教育年報1979年(S54)-188/319page
資料収集事業も併行させる予定である。
(3)県文化センターの施設、設備の整備と機能の充実
昭和45年開館以来、県民の利用は年30万人、延べ300万人
にのぼっているが、漸次、施設設備、備品等が老朽化し機
能が低下していること、さらに使用者の高度化、多様化に
対応できないことから、長期整備計画を立て、特に多額の
経費を要する音響設備について、計画に沿って本年度より
改修に着手した。
また、開館以来、文化振興策の一環として、利用度を高
めるため施設使用料の増額改定を抑えてきたが、諸物価高
騰や投資経費の増大に鑑み、10年目の昭和55年度(10月1
日)より20%増額改定することとし、条例、規則の改正が
行われた。
自主企画事業は20件実施したが、全県に文化享受の機会
を提供することに努め成果を上げた。特に「少年劇場」は、
本事業開始以来最も多い9市1町で開催され、各市町の理
解ある協力で、生の舞台芸術鑑賞の機会を提供することが
できたことは、大きな成果である。
また、収蔵美術品として、雪村の作品を購入する等累計
414点となった。
3 文化の伝承の充実
(1)文化財保護体制の充実
各種関発事業の増加に対応し、昭和52年度に発足した(財)
福島県文化センター事業第2部遺跡調査課の職員を前年度
に引き続き増員し、埋蔵文化財の調査体制の強化を図った。
(現15名うち1名嘱託)
また、指定文化財管理(文化財パトロール)及び、文化
財管理指導経費の増額を図り、文化財の保護管理指導及び
重要遺跡の保全管理に努めた。
次に、市町村の文化財保護体制も積極的な促進が図られ
た結果、前年度県下全市町村で文化財保護条例が制定され
たのに続き、文化財保護審議会(又は専門委員)も全市町
村で制度化された。
(2)文化財指定の推進
文化財を保護するための文化財基礎調査をはじめ、指定
調査を積極的に実施し、県内に所在する文化財の実態を把
握するとともに、新たに20件を県指定文化財に指定した。
(3)文化財保存の充実
指定文化財等の保存修理、史跡の環境整備及び埋蔵文化
財の発掘調査等の事業に対する助成を行うとともに、国・
県営農用地開発に伴う開発地内遺跡の発掘調査及び東北新
幹線建設に係る遺跡の記録保存を図るなど、文化財の保存
の充実に努めた。
(4)文化財活用の促進
文化財に対する理解を深め、愛護思想の高揚を図るため、
第29同県民俗芸能大会を開催し、文化財保護強調週間(11月
1日〜7日)中は県庁屋上広報板による啓発を行い、文化
財防火デー(1月26日)にはチラシを作成し配付した。
また、ビデオカメラを購入、伝承、民俗芸能の記録保存
を図った。
さらに、昭和45年に発行した文化財読本及び同手引きの
改訂版を昭和55年度に発行する予定であり、その編さんに
着手した。
第2節 文化活動の促進
1 文化振興のための条件整備
(1)文化行政の推進
1) 市町村文化行政担当者会議
ア 日 時 昭和54年5月16日
イ 会 場 県庁西庁舎職員研修所講堂
ウ 参加者 111名
エ 内 容
(ア)文化行政重点施策の概要
(イ)文化課及び県文化センター事業説明
(ウ)講 演 「地域文化振興の視点」
講師 前国立福島工業高等専門学校長
佐藤光
2) 芸術文化懇談会
本県文化の将来への発展のために出席者より、提言を
求め、県民文化の振興並びに県文化行政推進の参考とし
た。
ア 日 時 昭和55年1月30日
イ 会 場 えびすグランドホテル
ウ 懇談事項
主 題 「参加する文化活動推進のために」
エ 内 容
(ア)出席者の意見発表
テーマ 「地域における住民文化活動の実態と文
化的環境等について」
(イ)研究・懇談
テーマ 「地域文化活動振興のために」
(ウ)出 席 者
武田守 宮崎十三八 幕田耕郎
松本松寿 小島秀雄 伊藤和衛
今泉修蔵 丹野清栄 柴田義一
須釜善勝 外島千春 馬場春一
宝玉義信 石河清 本多隼男
佐藤雅光 栗城正義 室井康弘
3)東北、北海道地区文化振興会議
ア 期 日 昭和54年9月4日(火)〜5日(水)
イ 会 場 札幌市教育文化会館
ウ 主 催 文化庁、北海道教育委員会
エ 内 容
(ア)第一日目
特別講演、部会討議、文化庁文化行政説明
(イ)第二日目
部会討議 全体会議
(ウ)部会及び参加者
地方文化行政部会41名、芸術文化部会17名、
舞台芸術部会26名、埋蔵文化財史跡部会23名、
民俗文化財部会15名
(エ)講師及び助言者
(ア)特別講師 大阪大学教授 山崎正和