教育年報1981年(S56)-262/308page
2) 研究協力校による実践資料のまとめ(小学校)
・ 実践結果の処理と考察
・ PDSの各過程における問題点とその対策
3) 紀要「教育課程の経営に関する研究一第1年次」発行
2 学習指導の個別化に関する研究
(1)研究の視点
本研究は、昨年度の「個を認める研究」一個を認める
働きかけをすることによって学習意欲の向上をねらった
研究 の継続研究である。
第2年次の本年度は、「図画工作科」と「体育科」の
2教科の授業を通して、前年度の”個を認める”働きか
けを更に一歩深めた”個を生かす”働きかけを追究し、
児童一人一人に真の喜びや楽しさ・充実感のある学習の
成立を図った。それは、「図画工作科」及び「体育科」
それぞれの特質に立脚した、児童の実態把握の工夫であ
り、児童個々の内面にくい入る働きかけの工夫であり、
学習指導過程改善の試みである。
(2)研究の内容
「個を生かす研究」(3年研究の第2年次)
(3)研究の概要
検証授業は、「2-1-2方式の授業研究」によって
行い、研究主題の解決策の効果は、研究前と研究後に実施
したアンケート・作文・作品分析・技能の自己たしかめ
等の結果の比較で判定し、その効果を認めることができ
た。
紀要「個を生かす研究」を刊行した。
3 福島県標準学力診断検査問題の研究
(1)研究の視点
この研究は、学習指導要領の改訂に伴い、当教育セン
ターの標準学力診断検査問題を、全面的に改訂、作成す
るための研究で、継続研究事業である。
そのため、新学習指導要領に沿った検査問題とするこ
と、及び県内各校で、自校の児童の学力の実態を分析、
把握し、教育課程の改善や、学習指導の改善に役立て得
る検査問題とすることを視点として研究を進めた。
(2)研究内容と方法
1) 福島県標準学力診断検査問題の研究
所員と小学校教員からなる研究委員会を構成し、国
語科・算数科については、1・2・3学年用の問題の
修正、社会科・理科については、1・2・3学年用の
問題の作成を行った。
2) 福島県標準学力診断検査の実施
1・2・3学年用の学力診断検査問題を標準化する
ために、層化無作為2段抽出法により、国語科・算数
科では小学校15校を抽出し本テストを、社会科・理科
では小学校7校を抽出して予備テストを実施した。
4 習熟度別学習指導に関する研究
(1)研究の視点
習熟度別学習の研究は、主に習熟度別学級編成、学習
指導の面から行われているが、評価・評定の問題は、残
された課題である。この解決の糸口は、生徒の習熟度に
応じて、学習目標、内容をいかに組織化し、それをいか
に形成させるかの二点にある。そこで、学習目標の設定
と形成的評価の研究の視点からこれを追求することにし
た。
(2)研究の内容
「数学1」・「英語1」における目標分析により、下位行
動目標の洗い出し、生徒の習熟度に応じられるよう段階
化し、それに対応する形成的評価問題を作成した。
(3)研究の概要
新学習指導要領を基に、仮説的に中位以下の習熟度の
生徒を想定し、「数学1」・「英語1」の目標分析をして、
下位目標行動を段階化し、ステップを踏んで学習が進めら
れるようにした。また、中学校の学習内容を分析し、中・
高の一貫性を図るようにした。更に、下位行動目標に対
応ずる形成的評価問題を作成し、習熟度目標が形成され
れば、上位目標に、つまずいた場合は、中学校段階まで、
フィードバックする機能を持たせるようにした。
この研究をもとに、紀要『「数学1」・「英語1」におけ
る目標分析と形成的評価問題の研究』を刊行した。
5 高等学校「現代社会」に関する研究
(1)研究の視点
本研究は、新高等学校学習指導要領に示された社会科
の必修科目「現代社会」の目標及び内容を、実際の授業
におろす場合、どのように構成し、指導したらよいかを
具体化したものである。特に、従来の社会科がややもす
ると知識・理解中心に陥り、社会的思考力・判断力の育
成をおろそかにしがちであったことを踏まえ、本研究で
はものの見方、考え方、学び方を習得させるために、生
徒ができるだけ自発的・主体的に学習できるように指導
内容の構成と指導方法の工夫を試みた。
(2)研究の内容
「現代社会」の年間指導計画と授業の展開例
(3)研究の概要
「現代社会」の性格とねらい、年間指導計画、授業の展
開の仕方、モジュールによる学習の進め方などについて、
1年間にわたって研究し、その成果を研究資料"「現代社
会」の研究"として刊行した。
6 高等学校「理科1」に関する研究
(1)研究の視点
国民的教養としての「科学の基礎的・基本的内容の習
得を図る。」「偏りのない自然観の育成を目指す。」という
高等学校理科1のねらいを基本ベースとして、中学校理
科及び高等学校選択理科との関連を重視する。更に、理
科の教育構造の原則に立って、教科内容を吟味すると同
時に、学習過程としての「探求の過程」を重視する。
(2)研究の内容
高等学校「理科1」における教材内容及び実験・観察
についての具体的な展開方法、また、実験、観察の教材、
教具の開発や工夫。