教育年報1974年(S49)-229/303page

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保健体育

  第1節 概   要

 保健体育課においては、県教育委員会が昭和49年度の重点

施策として掲げた「体格・体力の向上とスポーツの輝興」を

目指し、保健、体育、給食の分野で緊密な連携をとりながら

施策の推進を図った。その概要は、次のとおりである。

  1 学校体育の充実

 体育の授業における指導力を高め、児童・生徒の体力向上

を図るため、各種体育実技講習会を開催するとともに、体育

研究学校による実践研究、学校訪問による指導、体育研究大

会等を開催し、学校体育指導者の資質向上を図った。また、

体育担当以外の教員を対象に体育クラブ指導講習会を開催し、

指導力の向上に努めるなど、学習指導要領の充実した展開を

図るための諸事業を行った。

 更に、昭和53年度全国高等学校総合体育大会本県開催の内

定に伴い、中学校、高等学校の体育授業の充実と相互の連携

に努めた。

  2 スポーツ選手の競技力向上

 各種体育大会における県代表の成績は、本県スポーツの国

内水準を示すものであり、県民の士気にも大きく影響するの

で、前年に続いて競技力の向上に努めた。

 本年は特に、中・高校生の活躍がめざましく、全国中学生

陸上競技大会で阿部静江(永井中)が全国中学新記録で2位

に入賞し、全国中学ハンドボール大会女子の部で二瀬中学校

が準優勝した。高校では、猪苗代高校2年の相原美知子が、

全国高校スキー選手権大会女子10キロ競技に2連勝し、国体

スキー競技会女子5キロ競技においても優勝した。その他の

競技においても中・高校生の活躍が目立ち、昭和53年度全国

高校総合体育大会に明るい希望が持たれる。更に猪苗代スキー国体

が終了し、1年を経過したが富良野スキー国体において

本県選手団は、天皇杯・皇后杯とも7位に入賞した。これは

本県スキー史上初の快挙である。この大会教員大回転2部に

出場した平山真は、2年ぶり2回目の優勝を成し万丈の気を

吐いた。

  3 社会体育の振興

 県民の体育・スポーツに対する欲求が高まり、市町村体育

協会等関係団体の活躍によって、スポーツが県民の日常生活

の中に定着しつつある。(財)県体育協会加盟種目競技団体

登録者83,000余名、スポーツ少年団登録者17,000余名、県総

合体育大会家庭バレーボール、壮年ソフトボールの県大会出

場者1,516名、スポーツ傷害保険加入者13万人(全国第4位)

等の数字は、本県の社会活動の充実を表すものである。

 このような県民の盛り上がりの中で、指導者の養成、各種

スポーツ大会の開催、各種大会県代表の派遣等を行った。オ

リエンテーリング講習会において76名の指導者がその結果、・

誕生したのをはじめ、各講習会を通じて指導者の資質向上等、

初期の目的を達することができた。また、県民スポーツ祭典

である第27回県総合体育大会には、13,000余名が参加する盛

況を呈し、第1回東北総合体育大会においては、馬術、ハン

ドボール、庭球、クレー射撃に優勝し本県スポーツ水準の高

さを示した。

 更に、スポーツ少年団においては、西ドイツに団員3名を

派遣し、西ドイツからは、団長以下17名の団員を本県に迎え、

国際交流に努めた。その他の各体育スポーツ関係団体におい

ても、それぞれ年間にわたって充実した活動を展開し、社会

体育の振興を図った。

  4 体育施設の整備

 県営体育館として3つめの、東日本一を誇る郡山体育館が

48年12月に完成したことを契機に既設の体育館を含め、地域

住民の高率的利用効果を図るため、運営管理の一切を当該市

町村に事務委託した。

 また南会津野外活動センター及び第29回国体スキー競技会

の猪苗代開催を機会に冬季スポーツ振興の目的で建設した猪

苗代スキーセンター並びにスキーリフトも、一般の人々の気

軽な利用に供するため財団法人県体育協会に管理を委託した。

 更に懸案の県総合運動公園の建設事業として、予定地の現

地測量(航空・地形)並びに地質・植栽などの調査を完了し、

建設への足がかりを固めた。

 なお、当該運動公園の管理運営に関する受託業務を行うた

め、本年6月に財団法人県総合運動公園を設立した。

 市町村の施設としては、水泳プール49ヵ所、体育館2ヵ所、

学校施設開放施設としては4ヵ所、高校柔剣道場を7高校に

新設した。

  5 学校給食の普及充実

 本年度の完全給食実施状況は、前年度と比較すると児童・

生徒数に対して小学校2.6%、中学校13.0%、学校数に対し

ては、小学校2.5%、中学校8.8%とそれぞれ上昇を示し普

及が図られた。

 しかし、中学校の実施率は小学校の実施率と比較すると著

しく低いので、今後なお一層、市町村、学校及びPTA等と

連携を密にして、地域の特性に応じた完全給食の実施を推進

し、「学校教育の一環」として学校給食が全児童・生徒に行

われるよう努力する必要がある。

 給食費については、1食当たり県平均小学校100円50銭、

中学校116円89銭で、前年度比約40%の増額が行われている。

しかし、本年度9月に給食用牛乳の値上げ等があって、下半

期における給食運営が非常に困難となり、年度中途で給食費

の増額改定を行い、食事内容の確保に努めた学校等が生じ、

経済的には前年度と同様困難な年であった。

 本年度の事業概要の第一は、良質、低廉な給食物資を給食

実施校等に供給し、給食費の父兄負担増加等の抑制を図るた


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