教育年報1982年(S57)-279/316page
・ 東京都立教育研究所教育相談部長 緑川尚夫
・ 千葉県教育センター教育相談部長 相本恒郎
・ 教育センター担当所員
(3)中学校・高等学校教育相談講座
1) 期日・人員等
ア 第2次 前期 9月6日〜9月9日
後期 12月7日〜12月10日
イ 中学校教員 18名
高等学校教員 12名
2) 主な内容
・ エゴグラム
・ バウム(樹木画)テスト
・ カウンセリングテープ分析
・ ロール・プレインク
・ カウンセリング実習
・ Y-G性格検査の分析
・ マイクロ・ラボラトリー・トレーニング
・ 個人理解の方法(事例研究)
・ 行動カウンセリング
・ 教育催眠
3) 講 師
・山形大学教育学部助教授 高橋良幸
・ 教育センター担当所員
第3節 教 育 研 究
1 教育課程の経営に関する研究
(1)研究の視点
教育課程経営における教育現場の問題は、編成・実施・
評価の各過程が連動せず、各過程間に断絶がみられること
である。特に、教育課程評価の実質的な活動にやや問題が
あり、これが次年度の計画改善にも影響を与え、教育課程
経営全体の実効性を少なくする原因となっている。したが
って、本研究第2年次の研究の方向を「教育課程経営にお
ける評価過程のあり方」に求め、教育現場より要請される
「教育課程評価票(試案)の開発」を目指して研究を進め
るものである。
(2)研究の内容
教育課程の経営に関する研究(3年研究)
(3)研究の概要(第2年次)
1) 教育課程評価に関する理論研究
・ 教育課程評価の意義
・ 教育課程評価の周辺一教育評価と教育課程評価
・ 経営的発想に基づく評価
・ 教育課租評価票(試案)の構想
2) 研究協力校による教育課租経営に関する調査
・調査結果の処理と考察
3) 資料編「新教育課程の実施に関する調査」(中学校)
・ 調査結果・実践資料の整理
1) 紀要「教育課程の経営に関する研究一第2年次」刊行
2 学習指導の個別化に関する研究
(1)研究の視点
学習指導に関する今日的な課題の一つに、学習者中心の
授業の創造がある。それは、対象とするすべての児童生徒
一人一人に目を向けて、個を理解し、個に即した働きかけ
を行い、一人一人の児童生徒に確かな学習を成立させる、
学習指導法開発への要請でもある。このような要請に応し
て、昭和55年度から3年計画で研究協力校のもとに、「学習
指導の個別化」に関する研究と取り組んできている。
第3年次の本年度は、中学校の数学科と英語科の授業を
通して、前年度までの「個を認める」働きかけや「個を生
かす」働きかけを更に一歩深めて追究し、生徒一人一人に
より確かな学習の成立を目指す方策について研究した。
(2)研究の内容
「個に応ずる研究」(3年研究の第3年次)
(3)研究の概要
本研究は、個のつまずきや到達の度合いに応じた学習課
題を設定し、分枝型学習によって「個に応ずる」働きかけ
を行い、個の確かな学習の成立を目指した。検証授業は、
「2-1-2方式」の授業研究によって行い、研究主題の
解決策の効果は、研究前と研究後に実施したアンケート・
作文・諸テスト等の結果の比較で判定し、その効果を認め
ることができた。
紀要「個に応ずる研究」を刊行した。
3 福島県標準学力診断検査問題の研究
(1)研究の視点
この研究は、新教育課程の実施に伴い、当教育センター
の標準学力診断検査問題を、全面的に改訂・作成するため
の研究で、継続研究事業である。
そのため、新学習指導要領に沿った検査問題とすること
及び県内各校で、自校の児童の学力の実態を分析・把握し
教育課程や学習指導の改善に役立て得る検査問題とするこ
とを視点として研究を進めた。
(2)研究内容と方法
1) 福島県標準学力診断検査問題の研究
所員と小学校教員からなる研究委員会を構成し、国語
科・算数科については、1・2・3学年の学力の実態を
分析し、社会科・理科については、1・2・3学年用の
問題の作成を行った。
2) 福島県標準学力診断検査の実施
社会科・理科について、層化無作為2段抽出法により
小学校17校を抽出し、1・2・3学年の学力診断検査問
題による本テストを実施した。
4 小学校低学年理科指導に関する研究
(1)研究の視点
活動を重視する小学校低学年理科指導はいかにあるべき
か。本県における理科指導上の問題点.身につけさせるべ
き学力、そしてそのとらえ方などに視点を置き、授業実践に
より、その方向性を探る。