教育年報1974年(S49)-097/303page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]

 第2節 教職員の人事・任用

  1 小・中学校

 人事異動の基本方針については、昭和48年度末の人事を検

討し、必要な修正を加えて次のとおり作成した。

 昭和49年度末小・中学校教職員人事に関する方針

 教育に対する県民の期待と要望にこたえ、学校教育を刷新

充実し、本県教育水準の向上を期するためには、教職員組織

の充実強化と、教職員の士気の高揚を図らなければならない。

 かかる観点から本委員会は、年度末人事方針を下記のとお

り策定し、この実現を期するものである。実施に当たっては、

市町村教育委員会との緊密な提携はもとより教育関係者の積

極的な協力と、広く県民各位の理解ある支持を切望してやま

ない。

           記

(1)基本方針

 1)全県的視野に立って、適材を適所に配置し、教育効果

  の向上を図る。

 2)教育の機会均等の理念に立脚して、地域差、学校差の

  是正に努め、各学校の教職員組織の充実と均衡化を図る。

 3)教育優先の立場から厳正公平な人事を行い、教職員の

  士気の高揚を図る。

(2)重  点

 1)長期的展望に立って、教育を刷新充実するため、有能

  適格な人材の登用を図る。

 2) 学校教育の充実と教職員の勤務の公平を期するため、

  各教職員が在職期間を通じて都市、平地、へき地等の勤

  務経験を持つよう、計画的な交流を推進する。

 3)地域差、学校差の是正を図り、教職員組織の適正化を

  期するため、広域交流を推進する。

 4)学校管理の適正化を更に推進するため、管理職への登

  用に当たっては、適任者を厳選するとともに、適材を適

  所に配置する。

 5)過疎化現象に伴う教職員定数の減少に対応するため、

  教職員配置の改善並びに学校相互間、他県等との交流を

  促進する。

 6) 特殊教育の振興を図るため、担当者に適任者を配置す

  るとともに、適正な交流を行う。

(3)実施方針

 1)採 用

  ア 教員については、資格、人物、健康、成績等に基づ

   いて厳選し、その配置の適正を期する。

  イ 事務職員・学校栄養職員については、教員に準じて

   行う。

 2)交 流

  ア 免許状、年齢構成、性別等について各学校の均衡を

   図るため、努めて広域にわたって交流を行う。

  イ 各地域の実態に応じ、都市、平地、へき地相互間の

   計画的な交流を積極的に行う。

  ウ 中堅の立場にある教員の広域交流を積極的に行う。

  エ 教職員定数の減少に即応し、小・中学校相互間並び

   に県外派遣等の他県との計画的交流を促進する。

  オ 特殊教育担当者の適正な配置と交流を行う。

  カ 同一校相当年数勤務者の適正な交流を行う。

 3)昇任

  ア 校長については、その職責の重要性にかんがみ資格、

   人物、指導力、勤務実績、健康等の優れた者のうちか

   ら適任者を厳選する。

    また、相当期間へき地又は特殊教育の経験を有し、

   勤務成績優秀な者の抜てきを考慮する。

  イ 教頭については、校長に準じて行う。

  ウ 教員については、免許状の取得状況、勤務実績等に

   よって選考する。

  エ 事務職員については、勤務年数、勤務実績等によっ

   て選考する。

 4)降任及び退職

   勤務実績、健康、年齢、勤務年数等を考慮して慎重に

  行う。

(4)この方針の準用

  この方針は、昭和50年度における年間人事においても準

 用する。

(5)人事暴動の具体的方針

  人事異動の具体的方針について、人事実施要項に定めら

、れているが、昭和49年度末人事の特色となった点は次のと

 おりである。

 1)採用については、教員採用候補者名簿に登載された者

  から選考し、これが配置に当たっては、原則として出身

  ブロック外に採用した。これは昨年同様広域交流、へき

  地交流の円滑化を図るためである。

 2)事務職員の採用については、県人事委員会が行う「公

  立小・中学校事務職員採用試験」に合格した者のうちか

  ち、また学校栄養職員については、県人事委員会の選考

  を経た者のうちからそれぞれ適格者を採用した。

 3)交流については、交流のための区分を設定し、すべて

  の教職員が在職期間中に市部、郡部、へき地等の勤務を

  公平に経験し、学校教育の充実を期するよう考慮した。

  また、教育振興の立場を優先し、個人的事情を参考とし

  て交流を行った。

 4)昇任に当たっては、校長、教頭等その職責の重要性に

  かんがみ、適任者を厳選した。特にへき地学校及び特殊

  教育に優れた実績を持つ人材を登用し、へき地学校及び

  特殊教育にたずさわる教職員の士気の高揚を図った。ま

  た、女子教員からの管理職登用者を増加した。

 5)教職員定数の減少に伴う過員解消と、へき地未経験者

  の偏在を調整するため、昨年に引き続き総合人事交流計

  画を策定し、全県的視野に立った人事行政を進めた。

 6) 県外派遣教員制度を昨年に引き続き実施し、千葉県、

  埼玉県に本県教員を3年間派遣した。

 7)退職勧しょう年齢を、被生活主体者の54歳から55歳に

  1年延長することとした。また、退職時の優遇措置とし

  て、退職月日を本人の申し出により、4月1日も認める

  こととした。

(6)教職員の配当基準

  国の定数改善第4次5か年計画に基づき改正標準法を検

 討し、学級編制及び教職員配当基準の改善に努めた。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。