教育年報1980年（S55）-085/289page

へき地学校長期勤務手当の支給がなされている。

　　なお、複式学級担当者に対しては、多学年手当を支

　給している。

エ　へき地教職員の特別昇給制度の実施

勤務年数 指定区分	1年以上 2年未満	2年以上 3年末満	3年以上 4年未満	4年以上
5級・4級	6月短縮	12月短縮
3級・2級	3月短縮	9月短縮	12月短縮
1　　　級	3月短縮	6月短縮	9月短縮	12月短縮

　3)へき地学校教職員の配置に対する特別措置

　　　へき地教育振興法第4条2項に「都道府県は、へき地

　　学校に勤務する教員及び職員の定員の決定について特別

　　の考慮を払わなければならない。」とあり、本県としても

　　へき地学校教職員の定数配置については、小規模学校補

　　正等の教員の配置及び養護教員、事務職員等の配置につ

　　いて特別措置を講じている。

(3)今後の問題点

　1)へき地学校の教職員の充実を図ること。

　　　へき地学校に勤務する教職員の年齢構成からみて、中

　　堅教員が少ない。このため、中堅教員(年齢別構成から

　　みて層がうすいのでなかなか困難ではあるが)を計画的

　　にへき地に配置していく必要がある。

　　　また、へき地検に勤務する教職員の優遇策や地元の受

　　入れ体制の整備充実にいっそう努力する必要がある。

　2)都市・平地とへき地との人事交流を推進すること。

　　　へき地勤務未経験者を解消するため、これまでも計画

　　的に平地、へき地の交流を推進してきたが、なお都市部

　　に未経験者が多い。今後いっそう計画的、広域的交流を

　　推進する必要がある。

　3)施設・設備の充実と学習指導法の改善を図ること。

　　　教育機器の導入、施設、設備、教材器具等の充実及び

　　複式学級教材構成資料(県版)の活用を図り、学習指

　　導法を改善し、教育水準の向上を図る必要がある。

　4)　福島県へき地教育振興会との協力を、いっそう強化す

　　ること。

　　　本県のへき地教育振興会は昭和25年県民の友愛精神か

　　ら発足し、以来20余年間の長きにわたり、へき地教育振

　　興のため多大の貢献をしてきた団体であり、今後とも更

　　に密接な連絡提携のもとに協力体制を強化し、へき地教

　　育の振興を図る必要がある。

　　第2節　学校教育

　　1　概　　　　要

(1)指導行政の基本方針

　　社会の急速な進展と県民意識の変化に対応し、「未来をひ

　らく、県民のための生涯教育」の実現をめざし、調和と統

　一のある教育課程に基づき、ゆとりあるしかも充実した学

　校教育活動の展開を図った。

(2)指導組織

　　義務教育課指導担当主幹、主任指導主事ほか11名の指導

　主事(うち1名は高等学校教育課勤務、他1名は県北教育

　事務所勤務)と、教育事務所指導課長、指導主事、市教育

　委員会指導主事及び指導委員によって、幼稚園、小学校中

　学校の指導に当たった。

教育事務所 指導区分	県北	県中	県南	会津	南会津	相双	いわき
指導主事数 (指導課長を含む)	8	9	6	9	4	6	8
市教育委員会 指導主事数	10	9	2	3	0	3	3
教科等指導委員数 (養護教育各1を含む)	9	9	9	9	11	9	8
生徒指委員数	3	4	2	3	1	2	2

(3)学校教育指導の重点

　1)一人一人の児童生徒の個性・能力の望ましい伸長と、

　知・徳・体の調和のとれた児童生徒の育成をめざし、教育

　内容の充実と指導方法の改善に努めた。また、中学校では

　新学習指導要領への移行措置の適正・円滑な実施に努めた。

　ア　学校教育の指導の重点を明らかにした。

　　　「学校教育指導の重点」「生徒指導の充実」「進路指導の

　　充実」「学校教育の推進」を「教育福島」によって示した。

　イ　中学校の新学習指導要領の趣旨徹底を図り、移行期間

　　における教育課程の適正な編成と実施に努めた。

　　（ア）中学校教育課程講習会を開催し、趣旨の徹底に努め

　　　た。

　ウ　小学校の教科主任に対し、各学校が編成した教育課程

　　の検討と運営改善について具体的な研修を行い、学習指

　　導要領の趣旨め徹底と教科経営の向上に努めた。

　　（ア）小学校教育課程運営改善講習会を開催」趣旨の徹

　　　底に努めた。

　エ　教育課程研究協議会を小・中学校教育研究会と共催し、

　　教育課程実施上の問題を研究し、改善充実に努めた。

　オ　研究学校を指定し,指導内容・方法の研究を重ね、そ

　　の改善に努めた。

　　（ア）教育課程研究指定校(小3中2校)

　　（イ）へき地教育研究指定校(小2校)

　　（ウ）勤労体験的学習研究指定地区(3地区、小7、中3

　　　校)

　カ　道徳教育(地区指定)、生徒指導の研究学校を指定し、

　　指導の充実と徹底に努めた。

　　（ア）道徳教育推進地区(2地区、小10、中2校)

　　（イ）生徒指導研究指定校(中3校)

　　（ウ）進路指導研究指定校(中2棟)

　キ　指導職員の研究協議会を行い、指導の充実に努めた。

　　（ア）指導職員研究協議会(2回)研修講座(1回)

　　（イ）指導課長会(3回)

　2)教職員の資質と指導力の向上に努めた。

　　ア　教職員研修の充実に努めた。

　　　（ア）新任教員研修会、教職経験者研修会、中堅教員研