教育年報1981年(S56)-261/308page

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福島県教育センター

  第1節 概   要

 業務担当の次長が新たに配置されて3年目を迎え、本年

度の教育センターにおける研修と研究の両事業は、一層緊

密に一体化が図られ、内実のある事業が推進された。教育

センターは、本県学校教育の向上発展に寄与するため、教

職員の研修・教育に関する専門的、技術的事項の調査研

究・情報処理教育・教育相談及び教育図書・資料の作成、

収集、普及、活用等に関する事業を推進した。その概要は

次の通りである。

(1)研修事業

  教育センターは、教育関係職員の専門的職能と資質の

 向上を図るために、県教育委員会が行う研修計画のうち、

 学校経営・教育研究法・教育工学・各教科・道徳・特別

 活動・生徒指導・教育相談及び情報処理教育等に関する

 専門的内容について研修事業を実施した。本年度は、前

 年度に引き続き教育研究法講座の定員増と教育工学2講

 座の増、小・中・高の主任を対象にした体育・保健体育

 講座の開設、更に高校社会(現代社会)・理科B(理科1)

 各講座定員の2倍増等、講座の拡充を図る一方、全講座

 について、新学習指導要領の趣旨と各学校が抱える課

 題・要望等を踏まえた講座内容の刷新に努めた。また新

 大型電子計算機の導入により、情報処理教育講座の内容

 が一段と充実し、体育館の新設は、関係講座の研修成果

 をより高めた。研修者定員は2,261人であった。なお、

 本庁各課等の当センターでの研修会は57回行われ、研修

 人員は4,123入に及んだ。

(2)研究事業

  本県が当面している教育上の課題や学校における教育

 実践上の諸問題を取り上げ、その解決のため、プロジェ

 クトチームを組むなどして、次の研究を進めた。1)学校

 経営改善に関して、3年継続研究の第1年次として、「教

 育課程の経営に関する研究一小学校一」2)学習指導に関

 しては、学習指導の個別化に関する研究として、「個を

 生かす研究」一小学校図画工作・体育一、習熟度別学習

 指導に関する研究として、「数学1」・「英語1」におけ

 る目標分析と形成的評価問題に関する研究」3)学習の成

 果に着目した「福島県標準学力診断検査問題の研究(小

 学校1・2・3学年用国語・算数・社会・理科)」4)教

 育相談に関しては、「登校拒否のタイプ別治療方法の研

 究」5)高校の新教育課程で新設された「現代社会」及び「理

 科1・2」に関する研究6)新教育課程実施上留意・工夫

 すべき事項等にかかわる、「教育課程の実施に関する研

 究」等である。これらの研究成果は、紀要や資料等とし

 て刊行し、学校及び教育関係機関等に配付して普及を

 図った。その他「学級担任・HRTのための学校教育相

 談入門」を刊行した。また全所員各自研究テーマをもっ

 て個人研究にも励み、研究報告書としてまとめた。更に

 所員による「所内研究報告会」「電子計算機新システム

 研修会」を開催し、自己研修を深めた。

(3)教育相談事業

  幼児・児童・生徒の教育上の諸問題について、学校や

 親からの相談に応じ、その望ましいあり方について臨床

 心理学や科学的な方法(遊戯療法、行動療法、カウンセ

 リング等)により、診断、指導、治療、矯正等を行い、

 解決のための援助を図った。また移動教育相談を県南・

 相双教育事務所管内の児童・生徒を対象に実施した。年

 間相談延べ件数は1,405件であった。

(4)教育図書・資料事業

  県内教職員の教育実践活動に役立つ情報・資料を各学

 校に提供するため、教育の専門図書・資料を広く収集す

 ると共に、整理・保管して研修者の利用に供した。また

 教育に関する研究・研修の成果を所報、紀要等によって、

 学校及び教育関係機関等に普及し、研究並びに実践活動

 の援助に努めた。教育諸問題に関する照会は、直接来談

 以外に電話、郵便によるもの年間85件に達した。

(5)情報処理教育に関する研修及び実習

  本年度9月に更新された大型電子計算機及びNC工作

 機械を使用して情報処理教育講座を実施し、108人が研

 修したほか、教員個人研修に467人を受け入れ、更に高

 校生延べ2120人の実習が年間を通して行われた。郵送に

 よる利用は、延べ19人を数えた。

  第2節 教育研究

  1 学校経営改善に関する研究

(1)研究の視点

  教育課程の基準の改善を機に、教育課程の展開とその

 効果は、経営的発想を生かした各学校の自発的・創造的

 活動に大きな期待が寄せられている。しかし、教育現場

 における教育課程経営の実際には、計画(編成)、実施、

 評価・改善の各活動が、一連の経営過程として円環的に

 とらえられているとはいえない種々の問題がある。これ

 らの具体的問題に対処しながら、経営的発想に基づく教

 育課程のP-D-Sはどうあるべきかを、調査研究をと

 おして解明していくことを研究の趣旨とし、「動態的に

 見直す教育課程」、「教育課程評価票の開発」、「教職員の

 経営参加」の三つを研究視点として、研究を進めるもの

 である。

(2)研究の内容

  教育課程の経営に関する研究(3年研究)

(3)研究の概要(第1年次)

 1) 教育課程の経営に関する理論構想の確立

  ・ 学校経営と教育課程の経営

  ・ 教育課程経営の意義と機能

  ・ 経営的発想に基づく見直しの観点


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