教育年報1978年(S53)-320/372page

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 をつねによりよいものにしようとする授業研究に関心が高

 まり、学校をあげてこの研究に取り組まれているが、その

 実際においては、授業そのものの複雑な様相や限られた研

 究時間などのため、多くの問題点をもっている。

  このようなことから、この研究では、本県小・中学校に

 おける授業研究の実態や問題点を明らかにし、授業をより

 よいものにするための基礎資料を提供しようとした。

(2)研究の内容

  本県小・中学校における授業研究の実態

(3)研究の概要

 1) 主な調査内容

   「現職教育や教師個人の研究主題」、「授業研究の実施

  状況と問題点」、「授業改善のための研究・研修の方法」

  など。

 2)主な問題点

   「時間がとれないこと」、「研究授業の指導案の作成が

  難しいこと」、「授業のねらいが、どれだけ達成されたの

  かの判定が難しいこと」など

 3 福島県診断学力検査問題の研究

(1)研究の視点

  この研究は、継続研究事業であり、教育課程の改訂にと

 もない当教育センターの学力検査問題を全面的に改訂作成

 するものである。

  そのために、新教育課程にふさわしい検査問題であり、

 また、県内各校が自校の学力の実態をは握・診断し、教育

 課程の編成や学習指導の改善に役立つ検査問題となるよう

 に研究を進めた。

(2)研究内容と方法

 1) 福島県標準学力診断検査問題の研究

   ア 国語・算数科について、所員と小学校教員からなる

   研究委員会を構成し、新学習指導要領に基づく小学校

   4・5・6学年用の検査問題を作成した。

   検査時間は、国語・算数科ともに45分間であり、検査

   問題数は、国語50問、算数40問である。

    また、学力診断の資料として、「福島県標準学力診

   断検査問題の手引き」を作成した。

  イ 社会・理科について、所員と小学校教員からなる研

   究委員会を構成し、新学習指導要領に基づく小学校4

   5・6学年用の検査問題を検討した。

 2)福島県標準学力診断検査の実施

   社会・理科の検査問題の標準化のために、県内小学校

  15校を層化無作為2段抽出法により抽出し、検査を実施

  した。

  4 教育相談の基礎的研究

(1)研究の視点

  登校拒否の症状で来談する件数が増加している現況から、

 登校拒否児をどのように理解し、指導すればよいかという

 観点から研究を進めた。

(2)研究の内容

 1) 登校拒否をする子供のタイプ

 2) 登校拒否児と学業不振・不適応

 3) 行動療法による登校拒否児の治療的指導

 4) 高校生で登校拒否を起こした生徒の事例とその治療的

  指導

 5)登校拒否をする子供の母親の「エゴグラム」

(3)研究の概要

 1) 登校拒否をする子供のタイプ

   登校拒否の原因及び一般的な経過、学校における登校

  拒否の早期発見のための、長欠児童・生徒類型分類チェ

  ックリストについて解説した。

 2)登校拒否児と学業不振・不適応

   登校拒否児の性格特性及びその母親の養育態度につい

  て調査研究をした。その結果、登校拒否に結びつくのは、

  学業不振・不適応という事実から起こる強い欲求不満に

  耐えることのできない場合であることがわかった。

 3)行動療法による登校拒否児の治療的指導

   中学生の登校拒否児に対して、行動療法によって系統

  的脱感作を行い、不安を除去し、耐性を育てて、再登校

  にいたるまでの治療的指導を行った事例である。

 4)高校生で登校拒否を起こした生徒の事例とその治療的

  指導

   甘やかされ型に無気力傾向が加味された登校拒否の高

  校生に対して、自律訓練法の簡便法とカウンセリングに

  よって、心身のリラックスを図り、再登校にいたるまで

  の治療的指導を行った事例である。

 5)登校拒否の子供の母親の「エゴグラム」

   母親の自我状態を知るために、質問紙法によってエゴ

  クラムを実施し、登校拒否児の母親の性格特性を調査研

  究した。その結果、感情のレベルでのコミュニケーショ

  ンが取りにくく、子供をいい子に育てようといる傾向が

  強いことがわかった。

 第3節 教 職 員 研 修

 昭和53年度は、前年度におこなった教育センター内におけ

る研修の体系化と研修内容の改善計画をうけつぎ、教育庁各

課室、校長会等、関係機関との連けいのうえにたって研修事

業を計画した。

 その概要は次のとおりである。

1 研修講座の新設、編成がえ、講座数の増減はおこなわな

 かった。

2 研修講座の人員は、高等学校国語講座10名、情報処理教

 育講座FORTRANC上級)5名、同OR5名の減のほかは

 前年度と同数の定員で計画した。

3 内容の充実と研修の効果を高めるようにつとめた。

 (1)学習指導要領の改正の趣旨や内容についての研究をと

  り入れるようにした。

 (2)研修の形態には研究協議のほか、実技、実習、観察、

  実験、調査、演習等をとり入れる工夫をし、研修内容の

  充実をはかるとともに、研修の効果が高まるように努力

  した。

 (3)小学校の教科に関する講座には、小学校の学級担任制

  による全領域、全教科指導の現状にもとづき、教育工学


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