教育年報1976年(S51)-267/309page

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福島県教育センター

  第1節 概     要

 福島県教育センターは、本県教育の充実と振興を図るため

県内の教育関係職員の研修並びに教育に関する専門的・技術

的事項の調査研究を行う場として、また、教育研究のための

図書及び研究資料センターとしての役割を果すため、昭和51

年度は次の諸事業を進めてきた。

(1) 教育関係職員の研修

 教育センターで行う研修は、教育関係職員の専門的職能と

資質の向上を図るために、県教育委員会が行う研修計画のう

ち、学校経営、各教科、教育工学、特別活動、情報処理教育

及び教育相談に関するもので、昭和51年度は50講座を開設し

受講者2,526人が全員宿泊して研修を行った。研修講座は、

講義・協議・演習・実習・観察・実験等を通じて専門的内容

を深めるとともに、宿泊研修によって相互の実践体験を通じ

親和を深め合い成果をあげる。

 また、義務教育課、高等学校教育課、保健体育課の主催に

よる各種の研修会等が32回行われ2,668人が教育センターの

施設を利用して宿泊研修を行った。

(2) 教育に関する調査研究

 本県の当面する教育的課題の解決及び学校における教育実

践上に役立つ問題をとりあげ、学校経営に着目した「学力の

向上を図る学校経営改善に関する研究」、児童・生徒の能力開

発に着目した「児童・生徒の学習能力の発達に関する研究」

及び学習成果に着目した「診断標準学力検査問題の研究」と

「学習指導の改善に関する研究」などを進め、それぞれの研

究成果を報告書(紀要)として刊行し、各教育機関・学校等

に配布して普及を図った。

(3) 情報処理教育の研修及び実習

 情報化時代に対応し、高等学校における情報処理教育の推

進を図るため、教育センターに設備されている中型電子計算

機(コンピュータ)及びNC工作機械を使って教職員を対象

に情報処理教育講座を開設したほか、自主研修延168人を受

入れ、さらに商業科・工業科・普通科(数学)の高等学校生

徒延3,062人の実習が年間を通じて行われた。

(4) 教育相談事業

 幼児・児童・生徒の教育上の問題について、学校及び親か

らの相談に基づき、専門家の臨床心理学やその他科学的理論

方法(遊戯療法、カウンセリング等)によって指導、矯正、

治療を行い、解決への援助を図ってきたが、相談件数は前年

をはるかに上回って年間延786人に達した。

(5) 教育図書・資料の収集・整理及び活用

 教育に関する情報センターとして、図書及び研究資料を各

研究機関、地域、学校等から広く収集し、これを整理・保管

して、研修生を中心にその利用に供したほか、研究報告(紀

要)・所報等の研究成果を提供して、学校や教育職員の研究活

動の援助に努めた。

 第2節 教 育 研 究

 1 学校経営改善に関する研究

(1) 研究の視点

 学校経営は、年々その内容が高度化し、機構も複雑になり

加えて児童・生徒の質的変化も著しい。本年度は昨年度に継

続し、学校経営の中核である教育活動、及び、現職研修につ

いて主に取り上げ、それらに関する研究資料の提供や検討を

行った。

(2) 研究の内容

 1) 協力教授に関する年間指導計画並びに、学習集団の再

  編成と教師の役割分担・協業について、授業を通しての

  実証的研究。

 2) 現職教育に関する調査研究

 3) 道徳教育に関する研究

(3) 研究概要

 1) 協力教授に関する実践研究

   実験学校2校(福島市立吉井田小学校・安達町立下川崎小学校)

  を委嘱し、前年度までの研究を継続発展させ

  協力教授組織による体育科学習指導計画を作成し、「体育

  科の合併教授形態による教師の分担・協業のあり方」並

  びに「近接学年合併教授の年間指導計画の改善」を主に

  実践研究を試みた。

 2) 校内現職教育に関する調査研究

   学校経営の目的を達成することは、一人一人の教師の

  教育力に依存し、校内における現職研修が教師の指導力

  の伸長に大きな役割を果たしていることは論をまたない。

  校内における現職研修を組織し効果的な運営を推進する

  ために、学校経営の責任者である校長の適切な指導助言

  と、所属職員の理解協力は必須の条件と考えられる。前

  回の「現職研修に関する調査」に続く調査研究として、

  今年度は校長の指導助言を中心とした現職教育のあり方

  に焦点をあて、下記の要領で研究を進めた。

  ・ 調査対象…学校が計画し実施している校内研修、

  ・ 調査範囲…県下小・中・高校の校長及び教員より地区

   別に標本抽出

        小学校200校 校長200名 教員803名

        中学校100校 校長100名 教員452名

        高等学校40校 校長40名

  ・ 調査分析の視点・・年代別・性別・学校別

  ・ 調査内容

   ア 校長が現職研修として指導助言をする内容

   イ 教員が現職研修として指導助言を受けたいとする

    内容

   ウ 校長が現職研修を促進するために実施した条件整

   備

   オ 校長と教員の相互理解


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