教育年報1982年(S57)-080/316page
5) 本県へき地学校の概要
本県はへき地学校が多く、人事委員会指定は県全体の
学校数に対して、小学校は25.4%、中学校においては、
181%になる。さらに、県教育委員会指定のへき地検は、
小学校30校、中学校13校あり、これを含めると本県のへ
き地学校は、県全体の小中学校の282%を占める。
へき地学校は会津地方、次いで阿武隈山系に分布して
おり、その多くは小規模校と分校である。
児童生徒数についてみると、全児童生徒数に対して、
へき地小学校在籍児童数は655%、へき地中学校在籍生
徒数は675%に当たる。また、教職員については、県教
員数の13.97%のものがへき地学校に勤務している現状
である。
(2)へき地教育の振興策
へき地の学校は、概して小規模であり、かつ分校も多い
ため、複式学級が多い。従って教育条件の改善充実を図る
とともに、へき地学校に優秀な教員を確保することが緊要
である。
1) へき地教育の人事行政
「昭和57年度末人事に関する方針」1の(2)において、
「教育の機会均等の理念に立脚し、地域差、学校差の是
正につとめ、各学校の教職員組織の充実と均衡化及び教
育庁職員組織の充実をはかる。」ことを基本方針としてか
かげ、これを受けて、昭和57年度末小中学校教職員人事
実施要項の二において交流のための区分を設定し、「す
べての教職員を在職期間中に都市、平地、へき地等の勤
務を公平に経験させる。」こととし、へき地と各地域間と
の計画的な交流の推進を図った。
また、へき地派遣制度によるへき地派遣、へき地学校
勤務で優秀な実績をあげた者の管理職への抜てきなどの
施策もあわせて実施した。
ア へき地交流
(ア)地域区分
県内の地域区分を次のとおりとする。
○特A地域 旧4市(福島、郡山、会津若松、平)
の学校
○A地域 市、主要町村の学校
○B地域 特A、A及びC地域以外の学校
○C地域 へき地の学校(人事委員会、教育事務所
の各指定学校)
(イ)交流基準
(ア) へき地学校勤務については次の基準による。
○教員については、その在職期間中に別表2に
よる期間勤務する。ただし、会津ブロック外出
身者の会津ブロックへき地学校勤務手数は、別
表3による。
○昭和28年度以降採用者のうちで、へき地学校
勤務の経験のない者については、計画的にへき
地学校へ転出させる。ただし、へき地学校に勤
務すべき該当者が少ない場合においては、採用
年度にかかわらず計画的にへき地学校に転出さ
せる。これがため、当分の間はまず、昭和22年
度から昭和27年度までの採用者であって、へき
地学校勤務経験のない者及びへき地経験の少な
い者を重点的に考慮する。
○すでにへき地経験を有する者が、再び相当期
間へき地学校に勤務し、都市又は平地の学校に
転出を希望する者については、優先的に考慮す
る。
別表2
級別 教育事務所指定へき地 人事委員会指定へき地 特 地
準1級地1級地 2級地 3級地 4級地 5級地 勤務
年数4年以上 3年以上 2年以上
別表3
会津ブロック外出身者の
会津ブロックヘき地勤務
年数人事委員会指定へき地
教育事務所指定へき地2年以上
昭和57年度へき地交流件数
学校種別/転出入 へき地への転入件数 へき地からの転出件数 管内 管外 計 管内 管外 計 小学校 121 111 232 167 88 255 中学校 60 33 93 78 46 124 計 181 144 325 245 134 379
イ へき地派遣制度
へき地校勤務満了教員で、都市又は平地の学校に勤
務する教員のうちから、成績優秀な中堅教員を厳選し
て計画的にへき地学校に派遣し、その教育実践をとお
してへき地教育振興に役立てるとともに、当該教員が
相当期間勤務し、その勤務成績が良好の場合は、抜て
き人事等の優遇措置を講ずることとした。相当期間と
は3年以上である。
昭和57年度末は特に東白川地区南会津地区を重点地
区に設定し、教員組織の充実強化をはかった。
2) へき地学校教職員の経済的優遇策
ア 旅費配分における優遇措置
旅費の配分算定資料として、へき地学校の場合は、
教員1人当なり5,000円の研修旅費を支給し優遇して
いる。
イ 赴任旅費の支給
4、5級の高度へき地の学校に赴任する新採用教員
に対する赴任旅費を支給している。
ウ へき地手当及びへき地手当に準ずる手当の支給
人事委員会指定のへき地学校に勤務する教職員に対
し、給料と教職調整額と扶養手当の合計額にその級地
に応して、それぞれ4%、8%、12%、16%、20%、
25%を乗して得た額が、へき地手当として毎月支給さ