教育年報1981年(S56)-263/308page
(3)研究の概要
教材内容、実験・観察の具体例の検討、特に、実験、
観察のテーマの設定と、その内容構成に当たっては、「理
科1」のねらいと、実施上の問題点を十分に考慮して、
次の四つの原則のもとに研究をまとめた。
1)科学の基本概念や重要概念にかかっている基礎的・基
本的実験、観察2)主として、一般的機器で利用可能なもの
3)比較的実験繰作か容易で、再現性の高いもの 4)各
領域に偏りがないこと。結局、生徒実験23項目、演示実験
13項目を取り上げ、それをもとに「理科1指導のてびき」
を刊行した。
7 教育相談の基礎的研究
(1)研究の視点
登校拒否は、形成要因・形成過程、子供の発達段階な
どにより、その症状はさまざまで、ケースにより指導方
針、指導段階、指導方法なども異なるので、ケースをタ
イプ別に分類し、発症タイプとして多くみられる事例を
取りあげ、テスト・バッテリーの組み方や、指導方針、
治療(指導)方法等を研究した。
(2)研究の内容
登校拒否タイプ別治療方法の研究
(3)研究の概要
1) 登校拒否のタイプ
2) 登校拒否のメカニズム
3) 登校拒否相談の推移
4) 登校拒否の出現率
5) 早期発見・早期治療のためのテスト・バッテリーの
組み方
6) 学校における指導
7) 事例
・ 神経症的登校拒否一分離不安一(小学生)
・ 神経症的登校拒否一Aタイプ一(高校生)
・ 神経症的登校拒否一Bタイプー(中学生)
・ 精神障害による登校拒否(高校生)
第3節 教職員研修
昭和56年度は、県教育委員会が教職員研修の体系化と効
果的な推進を図るために策定した「教職員現職教育計画」
の実施第3年次に当たり、教育センターと本庁関係各課と
の教職員研修に関する連絡調整は極めて円滑に運ばれ、研
修計画の実施・運営はすっかり軌道に乗って行われた。教
育センターは、県教育委員会が行う基本・専門・特別の3
研修区分のうち「専門研修」を担当することとなっている
が、昭和55年度から小・中・高の順に新教育課程か実施さ
れること等も踏まえて、教職員研修の内容については特に
吟味し、研修事業の整備・充実に努めた。その概要は次の
通りである。
1 研修講座の整備・拡充
教育研究法講座(2人増)、教育工学講座(2講座増)、小・
中・高各主任対象の体育・保健体育講座の開設、高校社
会(現代社会)・高校理科(B)各講座定員の2倍増等、
講座を拡充する外、実態に見合った講座定員の整備を
図った。
2 研修内容の充実
(1)全講座について、新学習指導要領のねらいと趣旨を
生かした内容を組み入れると共に、学校が当面してい
る課題と要望等にこたえうるよう研修内容の再検討を
行い、充実したしかも魅力ある内容にすることに意を
用いた。
(2)研修形態について、講義中心になることを避け、研
究協議・実技・実習・観察・実験・調査・演習等を講
座の特質に応じて取り入れ、研修内容の多様化と研修
効果を高めることに配慮した。
(3)小学校の教科に関する講座については、小学校が学
級担任制による全教科・全領域にわたる指導となって
いる現状にかんがみ、教育相談に関する内容や教育工
学的手法等を講座に組み込み、多面的な指導が行われ
るように配慮した。
(4)中学校の講座については、演習・実技・実習・実地
調査等主体的な研修方法によって、研修内容がより深
まると共に、研修効果が実際の指導に結びつくように
努めた。
(5)高等学校の講座については、教科指導と生徒指導の
調和・融合が図れるよう生徒指導に関する内容を講座
に折り込んだ。また、新大型電子計算機を導入し、情
報処理教育講座の充実を図った。
(6)体育館を新設し、関係講座の内容充実に努めるほか、
研修者の健康管理に配慮した。
3 昭和56年度の講座数・研修者定員は次表の通りである。
学 校 種 別 講 座 数 研修者定員 小・中・高共通 7 220 小 学 校 35 866 中 学 校 24 591 高 等 学 校 29 554 養護教育諸学校 30 合 計 95 2,261 1 学校経営講座
(1)学校経営(A)講座
1)期日・人員等
ア.6月15日〜6月18日 8月31日〜9月3日
1月20日〜1月23日 年間3回の断続研修
イ.小・中・高・養護学校の教頭 34名
2)主な内容
・ 学校経営の意義、機能、組織、運営
・ 学校経営の計画、実施、評価
・ 教育課程の経営
・ 教育研究法と主題研究
・ 文化・経済・社会等の一般教養