教育年報1974年(S49)-177/303page
社会教育
第1節 社会教育一般
1 概 要
変化の激しい社会に対処するためには、住民の一人一人は、
その生がいの各時期に応じて新しい生活課題や学習要求を持
ち、あらゆる年齢階層を通じて、絶えず自己啓発を続け、人
間として主体的に、かつ豊かに生き、お互いの連帯感を高め
ることを求めている。従って自己学習と相互教育の意欲を組
織的に高め、そのための機会と場を豊富に提供するよう施策
を進めてきた。
本県社会教育の推進に当たり、社会教育行政基盤の整備充
実、社会教育事業の拡充強化、社会教育における指導組織の
拡充を柱とし、次の四つの重点施策を策定し、目的達成のた
め努力してきた。
(1)社会教育施設設備の整備促進
社会教育活動を推準するためには、その基幹的施設である
公民館の計画的な設置と年次計画による設備の充実について、
積極的な指導と助言を行うとともに、県の社会教育施設につ
いても整備の充実に努めた。
1) 公民館等の整備充実のための県費補助 1,000万円
(ア)国庫補助による公民館新築8館 (400万円)
(イ)国庫補助による図書館新築1館 (600万円)
2)県立少年自然の家の整備充実
3)海浜青年の家の建設
4)視聴覚ライブラリー公立化促進
(2)指導体制の充実強化
社会教育施設の充実とあいまって、指導者の資質の向上と
指導体制の充実強化を図ることは極めて重要である。市町村
の社会教育主事、公民館長、公民館の主事等の必置並びに専
任化を促進するとともに、派遣社会教育主事、社会教育指導
員の設置をはじめ、民間有志指導者の養成、更に現職教育を
強化し、指導層の拡充に努めた。
1)市町村社会教育主事の設置促進
2)県社会教育主事の市町村派遣(20名)
3)公民館職員の専任化促進
4)社会教育指導員の設置促進(75名)
5)社会教育指導者のなめの研修の拡充
(3)社会教育事業の奨励・援助
社会教育は自主的な自己学習であり、余暇時間を積極的に
利用することを基調とするものである。青少年、成人、婦人
高齢者自からの主体的な意欲により、生がいを通じ香り高い
独学者を養成するとともに、学級、講座など集団学習による
各陣事業の推進を図った。
1)家庭教育学級(399学級)、家庭教育相談事業の推進
2)高等学校開放講座の開設とその充実(7講座)
3)青年学級(145学級)、婦人学級(636学級)等の拡充強化
4)高齢者教室の開設 (218学級)
5)各種事業に対する補助
(4)社会教育関係団体の育成助長
急激な社会の変化に伴う人間疎外の事象の増加、更に都
市化に伴う共存感の欠如が指摘される現在、社会教育関係団
体の育成助長は極めて重要である。地域の自主的な団体が集
団による組織的な団体活動を活発にし、地域生活に密着し積
極的な活動を推進するよう育成、助長を図った。
1)社会教育関係団体育成のための県費補助
2)指導者の養成と研修機会の提供
3)団体指導者のための指導資料の作成
(5)図書館活動の推進
週休2日制の普及と、生活の合理化による余暇の増大、あ
るいはまた子供の豊かな人間形成を願う地域住民の強い要望
は、公共図書館の整備充実と子供に対する図書館奉仕の充実
強化が強く求められている。県立図書館では、そうしたすう
勢に対応し、県立図書館新築の構想に基づく先進県の調査を
実施するとともに児童図書館の大幅な増加を図って要望にこ
たえることに努めた。
1)親子読書文庫の充実強化
2)子供地域文庫の育成と援助
3)移動図書館による児童奉仕の強化
4)調査相談事務の充実
2 市町村社会教育主事等研修会
(1)目 的
社会教育の振興を図るため、県内市町村社会教育主事及び
公民館主事等に対し、社会教育を進めて行くために必要な基
礎的、専門的研修を行い、もって社会教育行政計画に関する
高度な知識技術を習得する。
(2)期日・会場・参加数
1) 期 日 昭和49年7月2日(火)〜4日(木)
昭和49年12月2日(月)〜5日(木)
2) 会 場 前期国立磐梯青年の家(耶麻郡猪苗代町)
後期 婦人会館(福島市飯坂町)
3)参加者61名
(3)講 師
○文部省社会教育官 湯上二郎
○福島大学教授 鈴木勝衛
○郡山女子大学講師 国馬善郎
○喜多方市公民館長 山崎甚二郎
○国立磐梯青年の家事業課長 斎藤慶三郎
○元福島市教委社会教育課長 佐藤利三郎
○保原町教委社会教育主事 村松真雄
○国立社会教育研修所専門職員 俵谷正樹
○福島市教育委員会教育長 辺見正治
○流通経済大学教授 渡辺博史
(4)参加者
○市町村教育委員会社会教育主事