教育年報1980年(S55)-084/289page

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 4) 本県へき地学校の概要

   本県はへき地学校が多く、人事委員会指定、県へき地

  教育振興会指定のへき地学校を合わせると、県全体の学

  校数に対して、小学校は29.2%、中学校においては21.5

  %になる。さらに、県教育委員会指定のへき地校は、小

  学校17校、中学校5校あり、これを含めると本県のへき

  地学校は、県全小中学校の29.5%を占める

   へき地学校は会津地方、次いで阿武隈山系に分布して

  おり、その多くは小規模校と分校である

   児童生徒数についてみると、全児童、生徒数に対して、

  へき地小学校在籍児童数は6.9%、へき地中学校在籍生

  徒数は7.6%に当たる。また、教職員については、県教

  職員数の13.7%のものがへき地学校に勤務している現状

  である。

(2)へき地教育の振興策

  へき地の学校は、概して小規模校であり、かつ分校も多

 いため、複式学級が多い。従って教育条件の改善充実を図

 るとともに、へき地学校に優秀な教員を確保することが緊

 要である。

 1)へき地教育の人事行政

   「昭和55年度末人事に関する方針」1の(2)において、

  「教育の機会均等の理念に立脚し、学校差、地域差の是

  正につとめ、各学校の教職員組織の充実と均衡化及び教

  育庁職員組織の充実をはかる」ことを基本方針としてか

  かげ、これを受けて、昭和55年度末小・中学校教職員人

  事実施要領の二において交流のための区分を設定し、「す

  べての教職員を在職期間中に都市、平地、へき地等の勤

  務を公平に経験させる。」こととし、へき地と各地域間と

  の計画的な交流の推進を図った。

   また、へき地派遣制度によるへき地派遣、へき地学校

  勤務で優秀な実績をあげた者の管理職への抜てきなどの

  施策もあわせて実施した。

  ア へき地交流

   (ア)地域区分

     県内の地域区分を次のとおりとする。

    ○特A地域 旧4市(福島、郡山、若松、平)の学

     校

    ○ A地域 市、主要町村の学校

    ○ B地域特A、A及びC地域以外の学校

    ○ C地域 へき地の学校(人事委員会、へき地教

     育振興会、教育事務所の各指定学校)

   (イ)交流基準

    (ア)へき地学校勤務については次の基準による。

     ○教員については、その在職期間中に別表23によ

      る期間勤務する。

     ○昭和28年度以降採用者のうちで、へき地学校勤

      務の経験のない者については、計画的にへき地

      学校へ転出させる。ただし、へき地学校に勤務

      すべき該当者が少ない場合においては、採用年

      度にかかわらず計画的にへき地学校に転出させ

      る。これがため、当分の間はまず、昭和22年度

      から昭和27年度までの採用者であって、へき地

      学校勤務経験のない者及びへき地勤務経験の少

      ない者を重点的に考慮する。

    ○相当期間へき地学校に勤務し、都市又は平地の

     学校に転出を希望する者については、優先的に

     考慮する。

    ○会津ブロックより他ブロックに転出を希望する

     者については優先的にその転出を考慮する。

別表2
級別 教育事務所・へき地教
育振興会指定へき地
人事委員会指定へき地
特地準 1級地 1級地 2級地 3級地 4級地 5級地
勤務年数 4年以上 3年 以上 2年以上

別表8
会津ブロック外出
身者の会津ブロック
ヘき地勤務年数
へ き 地 級 地 別
教育事務所、へき地教育振興
会指定へき地、特地、準1級地
1級地以上
3 年 以 上 2年以上

昭和55年度へき地交流件数
転出入 へき地への転入件数 へき地からの転出件数
学校 種別 管 内 管 外 管 内 管 外
小学校 90 121 211 213 112 325
中学校 67 36 103 98 34 132
157 157 314 311 146 457

 イ へき地派遣制度

   へき地校勤務満了教員で、都市又は平地の学校に勤

  務する教員のうちから、成績優秀な中堅教員を厳選し

  て計画的にへき地学校に派遣し、その教育実践をとお

  してへき地教育振興に役立てるとともに、当該教育が

  相当期間勤務し、その勤務成績が良好の場合は、抜て

  き人事等の優遇措置を講ずることとした。相当期間と

  は3年以上である。

   昭和55年度末は特に東白川地区南会津西部地区を重

  点地区に設定し、教員組織の充実強化をはかった。

2)へき地学校教職員の経済的優遇策

 ア 旅費配分における優遇措置

   旅費の配分算定資料として、へき地学校の場合には、

  教員1人当たり5,000円の研修旅費を支給し、優遇し

  ている。

 イ 赴任旅費の支給

   4、5級の高度へき地の学校に赴任する新採用教員

  に対する赴任旅費を支給している。

 ウ へき地手当及びへき地手当に準ずる手当の支給

   人事委員会指定のへき地学校に勤務する教職員に対

  し、給料と教職調整額と扶養手当の合計額に、その級

  地に応じて、それぞれ4%、8%、12%、16%、20%、

  25%を乗して得た額が、へき地手当として毎月支給さ

  れる。

   また、このほかにへき地手当に準ずる手当として4%


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