教育年報1982年(S57)-176/316page
2) 文化財保護指導者講習会
ア 趣 旨
文化財に関する知識の普及と愛護精神の高揚をはか
るため、文化財保護について指導的立場にある関係者
に対し、文化財に関する専門的事項について講習を行
い、市町村における文化財保護行政の進展に資する。
イ 主 催
福島県教育委員会・いわき市教育委員会
ウ 期日及び会場
昭和57年7月28日(水)〜29日(木)
いわき市文化センター・いわき市労働福祉会館
エ 講習内容及び講師
(ア) 講 義
(ア) 「東北地方出土の中世陶磁器」
東北歴史資料館考古研究科長 藤沼邦彦
(イ) 「博物館・歴史民俗資料館の資料展示の
あり方と方法について」
慶応大学講師 国友俊太郎
(ウ) 「仏像の見方について」
一形と時代判定の仕方一
東京国立博物館東洋課長 佐藤昭夫
オ 分 科 会
(ア) 市町村文化財保護審議会の具体的活動と問題点
事例発表
田島町教育委員会社会教育主事 佐藤高慶
(イ)緊急発掘調査における市町村の役割と問題点
事例発表
山都町教育委員会主事 小沢弘道
カ 現地研修
白水阿弥陀堂、中田横穴、飯野八幡宮本殿
(2)文化財指定の推進
1) 県指定文化財
県内に所在する重要な文化財について、県文化財保護
審議会の答申に基づき昭和58年3月25日付県教育委員会告示
告示第1号〜第3号をもって県指定文化財に指定した。
県指定重要文化財
種別 名 称 員数 所在地 所有者 1 彫刻 木造二十八部衆立像風神・雷神共 30 く 河沼郡会津坂下町大字塔寺字松原2944番 恵隆寺 2 木造日光菩薩立像
木造月光菩薩立像
附 木造宝光
虚空蔵菩薩立像
木造聖観音
菩蔭立像2 く 河沼郡会津坂下町大字大上字村北甲789番
薬師堂内(旧瑠璃光山調合寺)浄泉寺 3 木造千手観音立像 1 く 郡山市湖南町福良字寺ノ前6164番地 千手院 4 絵画 白河ハリストス
正教会のイコ ン48 点 白河市字愛宕町50番地 白河正教会
種別 名称 員数 所在地 所有者 5 考古資料 金銅製双魚袋金具 2 枚 福島市杉妻町2番16号 福島県 6 中田横穴出土品 1 括 いわき市平字梅本21番地 いわき市
県指定重要有形民俗文化財
名称 員数 所在地 所有者 7 昭和村のからむし生産用具とその製品 371点 大沼郡昭和村大字大芦字宮田1588番地 大芦民俗資料保存会
県指定重要無形民俗文化財
名称 所在地 保護団体 8 飯野八幡宮の流鏑馬と献饌 いわき市平字八幡小路84番地 飯野八幡宮
2) 古文書緊急調査
県下に所在する古文書等について、その散逸、亡失を
防ぐため、昭和55年度から3ヵ年継続で県文化センター
に委託し、「陸奥代官領村方文書」について調査を実施し
たが、本年度調査ヵ所は次のとおりである。
なお、昨年度は「福島県古文書緊急調査報告1」を刊
行し、本年度は桑折・岡・川俣・塙及び小名浜の各代官
所支配下の地方文書3,513点を収録した「同報告2」を
刊行した。
1 台宿区有文書 360点
東白川郡塙町大字台宿
2 塙連合区有文書 86点
東白川郡塙町大字塙
3 近藤良平家文書 436点
東白川郡塙町常世北野
4 拝金行政区有文書 820点
田村郡小野町大字浮金
5 石井静家文書 124点
田村郡小野町大字浮金
6 蛭田政章家文書 204点
双葉郡楢葉町大字上小塙
7 上小塙区有文書 813点
双葉郡楢葉町大字上小塙
3) 文化財基礎調査
ア 年中行事調査
最近伝統的な生活様式や風俗慣習が著しく変容して
おり、そのためにそれを基礎として成立してきた年中
行事も変化し、あるものは衰微している現況から、昭
和55年度から3年継続で県内全域にわたり調査を行っ
てきたが、本年度はこの報告書を刊行した。
第1次調査件数 1,650件
第2次調査件数 8件
報告書収録件数 800件
○調査員 県文化財保護審議会委員 岩崎敏夫
イ 工芸品調査
県内各地に現存する伝統的工芸品の実態を調査し、
その保存を図るための基礎資料として、昭和55年度か