教育年報1980年(S55)-149/289page
社会教育
第1節 社会教育一般
1 概 要
社会構造の激しい変化が進んでいる今日、県民一人ひとり
が生涯にわたり豊かな生活を創造するため、各自がその生涯
の各時期に応じて、新しい生活課題や学習要求をもち、自己
啓発的活動を行う機会の充実に努めることは一層必要となっ
ている。
そのため、多様化する県民意識や学習要求を的確に把握し
地域活動を中心とする各種の学習活動を充実するとともに、
市町村における社会教育の振興を図るため、県第2次長期総
合教育計画ならびに煙期計画にもとづき、昭和55年度の社会
教育課の重点施策を次のように策定し、社会教育の機会の拡
充に努めた。
(1)社会教育活動の充実
社会教育活動は、幼児期から、高齢者にいたるまで、そ
の対象となっている。したがって、生涯教育構想に立ち、
青少年及び成人の多様化、専門化する学習要求を確実にう
けとめ、学習内容の改善を図り、社会教育関係団体を育成
助長し、各種の社会教育事業を拡充し、学習社会の形成を
図る必要がある。これが実現のため、市町村教育委員会と
緊密な連携のもとにその拡充を図った。
1) 各種学級、講座の拡充
ア 家庭教育学級の拡充を図る。
イ 少年教室の開設を促進する。
ウ 青年学級、教室の整備拡充を図る。
エ 成人教育関係各種学級、講座、学校等の開設促進を
図る。
2) 各種事業の拡充
ア 家庭教育(幼児期)相談事業、家庭教育総合セミナ
ーの充実を図る。
イ 青少年団体育成事業の充実に努める。
ウ 高齢者教室指導者研修会、婦人教育指導者研修会等
各種成人教育事業の拡充を図る。
3) 社会教育関係団体の育成と団体活動の助長
ア 青少年団体の育成を図るとともに地域活動の助長に
努める。
イ 婦人団体、PTA等の組織の拡充と地域活動の活発
化を図るよう育成助長に努める。
ウ ユネスコ(国際理解・協力)活動研修会の充実に努
めユネスコ協会の育成助長に努める。
4) 民間有志指導者の発掘と養成
ア 民間有志指導者の発掘と養成のための研修事業を拡
充する。
イ 民間有志指導者の組織化を促進し、地域活動の活発
化を図る。
5) 県立社会教育施設における事業の拡充
ア 図書館奉仕活動の充実に努める。
イ 少年自然の家主催事業の充実に努め.る。
(2)社会教育関係職員の充実
市町村における社会教育の一層の振興を図るためには、
新しい社会の進展に即応する専門職員として、ふさわしい
識見と技術とを備えた社会教育主事、公民館職員等を確保
することが必要である。これがため、社会教育主事の市町
村派遣の適正化を図りながら、市町村社会教育主事及び公
民館職員等の専任化促進と定数増について、市町村の指導
に当たるとともに、職員研修事業の改善充実を図った。
1) 社会教育主事の定数確保と専任化促進
ア 専任社会教育主事を設置するよう未設置市町村の指
導に当たる。
イ 派遣社会教育主事設置の適正化を図るとともに、社
会教育主事の計画的養成を図る。
2) 公民館職員の増員
ア 公民館長、主事の専任化を図るとともに、職員数の
増加に努めるよう市町村の指導に当たる。
3) 公立図書館専任館長、司書の設置促進
ア 図書館長の専任化と専任司書の設置促進を図るよう
市町村の指導に当たる。
4) 社会教育指導員の適正配置に努める。
5) 婦人教育指導員の活動の強化を図る。
6) 視聴覚ライブラリー職員の定数増を図るよう市町村の
指導に当たる。
7) 職員研修事業の充実
ア 市町村社会教育関係職員の資質の向上を図るため、
研修内容、方法の改善を図り、研修事業の充実に努め
る。
(3)社会教育施設・設備の充実
公民館、図書館、少年自然の家、青年の家等の社会教育
施設は、市町村との連携のもとに計画的に整備充実を図る
必要がある。これがため、公民館は本県における設置目標
をふまえ、国庫補助金の確保を図るとともに、県費補助の
増額に努め、建設促進について市町村の指導に当たった。
また、少年自然の家(会津坂下町)の建設を推進するとと
もに、県立図書館の建設については、文化施設建設調整会
議で基本計画を策定した。
市町村立図書館の建設については、市町村と協議し、建
設を促進するとともに、公立視聴覚ライブラリーの設置促
進を図った。
1) 公民館の設置促進
ア 公民館の計画的な設置促進を図るため、市町村の指
導に当たる。
イ 公民館設備の整備と効果的活用を図るよう市町村の
指導に当たる。
2) 公立図書館の設置促進
ア 県立図書館の建設について、県文化施設建設調整会