教育年報1977年(S52)-134/357page

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〔高等学校教育課〕

  1 指導行政の基本方針

 生徒一人一人の能力・適性・進路の希望に対応した教育指

導の充実を図り、調和のとれた人間の育成をめざして、学校

教育活動が活発に展開されるよう努める。

 昭和52年度は、昭和51年度の反省にたって、次のような重

点目標を設定してその達成に努めた。

 (1)それぞれの学校の実態に即した、魅力と特色ある教育

  課程の編成とその実践に努める。

 (2)指導内容の精選と構造化を図り、生徒一人一人を生か

  す指導方法のくふう改善に努める。

 (3)生徒指導の組織・体制を点検し、共通理解・同一歩調

  を基盤とした指導を展開する。

 (4)教職員の資質を高め、指導力の向上に努める。

 (5)科学技術教育、産業教育、情報処理教育の充実と施設

  設備の整備を図る。

  2 指導組織

 高等学校教育課長を中心に次の人員が一体となって、それ

ぞれの分掌に従い、企画・運営・指導助言に当たった。

    主      幹  1名

    主任指導主事  1名

    指 導 主 事 16名

     うち、駐在指導主事6名

 また、高等学校教育指導委員16名を県立学校教諭から各教

科別に委嘱し、指導活動の充実強化に当たった。

  3 学校教育指導の重点

 前記の基本方針に基づき指導の重点を次のように設定し、

指導の充実を図った。

(1)能力・適性・進路に応じた指導の徹底を図る。

 1) 教育課程研究集会を県内6会場において開催し、地域

  や生徒の実態に応じた魅力と特色ある教育課程の編成や

  それにかかわる諸問題を研究協議した。

 2) 教育課程研究会議を開催し、昨年に引き続いて生徒の能

  力・適性に即した学習指導のあり方と実際について研究

  し、指導資料を作成した。

 3) 教科指導全般及び生徒指導についての研究学校を指定

  し、教育指導の充実改善をすすめた。

 4) 授業時数の確保に努め、学校行事等の適正な計画実施

  を図った。

(2)生徒指導の充実強化を図る。

 1) 校内における指導組織体制を確立して、教職員の共通

  理解を深め、同一歩調による生徒指導を推進した。

 2) 生徒指導担当者研究協議会、その他各種研修会を開催

  し、指導力の向上を図った。

 3) 当面する生徒指導上の諸問題(喫煙防止、交通事故防

  止、男女交際指導)について、専門家や担当者による研

  究協議を行い(高等学校生徒事故防止対策会議)適切な

  指導対策の確立とその実践に努めた。

 4) 家庭における指導保護能力を高め、関係諸団体との連

  携を強めて地域ぐるみの生徒指導を推進した。

(3)生徒の能力・適性・希望等を正確には握して、進路指導

 の適正化に努める。

 1) 進路に関する情報や資料の収集と利用に努めた。

 2) 諸検査・諸調査の実施とその活用により個人の理解に

  努めた。

 3) 組織的・計画的に進路相談の充実に努めた。

(4)指導内容の重点化と教材の精選構造化をすすめる。

 1) 教科科目の目標を明確にとらえ、指導内容を重点化し

  て基礎学力の充実を図った。

 2) 教材の特性に即して指導法の多様化を図るとともに、

  学習指導の個別化に努めた。

 3) 学習効果を高めるための評価の方法について、研修し

  改善を図った。

(5)理科教育・科学技術教育の充実に努める。

 1) 基礎的・基本的な知識・態度の育成に努めるとともに

  探究の過程をとおして創造的能力の育成を図った。

 2) 施設・設備の整備充実と積極的活用に努めた。

(6)農業・工業・商業・家庭・水産教育において、職業人と

 して必要な創造的能力・実践的態度の育成を図るため、実

 験実習を中心とした学習指導の充実をすすめる。

 4 教職員の資質の向上と学校運営管理

   の充実

(1)現職教育の充実

 1) 校内における研修体制を確立し、計画的、継続的に充

  実した研修を実施した。       

 2) 研究会、講習会等への積極的参加を図り、研修効果を

  高めるよう努めた。

 3)自己研修を充実して、教職員としての能力が効果的に

  発揮されるよう努めた。

(2)学校管理運営の適正化

 1) 適切な学校の努力目標を定め、その到達度を客観的に

  評価できるよう努めた。

 2) 校務運営機構は、学校の規模に応じ、適切な運営とそ

  の機能がしゅうぶんに発揮できるよう研究をすすめた。

 3) 管理職者は適切な指導助言を積極的に行うように努め

  た。

 4) 諸表簿の処理と保管、設備・備品の管理と活用に努め

  た。

 5) 学校事務の責任分担を明確にし、正確、敏速、円滑に

  処理するよう努めた。

 6)各種調査報告については、厳正、的確に作成し、期限

  の厳守に努めた。

(3)勤務体制の確立

 1) 教職員の勤務内容を明確にし、その実績について客観

  的に評価できるようにする。

 2) 宿日直代行員の勤務体制については、厳正な指導をす

  るとともに、警備日誌の慎重な点検に留意する。

(4)使命感の高場

 1) 教育公務員としての使命感に徹し、規律と責任ある服

  務態勢を整え、教育能率の向上に努める。


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