教育年報1976年(S51)-281/309page
福島県立図書館
第1節 概 要
最近の社会の急激な進展に伴い、多様化、高度化する住民
の学習要求にこたえ、それに必要な知識や情報を提供する場
としての公共図書館の利用が見直されつつあり、図書館の果
たす役割は、利用者の拡がりとともに、さらに重要性を増し
ている。
これら利用者の期待と要求にこたえるべく、県立図書館と
しては、県内の資料センターを目ざして資料の整備充実を図
るとともに、館内一般閲覧業務の充実等、次に掲げる事項に
重点をおいて、積極的に図書館活動を行った。
(1) 図書館資料の質的充実
(2) 調査相談機能の充実
(3) 相互協力事業の推進
(4) あづま号の効果的運用
(5) 親子読書文庫の強化
(6) 読書普及活動の推進
なお、懸案の新館建設については、諸情勢を踏まえながら
実現を目ざして、さらに推進していきたい。
1 図書館協議会
図書館法に基づき設置するところの図書館協議会委員につ
いて、下記のかたに委嘱してあるが、図書館の運営その他に
ついて意見を求めるなど、協力をいただいた。
氏名 役 職 名 藤井勇 県立安達高等学校長 菅原仁 福島市立信陵中学校長 佐藤清子 田村郡婦人会連絡協議会長 長谷川次男 喜多方市中央公民館長 辺見正治 福島市教育委員会教育長 小林忠道 福島商工会議所専務理事 高橋清 NHK福島放送局長 高山聡 県信用保証協会専務理事 佐藤俊夫 県地方労働委員 大野雅人 県議会議員
第2節 整理事務
昨年度に引き続き、未整理図書の整理に意を注ぎながら、
小野崎文庫の受贈、更に福島信夫ライオンズ児童文庫、原町市
の東北建設株式会社からの寄贈等、受け入れ冊数は大幅に
昨年を上回った。
1 資料の収集
(1) 一般資料の収集
収集委員会においては、基本図書、参考図書を各部門に
わたって精選し、更に今まで比較的薄いと見られた産業部
門について蔵書診断を実施し、その充実を図った。
(2) 郷土資料の収集
市町村の編さんした各市町村史は大半がそろい、郷土史
研究に大いに利用されていることは喜ばしい。更にかくれ
た歴史、芸術、文学等に関する出版物も、年々寄贈される
量が増えてきていることは、県立図書館の存在、あるいは
使命といったことを県民が理解してくれていることの表われ
であり、今後各方面にPR方について、一層の協力をお願
いするものである。
(3) 資料の受贈
児童に読書習慣を身につけさせてほしいということで
福島信夫ライオンズクラブ(松崎猪之助会長)から50万円
500余冊、また原町市東北建設(太田豊秋社長)が創業百
年を記念して200万円の寄附があり、館内の児童室は面目
を一新することができ、また館外奉仕においては、新しい
読書活動の方向を見いだすことができた。
2 図書館資料の整備
(1) 蔵書の検討
産業のうち、いわゆる第一次産業部門については、資料
も少なく、また内容の変化が著しく、専門的な分野までは
手が回らないとしても、新しい情報を提供できることが、
公共図書館としての責務であり、専門家の手を借りて、診
断をし、資料のリストアップを依頼した。委員は次のとお
りである。(産業部門)
西山泰男 県農業短大教官 農業一般
大橋昭 〃 畜産業
小田島哲夫 県立福島農蚕高校教諭 林業
吉田肇 県農政部水産課技師 水産業
宮島宏志郎 福島大学教官 商業
今村秀夫 〃 〃
(2) 蔵書目録の刊行
昭和50年度に受け入れられた6,550冊について、増加目
録を刊行した。
(3) 資料の受け入れ、・整理状況(昭和51.4〜52.3)
前記の寄贈図書等のため、総数7,000冊を越えたが、目
録カードの作成を外注することによって、整理作業もスム
ーズに回転したことも特筆される。
購入 寄贈 編入 管理費 計
一般図書 2,620冊 2,154冊 174冊 2冊 4,950冊
児童図書 1,639〃 546〃 0〃 0〃 2,185〃
計 4,259〃 2,700〃 174〃2〃 7,135〃