教育年報1976年(S51)-279/309page

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 の紀要・研究報告書等で931冊の供与を受けた。

  教科書については、本年度展示会に出展された小学校と

 高校の教科書250冊が収集できた。

  教育関係定期刊行物(月刊誌)は購入および寄贈により

 60種整備できた。

  これらの整理は、図書はNDC、教育資料は原則として

  「都道府県指定都市研究所長協議会」が作成した「教育資

 料分類基準」により分類し、配架した。

(2) 教育図書・教育資料の利用

  本年度の利用者は、研修生をはじめ県内教職員と学生等

 外来利用者延1,000名であった。

  教育図書については、1回、2冊、3週間を限度として

 貸出し、教育資料については、冊数の制限はしていない。

  このほか、本年度は高校の記念詩編さん事業のため、教

 育史関係で収集した資料の活用が多かった。

  また、教育資料については、本年度分の件名目録を作成

 し利用者の便に供した。

(3) 教育センター所報の発行

  本県教育の質的向上を図るため、当センターにおける研

 究および研修の成果ならびに教育思潮や教育内容等を中心

 に編集し、第26号〜第30号を刊行した。

 2 教育資料の刊行

(1) 学校経営改善に関する研究

  学校経営の中の教育組織について、本年は協力教授に関

 する指導過程の役割分担・協業について、授業を通しての

 実践研究に基づき、教授組織改善のため一方策について述

 べた。

  また現職教育の研究については、校長の指導助言を中心

 として、校内研修の役割とその実態をとらえ、校長の効果

 的な指導助言上の問題点を究明した。

(2) 教科における学習能力の発達と授業に関する研究

  児童・生徒一人一人を大切にし、落ちこぼれを作らない

 教育、個性と能力に応じた学習指導にねらいをおき、教科

 学習における児童の能力の形成過程に視点を当て調査研究

 をした。

  内容は次の通りである。

 ○ 小学校国語科・社会科・算数科を対象とした。

 ○ 授業における学習状況とつまずきの診断

 ○ 学習における児童の前提能力は握のための、調査と授

  業の展開

(3) 福島県診断標準学力検査問題に関する研究報告書

  本県の小学校第6学年における、国語科・社会科・算数

 科・理科の4教科について、中学1年生を対象として行っ

 た調査結果をまとめ、県下各小学校における今後の教科指

 導に関する資料を提供するものである。

  主な内容としては次のとおりである。

 ○ 領域・分野における得点や誤答傾向から、各領域ごと

  の理解の状況を知り、思考の様相を診断的にとらえた。

 ○ 本県児童の現有学力の問題点から、指導改善の手がか

  りとなる情報と資料

(4) 教育相談の基礎的研究報告書

  昭和51年11月下旬、福島、郡山、会津若松、いわきの4

 市より、各3校の小学校を抽出し、両親および教師が持つ

 児童観、しつけに関する悩みや問題点等の実態を調査した。

 この調査のねらいは、子供に対するよりよいしつけとはど

 んなものか、またよりよい教育とはどんなものかを知る手

 掛りとすることを目的として実施した。本調査の子供の実

 態は、おとなからみた子供ということもあって、真に子供

 の心をとらえているとは、言い難いかも知れない。しかし

 両親と教師が子供のしつけや教育について、共通した悩み

 や問題点のあることを知るとともにこれを分析・集計した

 ものである。したがってじゅうぶんに役立つ基礎資料と考

 えている。

(5) 学習指導に関する研究報告書

  県内の各学校における学習指導の参考として、教育セン

 ターの諸事業の中から研究の一端を提供する。

 主な内容は次のとおりである。

 1) 単語の意味を広げさせる指導に関する一考察

  、小学校国語科において、「基本語い」が豊かに身につくこ

  とを願い、その指導体系と基本動詞の系列を調べたもの

  で、指導の一般化をはかる前段階の手がかりであ。

 2) 文学的文章の読みとりに関する研究

   童話や民話を経験することの多い小学校低学年の児童

  に、文章に興味をもち想像力をもって正しく読みとるこ

  とをねらったものである。

 3) 実験教材としてのヒヨコの活用

   指導資料として、身近かなものを実験教材として活用

  し、その目的を果たしうることを示したものである。

  (高校教材)

 4) 食品の調理性に関する指導資料の研究

   中学校の揚げ物学習を取り上げ、食品のもつ性質を理

  解し、その科学的な作り方を理解させることの必要さを

  述べたものである。

 5) 情報化社会と情報処理教育

   情報処理教育の原点に立ちかえり、その認識を深める

  ことをねらったものである。

 以上は、紀要29号とし、B5版100ページにまとめた。

 第6節 情報処理教育生徒実習

 1 中型電子計算機の実習

 近年、電子計算機の利用を中心とする情報技術の進展は、

産業経済界をはじめ、わが国社会の各分野に大きな影響を及

ぼし、いわゆる情報化社会が展開されつつある。

 そこで、生徒が将来、このような時代に主体的に対処して

いけるように情報処理教育を推進することが急務である。県

内の情報処理教育推進の核として設置された教育センターの

果たすべき役割は、今後ますます大きいものとなるであろう。

(1) 来所利用

  共同利用施設としての教育センターを授業の延長として

 利用する県立高校が年々増加の傾向にあることは喜ばしい

  なかでも、商業科、工業科などの生徒が多数利用してい

 るが、最近、普通科の生徒も増加のきざしを示しており注

 目に値する。                        


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