教育年報1978年(S53)-233/372page
2) 登録審査会
期 日 会 場 鑑定数 不適格数 登録数 左の内訳 審査委員 刀剣 銃砲 5月25日 会津若松合同庁舎 264 10 254 249 5 平原、堤、武田 6月22日 いわき合同庁舎 91 9 82 75 7 平原、武田 7月27日 郡山合同庁舎 135 4 131 123 8 堤、武田 9月28日 福島県立医大 97 16 81 78 3 平原、宇井 11月16日 会津若松合同庁舎 165 7 158 147 11 宇井、堤、武田 12月22日 白河合同庁舎 86 0 86 86 0 堤、武田 1月25日 原町文化センター 90 5 85 79 6 平原、宇井 2月22日 県庁 114 9 105 101 4 平原、宗井 計 8 会 場 1,042 60 982 938 44 再交付件数
所有者変更届出件数
2 遺跡保証事業
(1)遺跡保護体制
諸開発に対応する遺跡保護体制の確立が要請されていた
が、県では、財団法人福島県文化センター事業第2部遺跡
調査課に4名の専門職員を配置し、その強化充実に努めた。
(2)史跡指定調査
1) 目 的
歴史上重要な遺跡の史跡指定を積極的に進めるため考
古学的調査による基本資料を整備する。
2) 調査対象
関和久遺跡(西白河郡泉崎村大字関和久、白河郡衙推
定地)
3) 調査指導
伊東信雄(東北大学名誉教授)
4)調査期間
昭和53年10月25日〜11月25日(延べ22日間)
5) 調査結果
郡衙の北辺を検出することを目的に調査を進め、その
結果、南辺を画する大溝より4町付近まで延びることが
判明した。また、その北半中央部から郡衙の一区画を区
画するらしい溝を伴った1本柱列及び四脚門が検出され、
昨年、検出した長大な建物跡はその一部であることが明
らかになった。
今年度の結果は、郡衙構造を考えるうえで重要で、今
後の調査が期待される。出土遺物は、土師器、須恵器、
瓦、灰釉陶器片等であった。
6)報告書
「関和久遺跡7」史跡指定調査概報(福島県文化財調
査報告書第71集、B5、40ページ)として刊行した。
(3)開発用地遣跡対策
1)分布調査
国営総合農地開発事業母畑地区内の踏査による分布調査
を実施し、さらに試掘調査により、遺跡の範囲、密度等
をは握し、事前協議の資料とした。また、国営総合農地
開発事業矢吹地区についても踏査による分布調査を実施
した。
2) 発掘調査
ア 県営伊達西部ほ場整備地内遺跡
本年度事業施行地域内に遺存する条里遺構の発掘調
査を実施し、旧畦畔の一部を検出し、以前の水田区画
を確認した。また、同地内の南林正寺遺跡の試掘調査
を実施し、その結果、工法変更による対応をすること
に協議が調い保存が決定した。
イ 国営総合農地開発事業地内遺跡
(財)福島県文化センター事業第2部遺跡調査課が主体
となって発掘調査を進めた。東村旅内古墳群、佐平林
遺跡、板倉前B遺跡、石川町達中久保遺跡の4遺跡を
対象にし、特に旅内古墳群は、高塚と横穴墓から構成
された後期群集墳で、37号横穴墓出土の鉄地金銅張馬
具は、県内に類例の乏しい優品であり、注目される。
群の造営時期は出土土器からみて、7世紀から8世紀
中葉にかけてと考えられる。
3)市町村主体の発掘調査への協力
記録保存のための発掘調査を実施した市町村に調査員
を派遣した。主な遺跡は、加倉古墳群(浪江町)、北台遺
跡(大熊町)等で、さらに、飯館村の要請で、真野ダム
建設予定地内の分布調査を実施した。
4) 開発機関との保存協議
国営総合農地開発事業母畑地区の事業施行に伴う埋蔵
文化財包蔵地の取り扱いについて、事業者側の東北農政
局母畑開拓建設事業所、県農地整備課との協議をし、分
布調査の結果に基づいて工法変更、設計変更等により遺
跡の保存を決めた。さらに、建設省東北地方建設局福島
工事事務所、東北電力株式会社等とも埋蔵文化財包蔵地
の取り扱いについて協議を重ねた。
(4)遺跡保護体制充実のための研修
1) 国の埋蔵文化財センターでの研修参加
ア 埋蔵文化財発掘技術者研修(一般課程)
7月24日〜8月26日
佐藤博重 ((財)福島県文化センター)
イ 埋蔵文化財発掘技術者専門研修(遺物整理課程)
鈴木重美(いわき市教委・社会教育課)
2)第6回福島県埋蔵文化財発掘技術講習会
8月10日〜12日、17日〜19日
参加人員 6人
実習場所 須賀川市役所、須賀川市上人壇遺跡
(5)埋蔵文化財保護の普及活動
1) ふるさとの考古資料展
文化財保護強調週間行事、東北新幹線関係遺跡出土品
を展示。
福島県教育委員会、郡山市教育委員会、日本国有鉄道主催。