教育年報1977年(S52)-327/357page
第4節 館 外 奉 仕
1 移動図書館「あづま号」の巡回
巡回奉仕については年度当初予定した巡回計画どおり実施
することができ、その利用冊数は85,580冊と昨年を約13,000
冊上回った。このことは各地域の公民館が公民館活動の一環
として読書活動の運営に力を注ぐところが多くなったためで
ある。ちなみに昭和48年には公民館として1,000冊以上利用
したところが8館であったものが、本年は25館になっている。
県立図書館が直接県民にサービスを行う方法にはおのずから限
界があり、公民館がこうした活動を着実に行うことによって
市町村立図書館設置の気運が生ずるものと考えられるので、
こうした取り組みのあるところには、県立図書館としても積
極的に援助を実施して行きたい。また昨年度から実施した図
書の「予約制度」により読みたい本は確実に入手できること
も利用増の要因となっている。
利用された図書の内容は、児童図書がその半数を占め、実
用図書、文学書、教養図書等となっている。 〔表10〕
また本年は昭和43年に購入した「あづま号」(3号車)は
10年10万kmを走破したので、新車に更新して1月から始動し
た。
2 親子読書文庫の推進
読書普及活動として今日最も普遍的な文庫活動は、もっと
大幅に推進すべきであったが、これに充当する図書がじゅう
ぶんでないために、1か所の増設にとどまり、従前までの20
か所に加えて21か所で実施した。ボランティア的主婦による
運営が3、公民館が1、他は小学校ということになったが、
小学校の場合は、授業その他諸行事等の関連もあり、その運
用は困難が予想されたが、校長はじめ、担当教員の熱心な指
導により、極めて効果的に運用され また詳細なデータが、
報告されるなど、図書館側が意図した以上の運用がなされた
ことは 喜ばしい限りであり、今後こうした読書普及活動に
ますます力を傾けるべきであると考える。
本年度実施地区は次のとおりである。
管内別 設置場所 設置年月 県北 国見町親子読書文庫 昭和47.10 〃 国見町立森江野小学校 49.5 〃 梁川町立五十沢小学校 49.5 〃 白沢村立糠沢小学校 52.5 県中 船引町立椚山小学校 50.5 〃 船引町立中山小学校 50.5 〃 天栄村立広戸小学校 49.5 〃 古殿町立大原小学校 51.5 〃 三春町オアシス文庫 52.5 県南 表郷村立表郷第四小学校 51.5 〃 塙町立高城小学校 52.5 〃 大信村立信夫第一小学校 52.5 会津 昭和村立野尻小学校 50.5 〃 北塩原村立裏磐梯小学校 49.5 南会津 下郷町立南小学校 52.5
管内別 設置場所 設置年月 南会津 只見町立朝日小学校 昭和52.5 相双 飯舘村立臼石小学校 47.10 〃 大熊町公民館 52.5 いわき いわき市四倉公民館 51.5 〃 いわき市ともだち文庫 51.5 〃 いわき市川部小学校 51.5 3 広報・普及事業
(1)館報「あづま」の発行
1) 編集方針
図書館の機能を県民に理解してもらうとともに、県内
の埋もれた郷土資料、図書館(公民館図書案)事情等を
県民に広報する。
2) 内 容
ア 特集記事
「数字に見る本県公共図書館の現状」 191号
「公民館図書室を考える」
その4 会津坂下町中央公民館長
仙波寛 191号
その5 石川町中央公民館長 長谷川慶信 192号
その6 矢吹町中央公民館長 幕田耕郎 193号
「現代社会と図書館」…県図書館大会講演要旨
お茶の水女子大助教授 小川剛 192号
イ 郷土再見
「仏陀を背負いて街頭へ」 安達正玄 192号
「残雪にまつわるファンタジー」県内の雪解象 193号
3) 体 裁
B5版 毎号8ページ、2,000部、年3回発行
4) 配 布 先
教育庁各課(所)、知事部局関係各課、市町村長、
市町村教育委員会、都道府県立図書館、県内図書館、
公民館 高等学校、読書団体、一般利用者等
(2)第25回福島県図書館大会の開催
1) 趣 旨
本大会も25回を迎え、とくにここ10年間は図書館の機
能も拡大し、図書館の存有意義も認識されるようになっ
た。この大会は 市民社会が、図書館に求めているもの
は何かをあらゆる角度から分析し、市民の期待に対応で
きる図書館づくりを考えようとするものである。
2) スローガン
市民の期待に対応できる図書館づくりを考えよう
3) 主 管
福島県立図書館
4) 主 催
福島県教育委員会、いわき市教育委員会、
福島県公共図書館協会、福島県読書推進運動協議会
5) 後 援
福島民報社、福島民友新聞社、NHK福島放送局、
福島テレビ、福島中央テレビ、ラジオ福島
6) 協 賛