を図る必要がある。
3学校・学科の適正配置に対する附帯事項
1 地域の実態に即した学校規模の適正化を図る必要があ
る。
2 過疎地域に対しては、関係諸機関との連携を深め、早
期に進学率が上昇するような方策について検討する必要
がある。
3 進学率の上昇に伴う入学生徒の質的較差に対応できる
学習指導法、生徒指導法に十分な検討を加える必要がある。
4 中学校教育の正常化について配慮するために、入学者
選抜方法の改善については、今後とも検討を続ける必要
がある。
5 各高校の資的向上を図るため、施設・設備の充実と教
職員組織等についても十分配慮する必要がある。
6 学校・学科の適正配置について社会情勢の変動を的確
に受けとめ、その計画の弾力的運用が図れるようにする
べきである。