教育年報1982年(S57)-267/316page

[検索] [目次] [PDF] [前][次]


福島県教育センター

第1節 概 要

教育センターは、本県学校教育の向上発展に寄与するため、

教職員の研修、教育に関する専門的、技術的事項の調査研究、

情報処理教育、教育相談及び教育図書・資料の作成、収集、

普及、活用等に関する事業を推進してきた。それらの事業の

概要は次のとおりである。

(1)研修事業

教育センターは、教育関係職員の専門的職能と資質の向

上を図るために、第二次福島県長期総合教育計画に基づく

研修計画のうち、幼稚園教育、学校経営、教育研究法、教

育工学、各教科、道徳、特別活動、生徒指導、教育相談及

び情報処理教育等に関する専門的内容についての研修事業

を実施した。

本年度は、幼児教育を重視し、一層の充実を期して幼稚

園教育講座の新設と、児童生徒の道徳的実践力の育成か望

まれている現状にこたえて小学校道徳講座の増設を図った。

これら講座の増設を図る一方、教育現場の教職員の実態並

びに研修歴等を勘案し、全講座について1次、2次、共通

の研修区分について見直しを行った。

また、学習指導要領に示された目標・内容を吟味し、各

学校がかかえる教育課題や教育センターの研修事業に寄せ

る要望等を十分配慮のうえ、全講座内容の改善充実に努め

た。なお、教育センターの講座数59、講座開設回数104回、

研修定員1,979人、研修延人員2,439人に及んでいる。

(2)研究事業

本県が当面している教育上の課題や学校における教育実

践上の諸問題と関連する研究主題を設定し、所員並びに

学校関係者の協力を得なかが、プロジェクトチームによっ

て次の研究を進めた。1)学校経営改善に関して、3年継続

研究の第2年次として、「教育課租の経営に関する研究一中

学校一」、2)学習指導に関して、3年継続研究の第3年次

として、「学習指導の個別化に関する研究一中学校一」数学・

英語を研究教科とする実践研究、「小学校低学年理科指導の

研究」と「高等学校理科2に関する研究」は2年継続研究

の第1年次、3)学名の成果に着目した「福島県標準学力診

断検査問題の研究(小学校1・2・3学年用国語・算数・

社会・理科)」、4)教育相談に関しては、2年継続研究の

第1年次として、「学習意欲を高める心理的治療への理論的

アプローチ」、5)「教育課程の実施に関する研究」として、

教科指導、情報処理教育、生徒指導の研究等を取り上げた。

これらの研究成果は、紀要や資料として刊行し、学校及

び教育関係機関等に配付して普及を図った。また、全所員

各自が研究テーマをもって個人研究にも励み、研究報告書

としてまとめた。更に所員による「所内研究報告会」を開

催し、研修と研究の一体化を図り、研修講座の充実に生か

すように努めた。

(3)教育相談事業

幼児・児童・生徒の教育上の諸問題について、学校や保

護者からの相談に応じ、その望ましいあり方について臨床

心理学や科学的な方法(遊戯療法、行動療法、カウンセリ

ング等)により、診断、指導、治療、矯正等を行い、解決

のための援助を行った。また、移動教育相談を県中、県南、

会津、南会津、相双、いわき教育事務所管内で実施した。

なお、年間相談延件数は1,408件であった。

(4)教育図書・資料事業

県内教職員の教育実践活動に役立つ情報・資料を各学校

に提供するため、教育の専門図書・資料を広く収集すると

共に、整理・保管して研修者の利用に供した。また、教育

に関する研究・研修の成果を所報、紀要等によって、学校

及び教育機関等に普及し、研究並びに実践活動の援助に努

めた。教育諸問題に関する照会は、直接来談や電話、郵便

によるもの等年間29件に達した。

(5)情報処理教育に関する研修及び実習

昨年度に更新された大型電子計算機及びNC工作機械を

使用して情報処理教育講座を実施し、116人か研修したほ

か教員個人研修に延べ322人を受け入れ、更に高校生延べ

3,063人の実習が年間を通して行われた。郵送による利用

は、延べ583人を数えた。

第2節 教職員研修

昭和57年度は、県教育委員会か教職員研修の体系化と効果

的な推進を図るために策定した「教職員現職教育計画」の実

施第4年次に当たり、教育センターと本庁関係各課との教職

員研修に関する連絡調整は極めて円滑に行われ、研修計画の

実施、運営はすっかり軌道に乗って進めることができた。教

育センターは、県教育委員会が行う基本・専門・特別の3研

修区分のうち、「専門研修」を担当しているが、昭和55年度か

ら小学校、中学校、高等学校の順に新教育課程が実施されてお

り、教職員研修の内容については特に吟味し、研修事業の整備、

充実に努めた。その概要は次のとおりてある。

(1)研修講座の整備・改善

研修講座の設置状況及び時代の要請等を検討し、次のよ

うに改善を図った。幼稚園教育講座の新設、小学校道徳講

座を2講座に増設したが、教職員の実熊と研修対象数等を

考慮しなから、研修区分(1次、2次、共通)を改めると

共に中学校社会、高等学校理科B講座の縮小を図った。

(2)研修内容の充実

1) 全講座について、新学習指導要領の目標や指導内容を

吟味して講座内容を構成すると共に、当面する学校の教

育課題や要請にこたえるよう研修内容の再検討を行い、

充実した。しかも魅力あるものとなるよう努めた。

2) 研修形態について、講義中心になることを避け、研究

協議、実技、実習、観察・実験、調査、演習等を講座の

特性に応して取り入れ、研修内容の多様化と研修効果を

高めることに配慮した。


[検索] [目次] [PDF] [前][次]

Copyright (C) 2000-2001 Fukushima Prefectural Board of Education All rights reserved.
掲載情報の著作権は福島県教育委員会に帰属します。