教育年報1975年(S50)-270/303page

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対象にして、主として調査と実際の授業の両面から、既有

 の能力、学習中の思考の変客などの実態はあく、並びに能

 力測定の方法を試みた。

 (ア) 前提能力の調査測定の方法と調査(音楽・家庭)

 (イ) 授業場面での思考の形成過程   (社会・家庭)

 (ウ) 前提能力調査と研究協力員による実証授業

(3) 研究の概要

(ア) 問題解次過程における、児童の思考の流れをとらえ、

  指導法や展開方法を研究するための、基礎資料をえた。

  ・ 具体的に実証授業で、社会事象を観察したり、思考を

   したりする時に、要因の関連づけや拡がりがどう変化

   していくか。

  ・ 資料や学習形態が、思考の発展とどんなかかわり方を

   しているか。

 (イ) 児童の前提能力をは握するため、その調査測定法の吟

  味と実際調査を行った。その結果から、教科領域の能力

  特性をとらえ、指導の展開方法や個別指導の方法を吟味

  した。

  ・ 音楽科の前提能力を測定する手順、内容、方法測定問

   題の吟味検討

  ・ 前提能力の測定実施と領域別問題点や全体的傾向の考

   察

  ・ 個人別能力のとらえ方と指導の手がかりの発見

 (ウ) 前提能力の調査ならびに授業実践から、学習過程にお

  ける、思考のつまずき、及び前提能力と学習目標とのず

  れをおさえ、それを解決するための学習プロセスの解明

  にあたった。

  ・ 被服、食物、住い、家庭の各領域に関する調査結果及

   び製作の基礎技能の検討と、その学年的発達の傾向。

  ・ 授業の具体場面における、思考の傾向や変客

 3 福島県診断標準学力検査問題の研究

(1) 研究の視点

  全県的な視野にたって、学校、学級の学習指導の状況及

 び、児童・生徒の学力の実態をとらえ、学習指導改善の資

 料として役立てることを目的として、信頼性・妥当性の高

 い検査問題としての内容と構成の吟味を行った。さらに、

 中学校の検査結果をもとに、教科指導上の問題点や指導対

 策について、吟味検討を行った。

(2) 研究内容と方法

 (ア) 小学校

  ・ 第4学年、第5学年、第6学年の国語・算数の問題を

   あらたな観点で作成

  ・ 予備テストの実施

 (イ) 中学校

  ・ 本年度は前年度に引続き、中学校第3学年国語本テス

   トの実施

  ・ 中学校第3学年用の「検査手引き」の作成

  ・ 中学校全学年の5教科(国語、社会、数学、理科、英

   語)の診断結果に考察を加えて報告

(3) 研究概要

 (ア) 小学校学力検査問題の作成

  ・ 検査の実施時間の短縮を図り、かつ信頼性と妥当性の

   高い問題の内容と構成について、作成委員(19名)を

   委嘱し研究にあたった。

 (イ) 小学校の検査問題吟味のため、標本検査を実施して研

  究にあたった(7校600名)

 (ウ) 中学校第3学年国語の問題内容と妥当性を主に、本テ

  ストを実施し、データー処理と考察した。

 (エ) 中学校第3学年の学力検査の実施に供するため、検査

  のねらい、実施方法、結果の処理について検討を加え、

  「手引き」にまとめた。

 (オ) 中学校全学年にわたる5教科について、本テストで得

  られたデータをもとに吟味考察にあたった。

  ・ 全県的視野にたって、各問の正答率や偏差値の吟味、

   問題ごとの陥没点や問題点の考察と解明にあたった。

  ・ 各学校における教科指導上の問題や指導上の手がかり

   を究明し、その成果を「診断標準学力検査報告書」と

   してまとめた。 (中学校全学年、5教科)

 4 教育相談の基礎的研究

(1) 研究の目的

  本県公立幼稚園における各種心理テストの実態と心身障

 害児の実態をは握し、今後の幼児教育に最も適した方法な

 どを研究していくことを目的として実施した。

(2) 調査の方法

 1) 調査対象

   県内の公立幼稚園185園を対象にした。

 2) 調査内容

   調査は、幼稚園で実施している各種心理テストの実態

  をは握し、さらに、発達遅滞児や情緒障害児の実態を調

  査する。今後心身障害児をどう指導することが最も望ま

  しいか、幼稚園教師の考え方を調査の内容とした。

  ア、 知能テスト及び性格テストの実施状況

  イ、 発達遅滞児の主な行動傾向

  ウ、 情緒障害児の主な行動傾向

  エ、 心身障害児に対する配慮

 3) 質問紙法とし、各公立幼稚園より直接回答を得た。

(3) 集計・分折の考察

 1) 知能テスト及び性格テストの実施率は極めて低い。

 2) 発達遅滞児の問題行動として、次のことが多く指摘さ

  れた。

  ○ 長続きせずあきやすい。 ○ いつもぽかんとしている。

  ○ 指示にしたがえず自分勝手である。 ○ 遊びなかまに

  はいれない。

 3) 情緒障害児の問題行動としては、次のことが多くあげ

  られた。

  ○ 耳が聞こえているのに言語が非常に未発達である。

  ○ 知的に遅れていないが集団に入れない。  ○ 爆発的に

  乱暴になる。 ○ 家では話すが園では話さない。

 4) 心身障害児に対し、配慮することとして次のことが回

  答された。アンケートの多い順にみると、

  ○ 集団生活にとけこませ、遊び仲間をつくる。

  ○ 専門機関と相談する。


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