教育年報1978年(S53)-319/372page

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福島県教育センター

  第1節 概     要

 福島県教育センター組織規則の一部改正(昭和53年4月1

日)により、事務部、経営研究部、教科教育部、科学技術教

育部、教育相談部の5部となり、事務部を除く4部は各部と

も、調査研究と研修に関する事業を行うことになった。

 昭和53年度は新しい組織機構によって、本県の学校教育の

充実と発展を図るため、県内における教育関係職員の研修並

びに教育に関する専門的・技術的事項の調査研究を行う場と

して、また、教育研究のための図書及び研究資料センターと

しての役割を果すため、次の事業をすすめてきた。

(1)教育関係職員の研修

  教育センターが行う研修は、教育関係職員の専門的職能

 と資質の向上を図るために県教育委員会が行う研修計画の

 うち、学校経営、教育研究法、各教科、特別活動、生徒指

 導、情報処理教育及び教育相談に関するものである。

  昭和53年度は86講座をもち、研修者2,113名が全員宿泊

 で研修を行った。

  研修講座は講義・協議のほか演習、実習、実技、観察、

 実験等の実践、体験を通じて専門的内容を深めるとともに,

 宿泊によって広い教育情報の交換、研修者の親和を深め合

 う機会を得て成果をおさめた。

  また、義務教育課、高等学校教育課、養護教育室、保健

 体育課等の主催による各種の研修会が36回行われ、3,137名

 が教育センターの施設を利用して宿泊研修を行った。

(2)教育に関する調査研究

  本県の当面する教育的課題及び学校における教育実践上

 の問題をとりあげて調査研究をすすめた。

  学校経営に関しては「学校経営の評価に関する研究」学

 習指導については「学習指導改善に関する研究」と学習の

 成果に着目した「福島県標準学力診断検査問題の研究」、ま

 た、小、中学校で行われている授業研究の実践に関する「授

 業研究の基礎調査」、教育相談の事例分折による「登校拒否

 に関する研究」などをすすめそれぞれの研究成果を紀要と

 して刊行し、各教育機関、学校等に配布し普及を図った。

(3)情報処理教育に関する研修及び実習

  教育センターに設置されている中型電子計算機及びNC

 工作機械を使用して情報処理教育講座を開設し、134人が

 受講したほか、高等学校教育延べ57人の自主研修を受け入

 れ、更に生徒延べ2,226人の実習が年間を通じて行われた。

 また、郵送による(メール方式)OMR利用は、延359人

 であった。

(4)教育相談事業

  幼児・児童・生徒の教育上の諸問題について、学校及び

 親からの相談に基づき、臨床心理学やその他科学的理論・

 方法(遊戯療法、行動療法、カウンセリング等)によって、

 診断、指導、治療、矯正等を行い、解決の援助を図ってき

 た。

  年間相談延べ件数は965件である。

(5)教育図書・資料の収集・整理及び活用

  教育に関する情報、資料を県内各学校に提供するため、

 教育図書、教育資料を広く収集し、これを整理、保管して

 当センターの研修者を中心にその利用に供した。

  また、教育に関する情報及び研究、研修の成果を所報、

 紀要等によって学校や教育関係者に提供し、研究、実践活

 動の援助に努めた。

 第2節 教 育 研 究

  1 学校経営改善に関する研究

(1)研究の視点

  学校経営の改善に関する研究においては、学校経営の評

 価は欠くことのできない課題である。近年、学校経営評価

 について教育現場の関心も高まり、研究的に試みられてい

 るが、その実際においては、研究機関から提案される評価

 試案が学校現場の実際にむすびつくところまでにいたって

 いないため、多くの問題点をもっている。

  このようなことから、学校経営評価に関する課題を設定

 し、学校経営評価の事例分析により問題の究明と研究資料

 の提供を行った。

(2)研究の内容

  学校経営評価の方法に関する研究

(3)研究の概要

 1)学校経営の概念に関する研究

  ○ 学校経営観についての理論及び学校経営の概念につ

   いての検討

 2)学校経営評価試案・基準等の文献集収と検討

  ○ 目的(意図)、内容、方法

 3)県内小、中学校の学校経営評価の実践事例の集収と検

  討

  ○ 調査事例  小学校6校  中学校4校

  ○ 調査内容

   ・ 学校経営評価の意図、領域区分、内容、方法、実

    施上の障害と問題点等

 4)学校経営評価の基本構想についてのまとめ

  ○ 調査事例からの研究問題と学校経営評価の基本構想

   とを明確にする。

    今年度の研究成果は「研究紀要」で報告した。

 2 授業研究と評価に関する研究

(1)研究の視点

  教育課程の改訂にともなって、授業の充実がより重要な

 課題となってきている。最近、教育実践の場では、授業を

 成立させているさまざまな動的要因を、いろいろな手順を

 ふんで、実証的・科学的に分析研究することにより、授業


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