教育年報1975年(S50)-279/303page
福島県立図書館
第1節 概要
昨今はいわゆる情報化社会といわれ各種の情報と絶えざる
接触を余儀なくされている。また、生がい教育の必要性が強
調され、余暇時間の活用等、今日ではこれらの社会的状況に
即応すべく図書館の役割は従前にも増して重要視されてきて
いる。
このような社会の動きに対して情報提供の機関としての図
書館はいかにあるべきか、その運営面にも情勢の先達となれ
る生きた図書館づくりを考えていく必要がある。
本年度は、これらを踏まえながら次に掲げるものについて
特に意を用い、図書館活動の強化を図った。
(1)図書館資料の質的充実
(2)調査相談機能の充実と奉仕活動の強化
(3)移動図書館の効果的運用
(4)親子読書文庫の充実
(5)読書普及活動の推進
なお、県立図書館としての施設設備、環境面などについて
も、すでに検討を加える時機にきているので新館建設につい
ては、今後とも諸情勢を考慮しながら前向きに推し進めてい
きたい。
1 図書館協議会
図書館法に基づき設置するところの図書館協議会委員につ
いて、本年度は下記のとおり委嘱され、図書館の運営その他
について意見等を求めるなど、協力を願った。
県立図書館協議会委員 任期(昭和50年6月 昭和52年3月)
氏 名 役 職 名 赤津千町 県立福島女子高等学校長 菅原仁 福島市立信陸中学校長 佐藤清子 田村郡婦人会連絡協議会長 長谷川次男 喜多方市中央公民館長 辺見正治 福島市教育委員会教育長 小林忠道 福島市社会教育委員 高橋清 NHK福島放送局長 高山聡 県信用保証協会専務理事 佐藤俊夫 県地方労働委員 大野雅人 県議会議員
第2節 整理事務
本年度は蓄積された未整理図書の整理を極力推し進めるこ
とに心がけ、購入冊数を上回る整理を行い得た。
1 一般資料の収集
(1)一般資料の収業
月2回にわたって館内収書委員会を開催し、収書にあた
った。特に前年度診断を実施した語学部門については、大
半購入することができ、面目を一新した。
(2)郷土資料の収集
県内において出版された資料については、その寄贈が漸
く円滑になってきており、内容の如何を問わず蓄積される
ようになったことは、喜ばしい。特に行政資料について庁
内各課との協力がスムーズにとれ、県内各地のものが、各
分野にわたって集ってくるようになった。今後更に各方面
の配慮をお願いするものである。
(3)資料の受贈
県内外を問わず、個人、団体等からの寄贈も年々多くな
り、その取捨選択に頭を痛めるほどであるが、市販されな
いものであり、将来何らかの機会に貴重な資料となること
は明らかであり、たとえパンフレットの如きものであって
も保存すべく心がけている。
2 図書館資料の整備
(1)蔵書の検討
今年度の図書選定は“哲学部門”について実施した。委
員は次のとおりてある。
(哲学部門)
氏名 職名
明珍昭次 福島大学教官
内田詔夫 〃
菊地章 〃
堀孝彦 〃
川村安太郎 元 〃
小林喜成 牧 師
哲学部門は哲学一般の外に心理学、論理学、倫理学、宗
教各般にわたっており、それぞれ各分野について綿密な診
断を願い整備すべき図書のリストアップされたものについ
て、明年度において入手する。
(2)蔵書目録の刊行
昭和49年度に収集された4,935冊について増加目録を刊
行ずることになるが、冊子目録としての利用価値から年度
の外に、各部門ごとの目録を刊行する必要が生じてきてい
ると考えられる。
(3)資料の受入・整理状況(昭和50.4〜51.2)
受入図書冊数 5,990冊
内訳 {購入 2,712冊 寄贈・編入 3,278冊