教育年報1979年（S54）-205/319page

期　　日	会　場	鑑定数	不適 格数	登録数	左の内訳		審査委員
					刀剣	銃砲
9月25日	県庁	84	7	77	72	5	平原、宇井
11月27日	会津若松合同庁舎	130	2	128	124	4	平原、堤、武田
12月20日	白河合同庁舎	63	2	61	61	0	武田、堤
55年1月24日	原町合同庁舎	68	7	61	56	5	平原、宇井
2月25日	県庁	88	6	82	75	7	平原、宇井
計		756	35	721	687	34

　　2　遺跡保護事業

(1)遺跡保護体制

　　諸開発に対応する遺跡保護体制の確立が要請されていた

　が、県では財団法人福島県文化センター事業第2部遺跡

　調査課に新たに8名の専門職員を加え、その強化充実に努

　めた。

(2)史跡指定調査

　1)　目　　的

　　　歴史上重要な遺跡の史跡指定を積極的に進めるため考

　　古学的調査による基本資料を整備する。

　2)　調査対象

　　　関和久遺跡(白河郡衙推定地、西白河郡泉崎村大字関和久所在)

　3)　調査指導

　　　伊東　信雄(東北大学名誉教授)

　4)　調査期間

　　　昭和54年10月29日〜12月5日(延べ27日間)

　5)　調査結果(第8次調査)

　　　今年度の調査は、郡衙北半中央部の一本柱、溝に囲ま

　　れた地区の範囲及び性格を確認することであったが、一

　　本柱列、溝の西の延長と区画の中央線上に門及び土橋が

　　検出された。また、区画線の内部に官衙風建物跡の検出

　　をみた。

　6)　今後の対応

　　　発掘調査を進めるとともに国史跡指定にむけて村当局、

　　地権者ら関係者並びに関係機関と指定手続きを開始する。

(3)開発用地遺跡対策

　1)　分布調査

　　　国営総合農地開発事業母畑地区、矢吹地区、広域農業

　　開発事業阿武隈中部第1地区内の踏査による分布調査を

　　実施し、埋蔵文化財包蔵地の所在確認をし、さらに試掘

　　調査により、遺跡の範囲、性格、時代等を把握し、事前

　　協議の資料とした。

　2)　発掘調査

　　ア　県営伊達西部ほ場整備地内遺跡

　　　　本年度事業施行地域内に遺存する条里遺構並びに金

　　　谷館、阿津賀志山防塁二重堀の発掘調査を実施した。

　　　なかで、二重堀跡の調査で発見された下入ノ内遺跡か

　　　らは、5世紀後半に比定される須恵器や土師器が出土

　　　し注目される。

　　イ　国営総合農地開発事業地内遺跡

　　　　(財)福島県文化センター事業第2部遺跡調査課が主

　　　体となって発掘調査を進めた。石川町源平A、C遺跡、

　　　十三塚遺跡、須賀川市下小山田古墳、山田B遺跡、

　　　東村佐平林7区、8区遺跡、西原遣跡、谷地前C遺跡を対

　　　象に5月から10月下句まで調査を実施し、多くの新知

　　　見をもたらした。特に、谷地前C遺跡の玉髄、頁岩製

　　　の石器は旧石器の特徴を示し、また、佐平林遺跡から

　　　は鋒帯金具丸靹1点が出土しており注目される。

　3)市町村主体の発掘調査等への協力　　

　　　記録保存のための発掘調査を実施した市町村に調査員

　　を派遣した。主な遺跡は、熊川六丁目条里遺構(大熊田])、

　　天神原遺跡(楢葉町)、糠塚横穴墓群(鹿島町)、羽白遺跡群

　　(飯舘村)、柿内戸遺跡(郡山市)、尾野本条里遺構

　　(西会津町)、掘込遺跡(安達町)、小田口A遺跡(石川町)、

　　石橋遺跡(都路村)、小峰城跡(白河市)等で、さ

　　らに、喜多方市大沢北遺跡、原町火発予定地内遺跡、

　　西郷村道南遺跡等の試掘調査を実施した。

　4)開発機関との保存協議

　　　国営総合農地開発事業母畑地区、矢吹地区、広域農業

　　開発事業阿武隈中部第1地区、第2地区、さらに県営ほ

　　場整備事業等に関し、埋蔵文化財包蔵地の取り扱いにつ

　　いて、起業者並びに受益者と協議を行い、分布調査の結

　　果に基づいて工法変更、設計変更等により遺跡の保存を

　　きめた。さらに、建設省東北地方建設局福島工事事務所、

　　日本道路公団仙台建設局、東北電力株式会社、日本国有

　　鉄道等とも埋蔵文化財包蔵地の取り扱いについて協議を

　　重ねた。

(4)遺跡保護体制充実のための研修

　1)　埋蔵文化財センターでの研修

　　ア　埋蔵文化財発掘技術者研修(一般課程)

　　　　7月23日〜8月25日

　　　　大越道正((財)福島県文化センター)

　　イ　埋蔵文化財発掘技術者専門研修(遺物保存科学課程)

　　　　12月3日〜12月12日

　　　　玉川一郎((財)福島県文化センター)

　　ウ　埋蔵文化財発掘技術者専門研修(遺物整理課程)

　　　　昭和53年3月3日〜3月13日

　　　　長尾修(会津若松ザベリオ学園教諭)

　2)第7回福島県埋蔵文化財発掘技術講習会

　　　8月1日〜8月10日

　　　参加人員　12人(市町村文化財担当者、教職員)

　　　実習場所　石川町母畑公民館、石川町小田口A遺跡

(5)埋蔵文化財保護の普及活動

　1)　発掘調査報告書等の刊行

　　ア.母畑地区遺跡発掘調査報告4　イ.母畑地区遺跡分

　　布調査IV　ウ.関和久遺跡8　エ.東北新幹線関係遺跡

　　発掘調査報告書1　オ.東北新幹線関係遺跡発掘調査報

　　告書2　力.伊達西部地区遺跡発掘調査報告書　キ.会

　　津田島町寺前遺跡発掘調査概報