教育年報1975年(S50)-269/303page
福島県教育センター
第1節 概要
福島県教育センターは、本県教育の充実と振興を図るため
県内の教職員の研修と調査研究を行う場として、また、教育
関係の情報を提供する機関としての役割を果すため、昭和50
年度は、次の事業を進めてきた。
(1)教育関係職員の研修
教育センターで行う研修講座は、教職員の資質の向上を図
るために、県教育委員会が行う研修計画のうち、学校経営、
各教科、情報処理教育及び教育相談に関するもので、本年度
は44講座を開設し、受講者2,122人全員が宿泊研修を行った。
(2)教育に関する調査・研究
児童・生徒の学力・行動の質的な向上を図るために、当面
する教育的課題及び学校現場における教育実践上の問題をと
りあげ、学校経営に着目した「学校経営改善に関する研究」
児童・生徒に着目した「児童・生徒の学習能力の発達に関す
る研究」、及び学習成果に着目した「診断標準学力検査問題
の研究」などを進め、それぞれの成果を紀要として公刊した。
(3)情報処理教育に関する研修及び実習
教育センターに設備されている中型電子・計算機及びNC工
作機械を使って情報処理教育講座を開設し、105人が受講し
たほか、高等学校教員延786人の自主研修を受入れ、更に生
徒延2,615人の実習が年間を通して行われた。
(4)教育相談事業
幼児・児童・生徒の教育上の問題について、学校または親
からの相談に基づき、専門家の臨床心理学その他の科学的理
論や、遊戯・観察によって治療・矯正・指導を行い、解決へ
の援助に努めた。
(5)教育に関する図書・資料の作成及び収集、活用
教育に関する図書及び資料の収集を行い、これを整備・保
管し、その活用を図るとともに、研究成果のあっ旋、提供を
行って、学校や教職員の研究活動の援助に努めた。
第2節 教育研究
1 学校経営改善に関する研究
(1)研究の視点
学校経営は、教育効果を高めるために必要な組織、並びに
運営に関する広範な内容のものである。しかしながら、本年
度は、学校経営の中核である教育活動、及び教師の研修につ
いて主にとりあげ、それらに関する基礎資料の提供や、これ
までの継続的は検討を行った。
(2)研究の内容
1)協力教授組織に関する実態の調査
2)協力教授に関する年間指導計画並びに、授業過程の役
割分担・協業についての実践研究
3)現職研究に関する追跡調査研究
4)現職研究に関する追跡調査研究
(3)研究概要
1)協力教授組織の実態調命
現在各小学校で実施されている教授組織の現状を調査
して、問題点や今後の方向をとらえ、本県がこれまで進
めてきた、協力教授の研究を、現場の実情に対応して、
巡められるよう意図した。
・調合対象・・・本県公立小学校全校(除く分校)
・調査項目と概要
ア 教授形牲とその実施状況
学級担任制以外の実施形態、実施教科、実施学年
相当教師、年間指導計画について、その実性をおさ
え、各項目ことの特性を考察した。
イ 第5学年のサンプリング調査
第5学年を抽出して、教授形態を類型的にとらえ
諸要素ことの実態を分折検討して、特徴をは握した。
ウ 教授組織に対する意見と問題点
実施の基盤となる管理職者の考え方、並びに実施
上の問題点をとらえ、その解明のための基礎資料と
した。
研究成果については、「研究紀要」をもって報告した。
2)実践的研究
実験学校2校(福島市立吉井田小学校、安達町立下川
崎小学校)を委嘱し、前年度までの研究を継続発展させ
「体育科の合併教授形聾による教師の分担・協業のあり
方」並びに「近接学年合併教授の年間指導計画の改善」
を主に実践研究を試みた。研究資料は「所報」によって
報告した。
3)校内現職研修の追跡調査と研究
前年度の調査資料をもとに、研修組織、内容、方法並
に研修の機会、学年会業務内容、教科部会業務内容、さ
らに個人研修の内容について、データーの検討を進めた。
また、一部学校を対象に訪問聴取を行い、えられた、事
例的資料を参考にして、校内現職研修について、理論的
検討を進めた。
2 教科における学習能力の発達と授業に
関する研究
(1)研究の視点
この研究は、児童、生徒の学習能力開発の一環として調査
研究したものてある。児童、生徒の学習能力が授業を進めて
いく中て、どのような形成過程をとるかを明らかにし、より
効率的な指導方法の開発を進めようとするものであり、本年
度は、その第1研究段階として、学習能力の実態究明にあた
った。
(2)研究内容と方法
小学校の3教科(3年社会、5年音楽、5・6年家庭)を