教育年報1976年(S51)-278/309page
2) 主な内容
○ 教育相談の問題点
○ 事例研究法
○ 適応性診断テスト
○ グループ・カウンセリング
○ ロール・プレーイング
○ 教育相談の進め方
3) 講 師
○ 福島県中央児童相談所心理判定員 内山清一
〇 桜の聖母短期大学助教授 樋口勝也
○ 教育センター担当所員
(3) 高等学校教育相談講座
1) 期日・人員等
ア 10月5日〜10月8日
イ 高等学校教員 20名
2) 主な内容
○ 学校における教育相談
○ グループ・カウンセリング
○ 交流分析と自律訓練法
○ 思春期の精神障害
○ 事例研究法
○ 心理診断法
3) 講 師
○ 福島大学教育学部教授 工藤正悟
○ 福島県精神衛生センター所長 上野文彌
○ 千葉県教育センター教育相談部長 向後正
○ 教育センター担当所員
第4節 教育相談に関する事業
1 幼児・児童・生徒・父母との教育相談
(1) 幼児および低学年児童が持つ問題行動の矯正治療には、
原則として遊戯療法を用いているが、ケースによっては、
絵画療法、行動療法等の心理療法を併用している。
(2) 高学年児童および生徒に対しては、カウンセリングを主
として用い治療に当たっているが、自律訓練法・自律療法
行動療法等も実施している。
(3) 父母に対しては、子供の持つ問題行動の治療矯正の効果
を高めるため、親子関係の改善、しつけや育児の正しいあ
り方を指導助言すると共に、その定着化を図るべく心理療
法を実施している。
2 教職員への相談・助言
(1) 来談した幼児・児童・生徒の問題行動の矯正治療の効果
を高めるために、それらの子供たちの担任教師と密接な連
絡をとり、指導助言の徹底と協力をお願いしている。
(2) 各学校現場に対し、来所した子供たちの学校での行動を
観察した資料の提供を依頼し、共に指導の方法を研究し合
うようにしている。
(3) 必要に応じて、幼児、児童、生徒の知能検査、性格検査
等の諸検査を実施し、その結果を学校に連絡している。
(4) 学校現場で生ずる教育相談に関する諸問題を理論的に研
究解明し、学校からの質問に答えている。
3 教育相談の実施状況
(1) 相談者の延べ人数
年度 幼児 小学校 中学校 高校生 一般 教員 計 昭和51年度 284 276 128 59 7 32 786
(2) 相談者の内容別延べ人数
年度/
内容別面 接 相 談 書信 電話 計 知能
学業性格
行動身体
神経進路
適正教育
一般昭和51年度 131 132 479 12 32 786
(3) 相談者の地区別延べ人数
地区別 県北 県中 県南 会津 南会津 いわき 相双 計 相談者教 655 102 6 13 0 6 4 786
(4) 教育相談の現状と課題
教育相談の来談件数が、年々増加していることは本来あ
まり望ましいことでないかも知れない。しかし、教育相談
の重要性が学校現場で認識され、子供の心にまで目が向け
られてきた結果、相談件数の増加につながってきたとすれ
ば、それは大いに意義があることである。なおその内容の
概要は次のとおりである。
幼児の相談では、自閉の主訴が最も多く、矯正治療の
過程を通じて、親と子の肌の触れあいと、母親の愛情に満
ちた話し掛けが、何ものにも勝るものであることを痛感し
た。
小・中学生の相談では、登校拒否の件数が依然として多
く、家庭のしつけの失敗一過保護、過干渉のしつけ一が
子供の自律性を阻害していることを再認識した。特に5月
の連休後等に断続的に欠席し、腹痛、頭痛、吐き気を訴え
る者については登校拒否の疑いを持ち、十分な観察と指導
が必要である。
高校生の登校拒否では、学業不振と精神的な不安が共存
している例が多いので、友人からの孤立化の排除に努める
配慮が最も大切である。
第5節 教育資料
1 教育資料の収集・整備
教育に関する専門図書および教育資料センターとしての機
能を果した、当センターにおける研究研修の充実発展と県内
各学校や地域における教育実践、研究活動をいっそう推進す
るため、教育図書および教育資料の収集・充実に努力した。
(1) 教育図書・教育資料の収集・整理・保管
教育図書については、本年度553冊の増加を図ることが
でき約1万5千冊の蔵書数となった。
教育資料については、特に県内各校の研究物の収集に努
力し、それらの研究報告書と全国各教育機関や研究機関等