教育年報1977年(S52)-049/357page
1 各地域の問題点
(1)県北地域
最近3年間の志願率は各年とも90%を超えており、
県内他地域に比べ高い志願率を示しているが、反面
収容率は低く、このことが進学率上昇を抑制してい
るものと考えられる。
将来も中学校卒業者数の増加が予想され、他地域
に比して低い収容率で推移すると見込まれるので、
この地域にあっては収容率の拡大を図る必要がある。
ただし、地域内の一部に志願率の低い地区がある
ので、この地区については「検討すべき点2」の施
策と関連して検討する必要がある。
(2)県中地域
最近3年間の志願率は80%台で推移しており県内
他地域に比べて志願率が低い地域である。しかし、
この地域内にあっても、志願率の高い地区と低い地
区とが見られ、低志願率地区がこの地域全体の志願
率、ひいては進学率の上昇を阻んでいるものと考え
られる。
この地域の将来の収容率は、90%を超える高さで
推移すると見込まれるが、地区によっては収容率が
依然として低いところもあり、志願率・進学率両面
の向上を図るために、「検討すべき点の2」の施策に
関するものとして検討する必要がある。
(3)県南地域
この地域は、おおよそ80%台という低い志願率で
推移して来ており、収容率も他地域に比べてかなり
低い。地域内において収容率の低い地区と高い地区
のあること、志願率の高い地区と低い地区のあるこ
とは県中地域とほぼ同様であるが、この地域の中学
校卒業者数の減少が予測され、今後の収容率が90%
を超える高さで、推移すると見込まれるので、この
地域の進学率向上に関しては、県中地域との関連を
考慮しながら施策を検討する必要がある。
(4)会津地域
この地域の志願率はかなり高いが、収容率も他地
域に比べて高い状況で推移している。
今後の中学校卒業者数の減少が見込まれる地域で
あって、収容率も100%を超えて推移するものと予
測される。
(5)相双地域
この地域にあっては、志願率はすでに90%に達し、
収容率もほぼこれに見合って推移して来ており、地
域内の中学校卒業者数の減少傾向も予測され、将来
の収容率も100%を超すものと見込まれる。
(6) いわき地域
この地域の志願率は90%を超えており、収容率も
高い状況にあるが、今後の中学校卒業者数が増減を
くり返す動向にあるので、それぞれの時点において
施策の検討が必要であると考える。
以上のことから、当面県北地域において、早期に収容
力の増大を図る必要があると認められるので、高等学校
を新設する必要がある。
2 県北地域に新設する高等学校の構想
(1)全日制の課程、普通科とすることが望ましい。
(2)6学級程度の適正規模の男子高校とすることが望
ましい。
(3)早期開設を推進し、できれば昭和55年度開校を目
指すことが望ましい。
(4)新設する地区は福島市とすることが望ましい。
(5)条件整備にじゅうぶん配慮すべきである。
(6)設置者については慎重な検討を要するが、県立と
することがおおむね適当であると考える。
付帯事項
1 新設する学校は、県民の理解と協力を得て、真
に住民の期待にこたえ得るものに育成する配慮が
必要である。
2 学校用地の取得は年々困難の度を増しているの
で、先行確保に努力する必要がある。
3 学校新設に当たっては、地域内はもちろん、全
県的な見地に立って、公私立の調和ある発展に配
慮する必要がある。
2 福島県産業教育審議会
(1)福島県産業教育審議会委員名
氏 名 公 職 名 現 住 所 備 考 油井賢太郎 福島県産業教育振興会理事長 福島市宮下町11ノ49 規則2条1項委員 倉島一郎 福島商工会議所副会頭 福島市花園町6ノ18 〃 高橋キヨ子 福島大学教育学部教授 福島市春日町9ノ20 〃 山田登 福島県農協五連会長 相馬市程田字朝日前 〃 古川洋一郎 県議会議員 会津若松市材木町2ノ12号 〃 鈴木健三郎 県立福島農蚕高等学校長 福島市伏拝字台田22 〃 根元虎雄 県立福島工業高等学校長 福島市森合字丹波谷地前2ノ1 〃 鈴木武満 県立福島商業高等学校長 福島市南沢又字南道1ノ13 〃 佐藤徳雄 県労協教育文化部長 郡山市熱海町熱海4ノ115 〃 及川利彌 福島県高教組執行委員長 福島市五老内町5ノ32 〃 友田昇 福島県総務部長 福島市霞町2ノ11 規則2条2項委員 小畠哲 福島県教育次長 福島市渡利字沖町137 〃 (2)会 議
第1回会議
1) 期 日 昭和52年10月31日(月)
2) 会 場 福島県庁西庁舎9階教育委員会室
3) 出席委員 10名
油井、倉島、高橋、古川、鈴木(健)、
鈴木(武)、根元、佐藤、及川、小畠
4)新委員紹介
古川洋一郎、鈴木武満、佐藤徳雄、
及川利彌